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リストマーク 清浄明潔 

2017年04月07日 ()
  4月4日頃は二十四節気の「清明」にあたります。万物が若返り、清々しく明るく美しい季節です。清明とは、春先の清らかで生き生きとした様子を表した「清浄明潔」という言葉を略したものです。この頃は桜の花が満開となり、お花見に最適の時期ですが、菜種梅雨などと呼ばれる雨が多い時季で、暖かくなった後に小雨が降り続いて寒くなったりもします。南の地方ではつばめが渡って来る頃で、七十二候の清明の初候には「玄鳥至(つばめ いたる)」とあります。

  今日の水彩画は、「満開のソメイヨシノ」です。満開の時期を見計らって、4日に新宿御苑と千鳥ヶ淵を回って花見をしてきました。混み合う花見客にもまれながら、下から桜を見上げると、薄桃色の雲の中に桜の花が春の陽に輝きます。まさに桜花爛漫(おうからんまん)の春です。
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  900年程前の中国北宋末期に描かれた「清明上河図」には、春たけなわの清明の時節、庶民の生き生きとした暮らしぶりが描かれています。中国の至宝「清明上河図」が日本で(中国国外に持ち出されたのはこれが初めて)公開されたのは2012年のことでした。この画巻の価値は、精細な描写にあり、長さ5メートル、縦24センチの画面の中に登場する人物700人以上、牛、馬、ロバなどの動物73頭、馬車など20数輌、船25艘、多数の建物、橋、城門などが実に細かく描かれており、歴史研究と芸術の面で多大な価値があると言われ、いまでも研究が続けられています。

  おとうさん、花見で二日酔い?「お~い!花見酒だ!」「あなた二日酔いじゃありませんか?」「芭蕉の句に 二日酔ひものかは花のあるあひだ とある!桜はすぐに散るから二日酔いなぞ気にしていられない~うぃっ!」「それでは空き瓶に花を活けて・・どうぞ!」「・・・・?」「芭蕉の句に、呑み明けて花生にせん二升樽 とあります。空き瓶に花をいけたら、呑み干してしまいお酒がありません!ということですよ」

  「花の雲 鐘は上野か 浅草か」とは芭蕉の俳句で、はるかに見渡せば、雲と見まがうほどの桜の花の盛りで、隅田川を渡って聞こえて来る鐘の音は、上野の寛永寺か、それとも浅草の浅草寺であろうか・・・。
 「花の雲」とは、桜の花が一面に満開になるさまを、雲に見立てていう言葉で、春の季語になっているようです。江戸深川にある芭蕉庵で詠んだ句のようで、芭蕉庵からは上野も浅草もほぼ同じ距離にあり、ふと耳に入った時の鐘はどちらの寺の鐘かなあ~と、まさに春うらら、居眠りをしたくなるような雰囲気です。
   
  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.04.07(Fri) 21:55] 自然風景Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 桜始めて開く 

2017年03月29日 ()
  春の主役の桜の花が咲き始めましたが、冬のような日があったりしてなかなか満開になりません。26日ごろからは七十二候でも「桜始開(さくらはじめてひらく)」とあり、古より日本人が愛する桜が咲く時季となりました。毎年花を待ち望む、思い出の深い桜がある人も多いことと思います。故郷の桜は咲いただろうか、あの学び舎で見た桜は今年も咲くのだろうか、それぞれの思い出とともに桜開く春がやってきました。

  今日の水彩画は、「ひと足先に満開となった緋桜」です。ご近所に毎年咲く緋桜の大きな木があります。見事に紅の花を付けた桜が、あふれんばかりの春の朝陽に花を開かせ枝を伸ばします。
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  そんな花の春、花の女神「フローラ」に逢いに東京都美術館に行ってきました。「ティツィアーノとヴェネツィア派展」にて展示されているティツィアーノの傑作「フローラ」は、ミニバラ、スミレ、ジャスミンなど春の花を手に、金髪に縁どられた優美な顔を傾け、白い下着をつけた透き通る肌も露に、見る人の心を奪い魅了する女神でした。

  美しい女神や桜の花もいいけど、やはり「花より団子」ですかね。団子といえば桜餅があります。その桜餅に関東風と関西風があることを初めて知りました。関東風は小麦粉を焼いた皮で餡(あん)を巻いたお餅を桜の葉で包んでいます。江戸の長命寺の門番が桜の落葉を使って作ったことから、「長命寺餅」と呼ばれているそうです。
 関西風はというと、道明寺粉(粗挽きのもち米粉)の皮で餡を包んだ饅頭のお餅を桜の葉で巻いた「道明寺餅」と呼ばれる餅のようです。桜餅の葉は塩漬け葉ですが、この桜の葉には「大島桜」が主に使われているそうです。この葉を餅と一緒に食べるか、食べないか、あなたはどちらですか。

