TOP >
BACK | TOP | NEXT

リストマーク 桜始開 

2018年03月26日 ()
  3月26日からは、七十二候では「桜始開(さくらはじめてひらく)」となり、桜の花が咲き始める頃で、いよいよお花見の季節の到来です。東京では、今年は開花が平年に比べ9日ほど早く17日に開花と宣言され、昨日で満開となりました。これから、東北、北海道へと桜前線が北上していきますが、北へ行くほど開花から満開までの期間が短くなるそうで、北国は一気に花開く春を迎えます。

  今日の水彩画は、「満開の御苑の桜」です。いよいよ桜満開の季節がやってきました。春の陽ざしを背に受けて、桜が一斉に花を開きます。こぼれそうなほどに花をつけた枝が春風に揺れて、土手下の水際にむけて花達を誘います。
18-03-25.jpg

  日本の色名に桜色(さくらいろ)という色がありますが、ほんのりと色付いた淡い紅色のことです。紅染めの中でもっとも淡い色で、山桜(ヤマザクラ)の花の色とされ、平安時代から使われていました。いまではすっかり桜の代表格となったソメイヨシノは江戸末期に品種改良された桜で、もう少し紅色が濃い花です。桜鼠(サクラネズミ)という色もあります。淡い紅色に檳榔樹の灰色あるいは薄墨色が加わり、わずかにくすんだ薄い桜色のことです。いわゆる墨染(すみぞめ)の桜です。

  おとうさん、桜が満開!「いいねえ、酒なくて何の己が桜かな・・・やはり満開の桜ときたらお酒でしょう!こうして桜の木の下で若い女性相手に、燗酒を差しつ差されつ・・・ぬる燗だねえ、そのうち女性の頬がちょっぴり桜色になって・・・・ウッシッシ」「あなた、冷めたお茶の入ったお茶碗をあっちに寄せ、こっちに戻しながらニヤニヤ、ブツブツ、どうしましたか?大丈夫ですか?暖かくなってきたから、春ボケですか・・・・」

  薄紅色には、一斤染(いっこんぞめ)という色があります。一斤染は、染料の紅花一斤(600g)で絹一疋(二反)を染めた淡い紅色のことです。平安時代は高価な紅花染めの濃い紅は「禁色(きんじき)」とされ、天皇の許可がない限り着用が禁止されていました。一斤染(薄い紅染)の場合は、「ゆるし色」として身分の低いものの着用が許されました。春の桜の季節に、桜の花のような「ゆるし色」の着物を着て、身分が低いとはいえ風流で上品な暮らしをしていたのでしょう。

  「初桜折りしも今日は良き日なり」とは芭蕉の句です。「境内には初桜が咲いて、今日は句会の発足にふさわしいよい日だ」という意味ですが、桜の季節は卒業式や入学式、入社式と新たな門出の季節でもあります。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2018.03.26(Mon) 17:01] 色彩Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
↑TOPへ


リストマーク 菜虫化蝶 

2018年03月16日 ()
  3月16日からは、七十二候の九番目の「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」です。菜虫とはダイコン・カブ・ハクサイなどアブラナ科に属する菜類を食べる昆虫の幼虫の総称です。この時期は、サナギとして冬を乗り越えた幼虫たちが、蝶になる頃なのです。野菜畑の天敵ともいえる青虫の卵を産み付けるモンシロチョウですが、親の蝶はまた受粉を助ける益虫でもあり、農家にとって、幼虫は敵だけど親は味方にもなるという複雑な関係にあるのです。

   今日の水彩画は、「満開の彼岸桜」です。暖かい陽差しに誘われて、彼岸桜が早めの花を開きます。春の陽に照らされた白い花弁が薄紅色の影のなかに浮かびあがる様子は、穏やかな祈りをささげているようです。
18-03-15.jpg

  3月16日は「十六団子」の日でもありました。田の神様が山から里へ下りてきて、これから始まる農作業を見守り、秋の収穫が済むと山に帰っていくという信仰からきたもので、神様が来る3月と帰っていく10月に、16個の団子を作ってお供えをしました。今でも東北地方の一部ではこの風習が続いているそうです。

  このブログでも度々登場する暮らしの歳時記ともいえる「二十四節気」や「七十二候」は、太陽の動きが基準なので、毎年同じ時期に同じ節気がめぐってきます。節気の間隔は一定で、季節の変化に対応するので、天候に左右される農作業の目安として大変便利なものでした。今でも年中行事や時候の挨拶などに使われています。
「二十四節気」は1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらに6つに分けた24の期間をいいます。そしてこれをさらに初候、次候、末候の5日ずつにわけて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが「七十二候」です。

