TOP >
BACK | TOP | NEXT

リストマーク 熊蟄穴 

2017年12月14日 ()
  七十二候では、12月13日頃からは、大雪の次候「熊蟄穴(くま あなにこもる)」となります。日本にいる二種類の熊(ツキノワグマ、ヒグマ)は冬になると「冬篭り」します。中国の暦では、「虎始交(とらはじめてつるむ)」とあり、虎が交尾をはじめる時期とされていますが、虎のいない日本では、江戸初期に熊の冬篭りに換えられました。

  今日の水彩画は、「モミジの間で花開く四季桜」です。紅葉の林の中で淡く咲く四季桜、まるでモミジに淡雪が降り積もったように、可憐な小さな花が霞のように咲き、美しくも不思議な風景をつくりだしています。
17-12-14.jpg

  四季桜はマメザクラとエドヒガンの種間雑種と考えられており、この小原(豊田市)の四季桜は、藤本玄碩という医師が文政年間の始めに名古屋方面から苗を求めて、植えたのが親木となって、広まったものとされています。花は一重の白または淡紅色で、夏の間に膨らんだ花芽が秋から冬にかけて順次咲き、春に咲くほかの桜のように一度に満開になることはなく、花の数も少なく、控えめで可愛らしい桜です。

  ジャイアントパンダの赤ちゃん、シャンシャンが大変な人気ですが、クマに近い種類といわれるジャイアントパンダは、食べるものが笹や竹が主で、冬でも豊富に得られるために冬眠はしないそうです。
 最近、クマが人を襲う事件が増えています。これは、戦後すぐの植林で奥山が杉やヒノキ林に置き換わり、クマが食べる木の実が減っているところへ、里山の荒廃や開発でさらに食物が減ったために、クマが飢えて人里に下りてくるようになったといわれています。自然を相手の農林業から人が撤退して、町に移り住むようになるとともに、野生動物たちも町へと近づいてきているともいわれます。農林業の再活性化ということが、野生動物と人とのトラブルを減らす方策のひとつなのかもしれません。
  
  おとうさん、冬籠り?「あなた、お布団から抜け出して、畑の片づけをしてください!」「おいおい、今日は何の日か知っている?熊穴に籠る、といって熊が冬籠りを始める日だ!布団に籠って・・」「あら~、クマは籠る前に、働いて冬支度を整えてから穴に入ります!」「畑、叩けと叩かれて、クマ穴を追い出され~、寒い、ハックション!」

  「薪をわるいもうと一人冬籠」とは正岡子規の句です。病の子規を看病したのは母と妹の律でした。寒い外で妹が一人で薪割をしている。病床は暖かく冬籠そのもので、申し訳ないという思いと同時に、けなげな妹への情愛の念が滲み出た一句です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.12.14(Thu) 15:51] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
↑TOPへ


リストマーク 大雪 

2017年12月08日 ()
   12月7日は二十四節気の大雪(たいせつ)。寒さが強まり、山だけではなく、平地でも雪が降り積もるころです。今年は冬の訪れが早く、すでに、北日本を中心にこの時期としてはたくさんの雪が降り積もっています。暦便覧では「雪いよいよ降り重ねる折からなれば也」と記されています。

  今日の水彩画は、「石垣のある晩秋の川辺」です。前回に続いて、香嵐渓の紅葉です。晩秋の陽を浴びて、川辺の石垣が白く光り、石垣の上のモミジを輝かせます。ザワザワと流れる川の水が澱むと、木々が秋の装いを水面に映してみせます。
17-12-08.jpg

  七十二候では大雪の初候にあたり、「閉塞成冬(そら さむく ふゆとなる)」すなわち、天地の気が塞がって冬となることを意味します。本格的な冬を迎えて、鰤(ブリ)などの冬の魚が登場したり、南天の実が赤く色付いたりし、一方で熊などの動物は長い冬眠に入ります。
 雪を降らす代表的な気圧配置は、シベリアに高気圧、北海道東方海上やアリューシャン方面に低気圧がある西高東低の気圧配置です。シベリアの高気圧は地表面が冷やされてできたもので、この高気圧から低気圧に向かって北西の季節風が吹き込みます。季節風が強く吹くときは、日本海側は雪、太平洋側は晴れて乾燥することが多くなるのです。

  おとうさん、大雪!「もう大雪(たいせつ)だあ!今日は平野部でも雪が降るかも!」「あなた、畑の大根が凍らないように埋めてくださいな!」「おいおい、こんな日に畑仕事したら凍ってしまうよ!」「あなたはまだ凍りませんよ!それより大根が!」「大根のほうが大切(たいせつ)か?」「ですから大雪(たいせつ)ですから大根を・・」

