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リストマーク 芒種 

2017年06月09日 ()
  6月5日は二十四節気の「芒種」にあたり、稲などの芒(のぎ)のある穀物の種をまく季節を意味しますが、実際の種まきはこれよりも早い時季に行なわれるようです。暦便覧にも「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時なり」と記されています。
 梅雨が始まる頃ですが、今年の関東甲信越のつゆ入り宣言は、6月7日でした。宣言が出たら雨が降るかと期待しましたが、まとまった雨は降らず、野菜畑が値を上げています。今年の梅雨の雨量は平年並みということですが・・・。

  今日の水彩画は、「雨に濡れる紫陽花」で、梅雨の花といえば紫陽花です。陽当たりが苦手な紫陽花が、雨が降り出すと生き生きとしてきます。重なり合った葉達が雨の滴で重くなった花を支えます。
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  梅雨には、あじさいがよく似合います。しっとりと濡れた姿も美しく、梅雨ならではの風情を感じます。「あじさい」の語源は、藍色が集まったものを意味する「集真藍(あづさあい/あづさい)」からきたという説が有力とされています。あじさいは古くから親しまれていて、「万葉集」にも詠まれています。あじさいが「紫陽花」になったのは、唐の白居易が別の花につけた「紫陽花」を、平安時代の学者が当て字をしたからだといわれています。

  おとうさん、梅雨入り!「梅雨入りだぁ、庭の紫陽花が色付いてきた~紫陽花に小さなカマキリが、今頃は蟷螂生(カマキリ生ず)で、カマキリの子供が出てくる頃だな~」「あなた、畑の草刈りお願い、草がすぐに伸びるんですから!」「カマキリといえば、オスはメスに食い殺される・・・」「あなた~、早く、早く、また雨が降り出しますよ!」「きゃぁ~、かみさんが鎌をふりあげて迫ってくる~たすけて~」

  七十二候では芒種の初候(6/5~6/9)は「蟷螂生ず」で、卵から小さなカマキリの赤ちゃんが生まれてくる頃としています。農作業の目安とされる七十二候にカマキリが登場するのは、カマキリは稲や野菜には手を付けずに、害虫を捕らえてくれる益虫だからなのかも知れません。

  「紫陽草や帷巾時の薄浅黄(あじさいや かたびらどきの うすあさぎ)」は芭蕉の句です。あじさいの花が咲いて、帷子を着る季節がやってきた、あじさいの色はその薄浅葱の帷子色をしている、と詠んでいますが、夏に近づくにつれ、帷子の色は濃い色から淡い色に変わるように、あじさいの色も変わっていく、という意味なのでしょう。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.06.09(Fri) 17:45] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 紅花栄 

2017年05月25日 ()
   各地で30度を超える真夏日が続いたと思いきや、今日は一転して雨模様の肌寒い日となりました。暦では、七十二候の第二十三候「紅花栄(べにばなさかう)」と紅花が咲きほこる頃となりました。紅花の産地である山形では開花はもう少し先のようですが、アザミに似た可憐な紅の花々が、黄色から次第に赤みを帯びてきます。

  今日の水彩画は、「初夏の眩しすぎる陽ざし」です。夏を思わせる眩しい朝の陽差しが、森の草木を輝かせます。伸び盛りの草木たちは、少しでも陽を浴びようと枝葉を伸ばし、風にあたり枝を揺らせます。
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  紅花が日本へ渡来したのは五世紀ごろといわれ、栽培法と染色法と共に伝わったとされます。「紅花」は、「藍」とともに代表的な日本の色として、古より歌に詠まれ、衣を艶やかな紅に染め上げてきました。
  「紅花」の花は黄と赤の色素を含んでいますが、黄色の色素は水に溶けやすく、水洗いで洗い流されてしまいます。その花に藁(わら)灰汁を加えて赤い色素を抽出したあと中和します。紅花の「紅色」の種類も、濃い赤の「艶紅」からごく淡い薄紅の「桜色」まで、実にさまざまで、日本人が美しい紅色に寄せてきた心が感じられます。

  日本の青といえば、藍ですが、先日、友人が「新しい青色が発見!」というニュースがネットに載っていた、と話してくれました。調べてみると・・・。
 大手クレヨンメーカーのクレヨラが、「新しい青」をクレヨンの新色として発売すると発表したのです。この新しい青色は2009年に、米オレゴン州立大の研究室で、酸化イットリウムと酸化インジウム、少量の酸化マンガンを加熱していた際、偶然発見されたもので、それぞれの元素記号を組み合わせ「YInMnブルー」と名付けられました。新しい青色の発見は、1802年のコバルトブルー以来200年ぶりのことだそうです。