  おとうさん、桜餅?「花もいいが桜餅もいいね~!お~い、この桜餅は道明寺か長命寺か?」「お寺じゃなくて、スーパーの特売ですよ!」「・・・・・?まあいいや、桜餅はやはり桜の葉ごと食べるのが通だな!」「あら、あなた・・桜の葉も食べちゃったんですか?」「あたりまえだろ!おかあさんは食べない派なのか?」「いえ・・・この桜の葉はビニールに葉を印刷したものなんですよ・・」「・・・・ぐえぇ!」

  「木のもとに汁も膾も桜かな」とは芭蕉の句で、木の下で花見をしていると、花びらが散ってきて、汁椀といわず膾(なます)といわず花びらで一杯になってしまう、なんと豊かな花の一日であろうか・・・、いい花見ですねぇ・・・・。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.03.29(Wed) 12:20] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 春彼岸 

2017年03月24日 ()
  3月20日は二十四節気の「春分」で、「お彼岸の中日」でもありました。春彼岸は17日に彼岸の入りを迎え、23日が彼岸明けとなります。西の彼方にあるとされる「西方浄土」に陽が入る日で、古からあった豊作を願う太陽信仰の名残に、仏教の彼岸会が重なり、先祖供養ための寺参りやお墓参りが盛んになったといわれています。
 「暑さ寒さも彼岸まで」とはいえ、時折冬の寒さが残る日があるものの、花が次々と開花する春を迎え、東京では21日に真っ先に桜の開花宣言、いよいよ桜満開の心躍る季節の到来です。

  今日の水彩画は、やはり桜の絵で、「里山の彼岸桜」です。山の向こうから朝陽が昇ると、まだ暗い山影を背景に彼岸桜が白く浮かび上がります。山間にひとり咲き続ける長寿の桜、幾百回もの満開の春を迎え、里山の昔話を語り続けます。
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  春分の日に最も近い「戊(つちのえ)の日」は、五穀の種を神様に供える雑節「社日」とされ、今年は3月22日になります。「社日」とは、産土神(うぶすながみ)を祀る日で、春と秋の年に2回、春は種まきの頃、秋は収穫時期になることから、農耕を営む人々にとって、大切な節目の日となっていました。産土神とは、土(すな)を産み出す神、万物を産み出す神で、その土地に育つ作物、植物、河川、その他の自然物をはじめ、そこに住む人間の暮らしに密接に関わる働きをしている神様だそうです。

おとうさん、花見は?「花見を何日にするか気になるねえ!おかあさん、彼岸桜が咲いたよ!花見酒はありますか~」「あなた~まだ早いですよ!お花見はソメイヨシノが満開になる頃ですよ・・・」「そんなこと言っているうちに、去年は酒を呑まずに桜が散ってしまった・・・」「あら!覚えていますか?同じ手は使えないかあ~・・・」

  彼岸桜(エドヒガン)は落葉高木で、樹高は15~25mにもなり、名前のとおり春のお彼岸のころに、ソメイヨシノよりひと足早く花を咲かせます。ヤマザクラと共にサクラの中では非常に長寿の木が多いことで知られており、樹齢二千年を超えるといわれる神代桜や樹齢千五百年を超える薄墨桜などが有名です。多くの品種の母種として使われていて、ソメイヨシノの片親でもあるのだそうです。

  「久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」紀友則の歌で、「こんなにも日の光が降りそそいでいるのどかな春の日であるというのに、どうして落着いた心もなく、花は散っていくのだろうか」と、はかなく散っていく花を惜しんでいます。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.03.24(Fri) 10:26] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 菜虫化蝶 

2017年03月17日 ()
  七十二候では、3月15日を過ぎると啓蟄の末候「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」となります。菜虫とはダイコン・カブ・ハクサイ・キャベツなどアブラナ科に属する菜類を食う幼虫の総称で、サナギで冬を越した虫たちが蝶になる頃なのです。暖かくなると、畑の上をヒラヒラと舞い踊る蝶たちは、野菜をもりもり食べる青虫の親、美しいだの可愛いだのとばかり言っていられません。