  三好達治の「測量船」に「雪」という詞があります・・・・「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪降りつむ、次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪降りつむ」・・・雪は深く、人は雪の下に埋もれて暮らしていて、その家に横たわって深く眠っています、物音をものみな吸い取って雪は なお降りつもっています。太郎と次郎を眠らせているのは お母さんではなく、静かに積もる雪なのです。
 
  「是がまあつひの栖か雪五尺」とは小林一茶の俳句です。長い間継母と争い、最後に自分の終いの住み家となった家が、雪に埋もれているのを見て詠んだ句です。雪五尺(およそ1.5m)は、一茶の郷里の奥信濃では当たり前の雪の量です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.12.08(Fri) 16:00] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
↑TOPへ


リストマーク 朔風払葉 

2017年11月29日 ()
   11月27日からは七十二候の一つ「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」です。朔風払葉とは、冷たい北風が木々の葉を落とすころという意味で、朔風とは木枯らしのことです。地面いっぱいに広がる落ち葉と、葉を落とした木々は冬の代表的な景色で、秋が終わり冬の到来という、季節の移ろいが感じられるころです。

  今日の水彩画は、「香嵐渓の紅葉」です。先日、香嵐渓に紅葉狩りに行ってきました。今が見ごろと、山の斜面を彩る紅葉が陽に照り輝いています。岩の間をぬうように流れる川に赤や黄色の紅葉が映り、流れに煌びやかな秋を浮かべて下ります。
17-11-29.jpg

  冬になると空気が乾燥して、風邪をひきやすくなります。冬になり気温が低くなると、空気中に溶け込む水分が少なくなり空気が乾燥した状態になります。特に、太平洋側の地域では冬に乾燥することが多くなります。これは大陸から吹く季節風が、日本海で熱と水蒸気を補給して雪雲となり、この雲が山にぶつかり日本海側に雪を降らせます。雪を降らせたあとの乾燥した風が山を越えて太平洋側へ吹くことで、乾燥した晴天が続くことになります。

  おとうさん、紅葉狩り!「さすが紅葉の名所だけのことはある!」「あなた、本当にきれいでしたねえ!秋になると、どうしてあんなに美しく輝くのでしょうか!」「散りゆく前に一花咲かせたいのだろう・・・」「あなたも散り際に輝いては・・頭ではなく・・」「その言葉には棘があるなあ・・」「あら、美しい花には棘があるって・・・」「その美しい花も散ってしまい、棘だけが残っている・・・・」

  落ちた枯葉でも、地面を様々な色で彩ります。日本では枯れ葉にも「朽葉色」という風流な色名を付けており、この色は、黄染に浅い紅花染を施した赤みがかった褐色で、平安時代からの伝統色です。色調によって「赤朽葉」「黄朽葉」「青朽葉」「濃朽葉」「淡朽葉」と呼び分けていて、色に対する日本人の感性はとても繊細です
紅葉の色では、和色に「紅葉色」という色がありますが、「朱色」か「深紅」の方が自然の色に近いようです。しかしながら、自然の色は、天候や陽の光の当たり具合によって様々に変化します。透明水彩画で紅葉を朱色で描くと、透明感が失われ暗くなりがちですので、明るい部分には「ブリリアントオレンジ」などの色を使っています。

  「このもよりかのも色こき紅葉哉」 与謝蕪村は紅葉がとても好きだったようで、「この紅葉綺麗だ、あっちの紅葉の方が綺麗だ」という高揚感がよくわかります。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.11.29(Wed) 14:24] 自然風景Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
↑TOPへ


リストマーク 地始めて凍る 

2017年11月16日 ()
  11月12日から、七十二候では地始凍(ちはじめてこおる)になります。大地が凍り始める頃という意味で、霜が降りたり、霜柱が立ったり、水たまりに氷が張ったりし始めます。「凍る」とは水が氷になることですが、日本人は古来よりもっと広い意味で使っていて、空気が凍る、月が凍る、鐘が凍る、田が凍る、夜が凍る、山が凍る、などと、なんでも凍らせてしまいました。聞いているだけで凍てついてしまいそうです。

   今日の水彩画は、「谷川を彩る秋」です。朝夕の冷え込みが厳しくなってきた里山に、紅葉が訪れました。谷間に溢れんばかりの秋の陽が差し、山の斜面を彩る紅葉を照らし出します。赤、黄、オレンジの彩りを映した谷川が、美しい秋を川面に浮かべ流れ下ります。
17-11-16.jpg