  おとうさん、紅色?「いいねえ、いい色だね!藍といい紅花といい、日本の色、和色はいいねえ!」「そうねえ!外食なら和食がいいわよね~」「色の話だ!和の色だよ、藍とか紅花の赤とか・・・」「紅花って洋食でしょ!和食にしましょうよ!」「・・・爺婆でも耳が遠くなると噛み合わない会話が弾むものだ・・・・これも藍だなあ・・・」

  「眉掃きを俤(おもかげ)にして紅粉の花」 芭蕉が山形で紅花を見て詠んだ句で、紅花を見て眉掃き(化粧道具)を連想して、誰かを想い出したのでしょうか・・。紅花の艶紅は、化粧の紅として、日本画の顔料としても使われてきました。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.05.25(Thu) 21:54] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 小満 

2017年05月20日 ()
  5月21日頃からは二十四節気の「小満」にあたります。万物の成長する気が次第に長じて天地に満ち始めることから小満といわれています。陽気が良くなり、ようやく暑さも加わり、麦の穂が育ち、山野の草木が実をつけ始めます。暦便覧には「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と記されています。走り梅雨が見られるころで、田植えの準備を始める頃でもあります。秋に種を蒔いた麦の穂が育ち、ひと安心(小さな満足)することから小満という、との説もあります。

  今日の水彩画は、「老いたイヌシデの若葉」です。木もれびの森のイヌシデの老木にも、つやつやの若葉たちが生い茂り、若い命が輝きます。ねじれた幹に刻まれた深い皺とムロが長い歳月を物語るイヌシデに、朝陽と若葉たちが元気を届けます。
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  今ごろの食べ物に、粽(ちまき)があります。我が家でも作りますが、もち米などを笹の葉で三角形に巻いて、蒸した食べ物です。日本には平安の頃に中国から入ってきたといわれています。こうした粽は、東南アジアの各国でも見られ、日本でも地方によっていろいろな粽があるようです。
 先日も鹿児島出身の友人から、あくまき(灰汁巻き)をいただきました。あくまきは、ひと晩灰汁に漬け込んだ餅米を竹の皮で包み、灰汁(あく汁)で煮たもので、独特の風味と食感を持っています。粽と同様に砂糖入りのきな粉につけていただきました。一説では、あくまきは、薩摩藩が秀吉の朝鮮出兵の際や関ヶ原の戦いで、日持ちする兵糧として作ったのが始まりといわれています。

  おとうさん、粽!「あなた、粽を作りましたよ、きな粉で食べて!」「甘いものは苦手だなあ・・・」「お砂糖は控えめにしておきました!それにきな粉は健康にいいっていいますよ!」「そうだなあ、きな粉は大豆の粉だ~、畑の肉とか、ミラクルフードとかいわれる・・・、女性ホルモンに効く成分が含まれていて、バストアップ効果があるそうだ!」「あらそうですか?ではきな粉をたくさん付けて・・・」「ウム・・長年重力に引っ張られてきた胸には効かない・・」「あら、あなたも食べて・・・老化やボケ防止に効果があるそうですよ!」「ウウゥ・・・・!粽を巻いていたササ(お酒)の方がいいなあ・・・・」

  七十二候では、小満の初候は「蚕起食桑(かいこ おこって くわを くらう)」とあり、蚕が桑を盛んに食べ始めるころとされています。
 「ことしより蚕はじめぬ小百姓」とは与謝蕪村の句ですが、農家の養蚕は重要な収入源でした。蚕が元気になるこの頃は、農家にとって嬉しい時期だったのでしょう。

   ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2017.05.20(Sat) 16:21] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 蚯蚓出 

2017年05月13日 ()
  今ごろは、七十二候では立夏の次候の「蚯蚓出(きゅういんいずる)」にあたり、蚯蚓つまりミミズが這い出して来る湿潤で暖かな季節になったということです。
 ミミズは土や落ち葉を食べ分解して、肥沃な土壌を作り出してくれます。我が家の畑の堆肥の中でも、たくさんのミミズが働いてくれています。ミミズという名前は、「目見ず(めみえず)」からきたようで、ミミズの目は退化してありませんが、光を感じることはできるようです。