  おとうさん、蝶!「モンシロチョウがひらひらと、春だねえ・・・」「あなた、モンシロチョウは青虫の親です!青虫は野菜の天敵です!」「モンシロチョウを捕まえろって?無理!夜の蝶なら得意だがなぁ~!」「網です!防虫網で防いでくださいな!」「農薬ではだめ?」「あなた!うちは無能役栽培ですよ!」「字が違っている・・・」

  「蝶の飛ぶばかり野中の日影哉」とは芭蕉の句です。春の野原はただ日の光がいっぱいで、そこを過ぎるのは蝶だけなのだなあ、という意味です。「日陰」とは物にさえぎられて日光が当たらない所ですが、「日影」となると、日の光、日ざしなどの意味となり、太陽の光そのものをさします。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2018.03.16(Fri) 16:13] 昆虫Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
↑TOPへ


リストマーク 桃始笑 

2018年03月11日 ()
  3月11日は七十二候の「桃始笑(ももはじめてさく)です。笑と書きますが「さく」と読みます。蕾がほころび、桃の花が咲き始める頃と言われています。この時期、梅は少なくなっているものの、桃や桜はこれからどんどん咲いていきます。

   今日の水彩画は、「満開の白梅」です。桃が咲くにはまだ早く、里山では梅の花が満開となっています。桃や桜に比べ花数の少ない白梅の花が、春の陽を浴びて薄く霞のように白く輝きます。
18-03-11.jpg

   「笑」と書いて「さく」と読みますが、「笑」と「咲」の漢字には深い関係があるようです。「笑」の漢字では、竹は竹かんむりではなく両手を広げている形で、巫女 (みこ) が手をあげ首を傾げて舞い祈る姿を表し、舞をささげられた神様が喜び笑う、という意味があるのです。「咲」については本来「口」に「笑」をつけた漢字で、「口元をゆるめて笑う」という意味があります。

  梅、桃そして桜と、色とりどりの花が順に咲く時期は、華やかな景色が春を彩ります。さて、梅、桃と桜のそれぞれの花の違いは、近づいてよく見ないとわかりません。まず花弁の違いは、桜は先割れ、桃は尖った花、梅は小さく丸い花弁です。つぎに花から伸びる花柄は、桜の花柄は長く、桃は花柄が短く、梅に花柄はなく枝に直接花が付きます。そして花の数を決める花芽は、桜の花芽はひと節に複数個あり、桃の花芽はひと節に2個、梅の花芽はひと節に1個です。こうして花の特徴がわかると、同じ満開でも、華やかな桜とすこし寂し気な梅の花の違いがよくわかります。

  おとうさん、桃の花!「桃始めて咲く!いい季節だねえ!梅子、桃子そして桜子、いいねえ若い娘は・・・」「あなた!どこの女の子の話ですか?」「いいや、春の花の話だ!梅に桃に桜、その美しさの違いは近づいてよ~く見ないと分からない、香りもかいでみないと!」「あなた!私はどうなの?」「どれどれ、梅干に桜花の塩漬けと、桃の缶詰!」「なんですって!私は保存食?」「それも賞味期限が・・」

  「さくらより桃にしたしき小家哉」 とは俳画を得意とする与謝蕪村の俳句です。小さな家に桃の花が咲いていて、このような家には桜より桃が似つかわしい、という意味ですが、まるで里山の春を絵に描いたように詠んでいます。
 桃には、果実が生る「実桃」と花を楽しむ「花桃」があります。実桃は黄桃や白桃など食用として栽培されるもので、花桃は園芸種として栽培されているものです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2018.03.11(Sun) 17:20] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
↑TOPへ


リストマーク 啓蟄 

2018年03月07日 ()
  3月6日は、二十四節気の啓蟄(けいちつ)です。「啓」は「開く」、「蟄」は「虫などが土中に隠れ閉じこもる」という意味で、「冬籠りの虫が這い出る」という季節なのです。暦便覧では「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されています。柳の若芽が芽吹き、蕗の薹(フキノトウ)が顔をのぞかせるころです。

  今日の水彩画は、「木もれびの森の早咲き桜」です。春一番に咲く桜は河津桜でしょうか。花は何故か控えめに下向きに咲きます。一番早く咲く桜なのだからもっと胸を張ってもいいのに!春の陽差しの中でも、冷たい風に寒げに花弁を揺らします。
18-03-07.jpg