  今日の水彩画は、「彼岸桜」です。法事に訪れたお寺の彼岸桜が、ソメイヨシノより一足先に開花していました。華やかに咲き競う桜花の季節の訪れを前に、ひっそりとお彼岸を告げるように、老木の枝に花をつけていました。
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  野菜を栽培する者にとって、天敵ともいえるモンシロチョウですが、気象庁では、モンシロチョウの初見日を記録しているそうです。空襲警報ですかね。一番早くモンシロチョウが観測されるのは九州地方で3月の始め、一番遅い観測となるのは北海道の網走地方で、5月の下旬ごろのようです。関東地方では3月の下旬ごろ、そろそろモンシロチョウが、植えたばかりのキャベツの苗を狙って飛んでくるころです。
 モンシロチョウは、青虫の大好きな葉の上に小さな卵を産みます。3~5日が過ぎると卵から幼虫が姿を現し、もりもりと葉を食べ始めます。9~11日間に渡って葉を食べ栄養を蓄えた青虫はサナギになり5~10日を経た後、モンシロチョウになるそうです。冬はサナギで越冬し、次の春に蝶になりますから、「菜虫化蝶」の蝶はサナギで冬を耐えた強者なのです。

  おとうさん、蝶々が!「春だねぇ~!菜虫化蝶の季節、いいねえ、色とりどりの美しい蝶が舞う~、夜だねぇ、蝶はやはり夜の蝶だねぇ~」「あなた、もう日が暮れるというのにフラフラと、どこにお出かけですか?」「美しい蝶はやはり夜でしょう・・ウシッシィ・・・、ウワァ!何を被せるのだ!」「あなた、防虫網ですよ!」「・・・・・」

  最近はあまり言わなくなったようですが、バーなどで働く女性を「夜の蝶」と呼ぶのは、川口松太郎の小説「夜の蝶」からきているようです。1957年に映画化されると、銀座の「夜の蝶」「ホステス」などの言葉が流行語となったそうです。

  「物好きや匂はぬ草にとまる蝶」とは芭蕉の句で、蝶があまたある草草の中で匂いも蜜も無いような草の葉に止まっている、なんと物好きな蝶だろう・・と俳諧などに興じている芭蕉自身を、少し冷めた目で見ているのでしょうか?

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2017.03.17(Fri) 11:54] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 啓蟄 

2017年03月10日 ()
  3月5日は二十四節気の「啓蟄」にあたり、大地が温まり冬眠をしていた虫が穴から出てくるころです。暦便覧には「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されています。啓は「ひらく」、蟄は「土中に籠っている虫」の意味です。まだまだ朝夕は寒いですが、一雨ごとに気温が上がり、日差しも暖かくなってきます。野菜屋の店先に山菜が出回る時期で、我が野菜畑のわきにもフキノトウが顔を出し、早速苦みのある春を味わっています。

  今日の水彩画は、「朝陽を浴びる椿」です。まだ凍える寒さの森の朝、朝陽が昇り椿の木の先を照らし出します。椿の花と緑の葉たちは、温もりを待ちかねたように、春の陽ざしに顔を輝かせます。
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  啓蟄の時期の七十二候の初候には「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」とあります。戸をひらくという表現は、冬眠から目覚め顔を覗かせる虫の表情が伺えるようで、春の嬉しさがあらわれています。実際に虫が活動を始めるのは、一日の平均気温が10℃を超えるようになってからで、首都圏では3月下旬ごろになるようです。

  おとうさん、啓蟄です!「春だねえ!春の陽気に誘われて、虫が這い出てくるころだ!」「あなた~!虫でさえ外に這い出る頃ですよ、外に這い出て畑!畑を耕してジャガイモを植えてくださいな!」「その虫でさえ・・・という言い方が気に障るねえ!」「あら、啓蟄の虫と同じですよ!」「はいはい、赤い提灯に誘われて呑みに這い出ますかねえ、虫ハイですよ!」「ちょっと!あなた!畑違いですよ・・・」

  一般に「椿」といえば「薮椿」を指すようで、藪椿は日本特産のツバキ科ツバキ属の常緑樹で照葉樹林の代表的な樹木です。この藪ツバキの種を絞って採取されるのが椿油です。椿油が日本で書物に登場するのは奈良時代のようで、実に千年以上も使われてきている油です。椿油には、酸化されにくいオレイン酸が多く含まれていることから、固まりにくい性質を持ち、食用のほか化粧品や髪油として用いられ、日本刀の磨き油、木刀や将棋駒、櫛などの木製品の磨き・艶出しに用いられています。

  「うぐひすの笠おとしたる椿哉(椿の花がぽとりと枝からおちてきたが、あれは鶯の落した花笠であろう)」とは芭蕉の句ですが、梅の花を鶯の笠とした古今集などの古歌からの発想といわれ、鶯の花笠が梅の花では平凡な歌になってしまうことから、それを「椿」と俳諧化しているのだそうです。

ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2017.03.10(Fri) 09:32] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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