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リストマーク 立秋 

2017年08月04日 ()
  今年は8月7日が立秋です。二十四節気の13番目、猛暑が続く日々の中で、初めて秋の気配が現れてくる頃なのです。暦便覧では「初めて秋の気立つがゆゑなれば也」と記されていて、古今和歌集には、「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」と詠われています。この日から立冬の前日までが「秋」とされています。もう秋です、歳を取ると月日が経つのが早く感じられます・・・・。

  今日の水彩画は、「生い茂る夏の森」です。森に夏の朝陽が昇ると、生い茂る木々の葉が暑さを遮るように道をふさぎます。森の奥からは、涼しい風にのって目覚めた妖精たちが駆け出してくるようです。
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  立秋から12日頃までは、七十二候の「涼風至(すずかぜいたる)」にあたります。涼風至とは、夏の暑い風から、秋の涼しい風に替わりはじめる頃という意味で、夕方頃に鳴く虫たちの音色も涼しさを演出してくれます。しかしながら、日中の陽射しは強いままで、油断は禁物、まだまだ熱中症には注意が必要です。

  日本の夏は気温と湿度が高く、暑さを和らげるための工夫が古くから行われてきました。その一つに「打ち水」があります。打ち水の始まりは、戦国から安土桃山時代の「茶の湯」にあるといわれます。江戸時代になると、打ち水は「武士町や四角四面に水を蒔く(小林一茶)」などと俳句に詠まれ、浮世絵にも描かれるようになり、涼を取る手段として一般的になったと考えられています。現代に入ると、扇風機やクーラーなどの普及とともに、打ち水は徐々に姿を消していきましたが、平成に入り、大都市の都市熱を下げる社会実験として打ち水が行われたのをきっかけに、各地で真夏のイベントとして「打ち水大作戦」が行われるようになりました。

  おとうさん、暑いです!「あなた~、猫と一緒に涼しいところでごろごろしていないで、庭に打ち水をしてくださいな!」「打ち水!少しは涼しくなるか~」「あなた!日向に水をまいても蒸し暑くなるだけです、日陰に!それに水道水じゃもったいない、風呂の残り湯か台所のすすぎ水を使って・・・」「はいはい、打ち水ひとつで、よくもまあ・・・たくさんの注文が付くものだ!これって水掛け論?まあ水入りかな・・」

  「ひやひやと壁をふまえて昼寝哉」とは芭蕉の俳句ですが、我が家のクロネコは、いくらかでも涼しい場所を探してはごろごろしています。ネコのみならず、壁に背や足をすりつけ、少しでも涼をとって昼寝をしたい暑さです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.08.04(Fri) 17:11] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 桐始結花 

2017年07月27日 ()
  今ごろの七十二候では大暑の初候となり、「桐始結花(きりはじめてはなむすぶ)」とされ、桐の花が実を結び始める時期なのです。実際には、5月から6月頃が紫色の桐の花の開花時期になるようです。桐は伝統的に神聖な木とされてきており、足利尊氏や豊臣秀吉などの天下人が好んで用いた家紋でもあります。現代では内閣総理大臣の紋章に用いられ、五百円玉の表にも描かれています。

  今日の水彩画は、「夏の日照りの谷川」です。雨が降らず水量が少ない谷川、小さな流れが岩の陰に小さな淀みをつくります。それでも、日照りが続く谷に時折吹く風が涼しさを運び、涼を求めて草木が枝葉を川面に伸ばします。
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  今年は雨が少なく、野菜畑にせっせと水運びをしていますが、焼け石に水の状態です。古来より農耕を営む人たちにとって、降雨の多い少ないはとても重要なことでした。古代中国の亀甲文字に雨という文字がすでに書かれているそうで、古代の人々が雨乞いや降雨を占うために使ったのかも知れません。農耕民族である日本人にとっても、田畑の水をもたらす降雨はとても大切なものでした。日照りが続き、水が枯れ始めると、雨乞いという祈とうを行って、降雨を願うことがよく行われていました。昔から雨を降らせる神様として信じられているのが龍神様でした。

  おとうさん、暑い!「暑いねえ、ひと雨ほしいねえ!」「あなた~、畑に水をやってくださいな~」「暑いのに水運び?龍神様に雨乞いをしたいねえ!落語にもあったなあ・・・夕立屋なんていって、龍(たつ)の化身の男が銭を出すと雨を降らしてくれる、夕立屋は夏だけの商売、それで冬の稼ぎはどうするのだい?ときくと、はい!倅の子龍(こたつ)が稼ぎます、というのが落ちだ!」「あなた、なにをブツブツ、早く水をやらないと野菜が枯れてしまいます!」「はいはい!龍神さん夕立屋を探しておくれ!」