  蕗(フキ)は日本原産の多年草植物で、地下茎で広がります。蕗の薹(フキノトウ)は 蕗の花茎で葉茎より先に伸び、春一番に花を咲かせます。フキノトウは日本料理には欠かせない、早春を代表する山菜のひとつです。
  春の山菜には独特の苦みがありますが、じつはこの苦みやえぐみが、からだにはとても良いとされ、山菜を食べると、苦味や辛味が冬の間に縮こまっていたからだに刺激を与えて目覚めさせ、活動的にしてくれるといわれます。「春の皿には苦味を盛れ」という諺もあるそうです。

  おとうさん、啓蟄!「あなた!もう啓蟄ですよ!畑に出てください!」「俺は虫か?まったく・・・、畑を耕すかぁ!おっ!フキノトウが出ている!フキノトウの天ぷらで今夜は一杯!」「あなた、土手に座り込んで、ニヤニヤして・・・」「フキノトウを見つけたよ!別名をフキノシュウトメ(蕗の姑)という!麦と姑は踏むがよい、という諺からきていて、出すぎる姑も麦同様に踏むといいという意味なのだ!」「麦がどうかしましたか?」「いや、独り言です!姑という字も古い女と書くのだから、漢字は面白い!」「あなた、舅だって薄い男と書くじゃありませんか!」「聞こえているじゃねえか・・・・」

  フキノトウは油で調理することで特有の苦みが和らぐことから、手間をかけずにおいしく食べるには天ぷらが一番です。つぼみのままではなく、葉を開いた形にして、小麦粉または片栗粉を薄くまぶし、てんぷら粉に卵と冷水を入れ、もったりとする程度の衣を作り、絡めて油で揚げます。

  「蕗の薹藪の隅より現れし(ふきのとう やぶのすみより あらわれし)」とは正岡子規の句です。枯れ葉や雑草の中から顔をのぞかせたフキノトウを見つけると、春がきたなあ~と嬉しくなります。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2018.03.07(Wed) 22:03] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
↑TOPへ


リストマーク 霞始靆 

2018年02月24日 ()
  2月19日ごろから、二十四節気では「雨水」、空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころという季節です。暦便覧には「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」と記されています。実際には寒さや積雪が頂点となることから、この時季から寒さも峠を越え、いよいよ春が近づいてくることが感じられころなのです。昔から農作業の準備を始める目安とされてきました。

  今日の水彩画は、「春を告げる紅梅」です。まだ冷たい風が吹く林の中で、百花繚乱の春の始まりを告げるように、紅梅の花が咲いています。裸木ばかりの林の中で、ひとり派手な衣装をまとい、春の到来を告げながら舞っています。
18-02-23.jpg

  紅梅の木の断面はピンクの淡い紅色をしていて、白梅の木の断面は白っぽい色をしているそうです。紅梅の実は小さくて固く、白梅の実のように食用にはなりませんが、美しい淡い紅色の幹は、器や家具などを作る木材として人気があるそうです。

  おとうさん、梅の花!「いよいよ春~、梅は咲いたか桜はまだかいな~♪」「あれは紅梅ですねえ~きれい」「あのな、花が紅色だから紅梅とは限らないの、木の幹の断面が紅色だと紅梅、白色だと白梅だ!花ではなく木の種類なのだ!だから、紅梅の木に白花、白梅の木に紅花が・・・」「あなた!またややこしいことばかり!赤なら紅梅、白なら白梅でいいじゃありませんか!」「だから、本質は中味だと・・」「開いてみないとわからないあなたのお腹の中みたい!」「・・・・・・」

  七十二候では、今頃は雨水の次候「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」です。春になると大気中に水滴や細かな塵が増え、また、霧やもやのために遠くの山や景色がぼやけて見えることがあります。また、煙や雲が上に上らずたなびいたように見えることもあり、こうした現象を古来より「霞(かすみ)」と呼んできました。
  近年、空気中に飛散するもののなかに杉花粉があり、花粉症の方には辛い時期になってきます。これは、PM2.5の様な微小粒子状物質には、物と物がくっつく力「分子間力」があるため、花粉などと結合して「悪玉花粉」になるのではないかといわれています。「春霞」は風情がありますが、花粉症による鼻水や涙は困ります。

  「春雨や いさよふ月の 海半」 与謝蕪村の句です。「いさよふ」はためらうという意味です。また、「海半」の読みは「うみなかば」です。春雨の雲間に、海面からためらうように月が顔を覗かせている、という絵のような情景が浮かんできます。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2018.02.24(Sat) 11:01] 自然風景Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
↑TOPへ


BACK | TOP | NEXT

カウンター

カレンダー

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

QRコード