  今日の水彩画は、「新緑に輝く流れ」です。木々が初夏の日差しに枝を伸ばし、若葉が陽を浴びて眩しく輝いています。水面に萌黄色を映す川は、命の輝きを溢れさせてキラキラ、ザワザワと流れます。
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   いよいよ、新緑が美しい季節がやってきました。この柔らかで明るい若葉色に溢れる野山は、絵心が掻き立てられる風景のひとつです。新緑の草木を描くときに好きな絵の具に「サップグリーン」があります。サップグリーンはサップ(sap:樹液)の名が示すように、「クロウメモドキ」という植物の実から採取された緑色のことです(今使っている絵の具は化学合成顔料ですが)。草木染の世界では、一般には単独で緑色を染める染料はほとんどないといわれていて、日本では藍染の布を黄色の染料に浸けて、緑色に染めるようです。しかしながら、このクロウメモドキの実は珍しく緑色の染料原料になっているそうです。

   おとうさん、新緑!「若いみどりは美しいなあ!」「あらっ!あなた!何処のみどりさんですか?」「ちがう!色の話ですよ!色気じゃなく色!若緑色が美しいねぇ!日本の緑色の和名はいいねえ!萌黄色、若芽色、若草色、若苗色、若竹色なんていうのは、若く匂い立つような色だねえ~」「あら!若々しい乙女のような色・・・わたしに似合う緑色は何かしら?」「そうだなあ~老竹色という緑色が・・・」「キッ!あなた!そんな色がありますか!」「本当にある、本当だ!逃げろ、緑は安全の色だあ~」

  「出るやいな蚯蚓(みみず)は蟻に引かれけり」は、小林一茶の句です。土壌改良に役立つミミズにも敵が多いようで、ミミズが大好物のモグラ、土を掘り返すツバメやサギ、地面を歩き回るトカゲやハンミョウは大敵です。
 俳句に詠まれる「みみず」は夏の季語ですが、「みみず鳴く」は秋の季語になるそうです。ちなみに、ミミズは鳴きません。昔からあの「ジーィジーィ」というミミズの鳴き声といわれた声は、実はケラという虫の鳴き声だったようです。

 ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.05.13(Sat) 16:13] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 夏は来ぬ 

2017年05月01日 ()
  いよいよ今日から五月(皐月)、そして5日には二十四節気の「立夏」を迎えます。夏の気配が現れはじめ、夏めいてくる頃で、立夏から立秋の前日までが夏となります。暦便覧には「夏の立つがゆへ也」とあります。夏といっても、本格的な夏はまだまだ先で、気温が高くなる日もありますが、暑くもなく寒くもなく、湿度が低く風もさわやかで、過ごしやすい季節です。若葉・青葉につつまれて新緑が一段と映えて美しく、南では麦が穂を出し、北国では馬鈴薯や豆の種まきが始まります。

  今日の水彩画は、「若葉につつまれる木もれびの森」です。草木の先に付いた葉の芽が萌え始めだすと、あっという間に森が小さな黄緑色の新葉に包まれます。若葉を透かして女神のような朝陽が差し込むと、森は新しい命の輝きに満たされます。
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  五月五日は端午の節句でもありますが、昔の日本では、端午の節句は男の祭りではなく、田植えに結びついた女性の祭りだったようです。
 田植えの月(五月)は、昔は早苗月(サナエヅキ)といい、これから五月を「さつき(皐月)」というようになったようです。米を作る農家にとって最も重要な月であり、田植えは田の神様を迎える重要な神事とされていました。端午の節句の日は、女性が早苗を田に植えて「田の神様」を迎える日でした。この田植えをする女性のことを早乙女といい、神事をする早乙女は、前日より身を清めなければならず、男たちを家から追い出し、菖蒲で清めた家に籠ったのだそうです。

  おとうさん、青葉が!「目には青葉山ほととぎす初鰹・・といわれ、初鰹で一杯・・粋だねえ~」「あなた!初鰹なんて高くて、粋はいきでも、ため息ですよ~」「昔っから、初物七十五日といって、初物を食べると寿命が延びるという!」「大丈夫!あなたは、畑の春野菜の初物で、十分寿命が延びていますよ!」「・・ふう、粋だねえ・・・・」

  端午の節句に柏餅を供えるという文化は江戸で生まれ、参勤交代で日本全国に広まったといわれます。カシワの葉は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄(家系が途切れない)」という縁起をかついだ餅とされています。柏餅の葉は桜餅と違って、固くて美味しいものではないので、普通は食べないようです。

  「あやめ草足に結すばん草履の緒」 芭蕉の句です。奥の細道の旅の途中、芭蕉は俳人加右衛門より、草鞋(わらじ)二足などを貰います。草鞋は、あやめ草をわらじの緒に付けて旅の無事を祈るというもので、感謝の句のようです。

 ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.05.01(Mon) 16:14] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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