  桐の木は日本では最も軽い木材で、桐たんすが有名ですが、琴にも桐が使われています。琴に使われる桐材は寒い地で育った目の詰まったものがいいとされています。琴は龍に見立てて作られていて、琴の胴の頭は龍頭、反対側は龍尾、このあいだを龍甲といいます。この龍甲には龍の背中の鱗(うろこ)のような模様がでていますが、これは桐の板目が浮き出ているのだそうです。桐と龍は繋がっているのです。

  「涼風の曲がりくねつて来たりけり」とは小林一茶の俳句で、長屋の奥に住んでいるから、暑い夏に吹く一瞬の涼しさを感じる風も曲がりくねってくる、ということです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.07.27(Thu) 13:44] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 梅雨明けの暑さ 

2017年07月22日 ()
  首都圏では雨不足、九州では豪雨をもたらした今年のおかしな梅雨が明けました。明ける前から酷暑が続いていて、とにかく暑いです。7月23日は二十四節気の大暑を迎えますが、大暑とは最も暑い頃という意味です。暦便覧には「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されていて、いよいよ本格的な夏の到来となります。

  暑いなかでの今日の水彩画は、少し涼しく「夏の朝の渚」です。夏の陽を浴びながら砂浜に打ち寄せる波が、小さく砕けて砂浜を洗います。太古の昔から波を打ち寄せ、命を育んできた海、波の音が数十億年の歳月を語り続けているようです。
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  17日は海の日でした。海の日は1995年に制定され、祝日法には、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」と少々難しく書かれています。およそ30億年まえの海に生命が誕生したといわれています。人間の血液の塩分濃度は0.9%ですが、太古の海で脊椎動物が誕生したころの海水の塩分濃度と同じといわれ、人間の祖先が海の生物であった証拠と考えられています。「我は海の子」なのです。

おとうさん、大暑!「暑い!暑い!ちょっと動いたらもう汗だく、夏の畑仕事はいやだなあ、やっぱり夏より冬がいいなあ・・・」「あら、あなた、冬の畑では、俺は冬が嫌いだ、暑い夏の畑で汗をかくほうがいい、って言っていませんでした?」「半年も前のことだ、覚えていない!忘れた!暑さのせいだ!」「物忘れや意識混濁?あなた、熱中症の症状かも?」「・・・うぅ~暑い、寒い冬がいい・・・」

  夏の土用が大暑の数日前から始まっています。夏の土用の食べ物といえば「土用の丑の日のうなぎ」が有名ですが、「大暑の日はてんぷらの日」というのはご存知でしたか?土用の丑の日、8月29日の焼肉の日と並んで、「大暑の天ぷらの日」は「夏バテ防止三大食べ物記念日」?とされているそうです。誰が決めたか不明ですが、恐らく決めたのは、天ぷら屋さんか焼肉屋さんに決まっています。「土用の丑の日はウナギ」と決めたのは平賀源内だというのは知っていますか?ウナギの旬は冬ですから、夏のウナギはまずくて売れない!そこでウナギ屋に入れ知恵したのが源内先生というわけなのです!いずれも栄養豊富、夏を乗り切るにはいいかもしれません。

  「暑き日を海にいれたり最上川」とは芭蕉の句です。最上川の沖合いを見ると、まさに真っ赤な太陽が沈もうとしている。そのさまは、一日の暑さをすべて海に流し込んでいるようだ・・・、豪快な句ですが、あまり涼しさは感じません。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.07.22(Sat) 07:37] 自然環境Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 蓮始開 

2017年07月14日 ()
  今ごろは、七十二候では小暑の次候として「蓮始開(はすはじめてひらく)」にあたります。「泥(でい)より出でて泥に染まらず」といわれ、美しい花が泥の中から伸び立ち花開く姿が、いにしえより崇高で清らさの象徴となってきた「蓮(はす)の花」、花中央の黄色い部分にたくさんの穴があいていて、蜂の巣に似ていることから、万葉の時代より「はちす」と呼ばれ、数多くの歌にも詠まれています。