   晴耕雨読とは、「晴れた日は畑を耕し、雨の日は家で読書する」ことですが、私の場合は、雨の日には絵を描きますから、晴耕雨描となります。先日、漢字学者の阿辻哲次さんの連載記事(日経新聞、遊遊漢字学)を読んでいると、この「藝術」と「畑の耕作」という言葉に繋がりがあることが分かり、大変うれしくなりました。
 記事によると、もともと「藝」という漢字は、「草の苗を地面に植える」ことを意味することから、人の心の中に豊かに実り、大きな収穫を得させてくれるものが「藝」だったのです。「藝」の代表的なものは学問でしたが、近代中国に西洋の「art」という言葉が入り、その訳語に「藝」が使われ、「藝術」や「工藝」という言葉が生まれたそうです。
   
   おとうさん、大地が凍る!「寒いわけだ、地始めて凍る という季節だ!」「あなた、凍らないうちに里芋を掘り上げてくださいな!」「歳時記は凍るというけれど、まだまだ凍りやしない!」「でも、早くも冬将軍が到来と言っていましたよ!」「今週が一番寒く、12月になると暖かくなるようだから、もう少し暖かくなってから・・・」「・・・・・」

   天気予報では、今週末から月曜日にかけて、真冬並みの寒波に覆われるということで、土曜の雨の後、北風が強まって、急に寒くなるようです。東京の日曜の予想最高気温は12度と、ひと月先の寒さになるらしく、昼間でも、冬のコートが必要になりそうです。暖房器具や暖かい布団を準備するなど、寒さへの備えはお早めに。

  「わが家の一つ手拭氷りけり」 小林一茶の句です。風呂上がりの手ぬぐいが、瞬く間に凍り付いて棒のようになってしまう寒さは、子供の頃の北海道でしばしば経験しました。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.11.16(Thu) 21:11] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
↑TOPへ


リストマーク 立冬 

2017年11月07日 ()
  11月7日は二十四節気の「立冬」です。初めて冬の気配が現われてくる日で、「立」には新しい季節になるという意味があり、立春、立夏、立秋と並んで季節の大きな節目です。暦便覧では、「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」と記されており、朝夕冷えみ、日中の陽射しも弱まって来て、冬が近いことを感じさせる頃です。この日から立春の前日までが冬となり、寒く厳しい冬始まりです。

  今日の水彩画は、「深山の紅葉」です。人里離れた山並みに紅葉の季節が訪れました。ダケカンバ、カツラ、ナナカマド、ケヤキなどが黄色や赤、オレンジに染まり、頂きから稜線に沿って山肌を流れ下ります。まさに山粧う(やまよそおう)です。
17-11-07.jpg
   
  我が家の畑で立冬の今頃とれる野菜には、白菜、大根、キャベツ、里芋、サツマイモなどがあります。中国には「立冬補冬、補嘴空」という言葉があり、「補」は食物で体調を補うことをいい、「立冬には旬の食材を温かくして食べ、栄養を摂り、体調を整える」ということで、冬を迎えるにあたって、昔の人は栄養を補給していたのでしょう。

  おとうさん、立冬!「寒いはずだ~立冬だ!こうなったら炬燵に入って熱燗で一杯だな・・・」「お炬燵なんて早い!だいたい、今から炬燵に入ったら冬ごもりの熊になります!」「江戸の昔から炬燵開きは 亥の月の亥の日と決まっている、ことしの暦では・・・と、11月8日、今日だ!炬燵は頭寒足熱という東洋医学にかない、暖房費の節約にも!」「あなたは、炬燵に入って頭が寒いといって、エアコンをつけるじゃありませんか!」「・・それは頭熱足熱という西洋医学の・・・」
   
   北の国から雪の便りが届き、都心では木枯らし一号が吹き荒れました。凩(こがらし)という字のように、木枯しは木を裸にする風です。紅葉という艶やかな装いを身に着けた木々も、やがて色褪せ、木枯しによって枯れ葉を落とし裸木になっていきます。いったい誰のためにあんなに美しく秋の装いをし、その後に、なぜ木枯しによっていとも簡単に葉を落とすのでしょうか・・・。すべては、春に蘇る新しい命のためなのです。枯れ木のようになった木々のなかでは、翌春に新芽を芽吹かせるための準備が始まっているのです。

  「こがらしや頬腫痛む人の顔」とは芭蕉の俳句です。木枯しが吹き、寒さの厳しい通りを、頬を腫らした風邪っ引きが歩いていく・・・・。お多福風邪でも流行っていたのでしょうか、寒い木枯らしが、いっそう寒く感じるような句です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.11.07(Tue) 21:11] 自然風景Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
↑TOPへ


BACK | TOP | NEXT

カウンター

カレンダー

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

QRコード