  今日の水彩画は、「夏の陽の光と影」です。梅雨明け間近の森に差し込む朝陽は強烈です。ミズキの白い幹を輝かせて、木の葉の影を木肌に焼き付けます。陽の眩しさに草木が目を覚まします。
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  蓮の花の命はわずか4日です。1日目は早朝より花弁が開き始めほんの少し開いたのち、つぼみの状態に戻り、2日目は、同じく早朝に咲きはじめ満開となり、香りを放ちながら最も美しい瞬間を迎えたのち、また半ば閉じてしまいます。3日目は、2日目と同じく最大に開きますが、受粉を終えためしべは黒っぽくなり、花の色は若干退化し、昼頃には閉じはじめます。そして4日目、3度目の全開を迎えたのち、はらはらと花弁が落ち、はかなくも散ってしまうのです。

  おとうさん、蓮の花!「うむ・・蓮花が開いたのだけど、いくといつも閉じているんだなあ~」「あなた~、蓮は朝早くにしか開きませんよ!昼頃には閉じてしまいます!」「じゃあ~夜遅くに行くか 蓮花っていう店に!花は夜開く~かあ~うっしっし・・・」「あなた~早朝ですって・・」「だから夜遅くから夜明けまで・・・」

  美しい花やレンコン(蓮根)で、古くから親しまれている蓮ですが、その茎から取れる蓮の糸で、織物が織られてきたことはあまり知られていません。古代インドでは、紀元前四世紀頃から繊維として使用されていたようです。奈良の當麻寺(たいまでら)に今もある当麻曼荼羅(まんだら)は、中将姫という女性が一夜にして蓮糸で織った奇跡の曼荼羅である(能の当麻の題材)という逸話があります。ミャンマーでは、今なお蓮の糸で織物が織られ、僧侶の法衣や袈裟として寺に奉納されているそうです。

  「仏印の古きもたへや蓮の花(ぶつちんの ふるきもたえや はすのはな)」とは蕪村の俳句です。古雅な風格のある酒がめに見事な蓮の花が生けられている、あの酒がめは、その昔仏印禅師が使っていたものとか、ここの住僧もまた詩酒の趣を解する人物と見える、という・・なかなか難しい句です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.07.14(Fri) 17:08] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 小暑 

2017年07月06日 ()
  七夕の7月7日は二十四節気の小暑(しょうしょ)にあたります。暑さがどんどん強くなっていくという意味があり、この頃から暑さが本格的になってきます。暦便覧には「大暑来れる前なればなり」と簡単に記されています。九州北部の豪雨では大きな被害が出ているようですが、災害にあわれた人たちの無事を心から祈ります。梅雨の終わる今頃は、集中豪雨が多く発生する時季なのです。

  今日の水彩画は、「夏の光の中の流れ」です。谷の向こうから強い夏の陽ざしが注ぐと、溢れるような光を川面に浮かべて川が流れます。川に差し込む光が川底に届き、照らし出された石がさざ波の影とともに揺れ動きます。
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  7月7日は七夕です。七夕の由来は中国から伝わった織姫と彦星の伝説が有名ですが、古い日本では「棚機(たなばた)」と呼ばれ、禊(みそぎ)の行事だったようです。若い女性が着物を織って棚にそなえ、神さまに秋の豊作を祈り、けがれをはらうというものでした。女性は「棚機女(たなばたつめ)」と呼ばれ、神さまのために着物を織りますが、この織り機が「棚機(たなばた)」でした。やがて仏教の伝来とともに、この行事はお盆を迎える準備として七日の夜(夕)に行われるようになり、「七夕」という文字で「たなばた」と呼ばれるようになったといわれています。

  おとうさん、七夕。「七夕ねぇ・・、子供の頃は短冊に願いごとを書いたものだ!」「あなた~、畑の里芋の土寄せしてくれましたかぁ~」「おお~それだ!昔は、里芋の葉に溜まった露を集めて墨をすり、その墨で短冊に書いて習い事の上達を願ったそうだ!」「ですから、里芋の葉じゃなくて、追い肥と土寄せ!」「はい、はい・・では里芋の豊作を願って土寄せ・・一年に一度の出会いの彦星がうらやましい・・・・」

  7月に入ると、さまざまな夏の花が咲き始めます。そのひとつに「朝顔」があります。「朝顔」は奈良時代に遣唐使が種を薬として持ち帰りましたが、その後観賞用として栽培され、今では千種類以上の品種があるといわれます。東京の鬼子母神界隈では、毎年「小暑」のころに「朝顔市」が催されます。始まりは江戸時代後期で、朝顔の栽培が盛んだったことと花の美しさから今に続いているようです。

  「朝顔は 酒盛知らぬ 盛り哉(あさがおは さかもりしらぬ さかりかな)」とは芭蕉の俳句です。夜を徹しての酒盛り、ふと見ると大輪の朝顔が咲いている、知らぬ間に夜が明けた、ということでしょうか。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.07.06(Thu) 15:40] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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