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リストマーク 小暑 

2017年07月06日 ()
  七夕の7月7日は二十四節気の小暑(しょうしょ)にあたります。暑さがどんどん強くなっていくという意味があり、この頃から暑さが本格的になってきます。暦便覧には「大暑来れる前なればなり」と簡単に記されています。九州北部の豪雨では大きな被害が出ているようですが、災害にあわれた人たちの無事を心から祈ります。梅雨の終わる今頃は、集中豪雨が多く発生する時季なのです。

  今日の水彩画は、「夏の光の中の流れ」です。谷の向こうから強い夏の陽ざしが注ぐと、溢れるような光を川面に浮かべて川が流れます。川に差し込む光が川底に届き、照らし出された石がさざ波の影とともに揺れ動きます。
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  7月7日は七夕です。七夕の由来は中国から伝わった織姫と彦星の伝説が有名ですが、古い日本では「棚機(たなばた)」と呼ばれ、禊(みそぎ)の行事だったようです。若い女性が着物を織って棚にそなえ、神さまに秋の豊作を祈り、けがれをはらうというものでした。女性は「棚機女(たなばたつめ)」と呼ばれ、神さまのために着物を織りますが、この織り機が「棚機(たなばた)」でした。やがて仏教の伝来とともに、この行事はお盆を迎える準備として七日の夜(夕)に行われるようになり、「七夕」という文字で「たなばた」と呼ばれるようになったといわれています。

  おとうさん、七夕。「七夕ねぇ・・、子供の頃は短冊に願いごとを書いたものだ!」「あなた~、畑の里芋の土寄せしてくれましたかぁ~」「おお~それだ!昔は、里芋の葉に溜まった露を集めて墨をすり、その墨で短冊に書いて習い事の上達を願ったそうだ!」「ですから、里芋の葉じゃなくて、追い肥と土寄せ!」「はい、はい・・では里芋の豊作を願って土寄せ・・一年に一度の出会いの彦星がうらやましい・・・・」

  7月に入ると、さまざまな夏の花が咲き始めます。そのひとつに「朝顔」があります。「朝顔」は奈良時代に遣唐使が種を薬として持ち帰りましたが、その後観賞用として栽培され、今では千種類以上の品種があるといわれます。東京の鬼子母神界隈では、毎年「小暑」のころに「朝顔市」が催されます。始まりは江戸時代後期で、朝顔の栽培が盛んだったことと花の美しさから今に続いているようです。

  「朝顔は 酒盛知らぬ 盛り哉(あさがおは さかもりしらぬ さかりかな)」とは芭蕉の俳句です。夜を徹しての酒盛り、ふと見ると大輪の朝顔が咲いている、知らぬ間に夜が明けた、ということでしょうか。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.07.06(Thu) 15:40] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 菖蒲華 

2017年06月29日 ()
   梅雨に灯る紫の花、6月27日〜7月1日頃は七十二候の「菖蒲華(あやめはなさく)」の時季です。菖蒲(あやめ)の花が咲くのは五月ごろ、よく似た「杜若」(かきつばた)がそのあとに続き、この時期咲き始めるのは「花菖蒲」のことなのでしょうか。
 アヤメ科の花を、切り花で楽しむ場合に、花が枯れた後に花びらだけを摘みとってそのまま活けておくと、再び花芽が出て、もう一輪咲くことがあるそうです。

   今日の水彩画は、「梅雨の晴れ間の森」です。梅雨の晴れ間の強い陽射しが、森の広場に射し込みます。真夏のような陽ざしが、草木の葉を射抜き、こがね色の葉達がキラキラと眩しく輝き、森の広場の舞台を照らし出します。
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  雨が待ち遠しい農家は、あやめの花を見て、梅雨を知ったといわれます。あやめという和名は、花の外花被の基部に綾目をもつことから名付けられたという説があります。アヤメ、カキツバタ、ハナショウブはなかなか見分けがつきませんが、いずれも、「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」といわれるように、美しい花です。

   おとうさん、雨です!「畑には恵みの雨だ、野菜が育つなあ・・・」「あなた、雑草もすくすくと伸びています!草むしりお願いします!」「晴耕雨読の生活だ、雨が降れば絵描き業だが・・」「あら!真夏のカンカン照りの中の草取りは辛い!雨でも今のうちに草取りをしておくと夏が楽ですよ!」「はいはい、それでは雨の中で草取り、おじいさんは畑の草刈りに、おばあさんは川で洗濯?」「雨の日の洗濯はなし!」「・・・・」

   雨の季節、梅雨入りから雨量の少ない今年でしたが、ようやく梅雨らしい雨が降り、畑の野菜がすくすくと元気に育っています。雑草も野菜に負けじと元気に成長し、草取りに膝や腰が痛い痛いと音を上げています。
 ジメジメ、ムシムシとした天気に気分が滅入りがちな梅雨ですが、この時期に咲く美しい花々には梅雨にしか味わえない風情があります。雨の中で咲き誇る花の姿には、他の季節とは違った美しさや味わいがあり、古来より人々はこれらの花々に心動かされ、俳句や詩歌、絵画の中で、美しい日本を表現してきました。

   「世の人の 見付(みつけ)ぬ花や 軒の栗」とは芭蕉の句です。栗の花も梅雨にかけて咲く花ですが、地味な花です。「栗の花はあまり目立たないが、栗の花を咲かせている家の主もまた、目立たなくとも、奥ゆかしい人だろうか」という意味です。花も人も、目立つものだけがすべてではないという、やさしい視線が感じられます。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.06.29(Thu) 11:36] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 夏至 

2017年06月22日 ()
  6月21日は二十四節気の夏至でした。夏至は、日の出と日の入りの方角が最も北寄りになり、昼が最も長く、夜が最も短くなる時季です。暦便覧には「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以てなり」と記されています。このため、夏至は別名、日永(ひなが)とも呼ばれ、東京で夏至と冬至の昼の時間の長さを比べると5時間もの差があるそうです。
   
  今日の水彩画は、「雨に濡れるヤマアジサイ」です。森の片隅でひっそりと花を付けたヤマアジサイ、梅雨の雨にけむる木々の中で、小さく白く清らかな飾り花が雨に濡れています。
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  野や山に咲く野生のアジサイには、ヤマアジサイ、コアジサイ、ガクアジサイ、エゾアジサイなどがあります。なかでもヤマアジサイは、湿った林のなかや沢沿いなどに多く、タニアジサイとも呼ばれています。真っ白なヤマアジサイの飾り花は清々しく、蒸し暑い梅雨の雨の中で、清涼感を醸し出します。

  七十二候の二十八番目となる「乃東枯(なつかれくさかるる)」は、夏至の初候にあたります。乃東(ないとう)とは漢方薬に用いられる夏枯草(なつかれくさ)の古名で、その正体はウツボグサ(靫草)です。紫色のきれいな花が咲く田んぼの畦や草地でよく見掛ける草です。この草は、冬至の頃に芽を出して夏至の頃に、花穂が黒色化して枯れたように見えることから、夏枯草と呼ばれるようになりました。カサカサに茶色く枯れた花穂は利尿などの漢方薬に使われるようです。

  おとうさん、夏至です!「もう夏至か!昼が一番長い日だ、冬至と逆だ・・・。冬至は南瓜(かぼちゃ)を食べる日だが、夏至の食べ物は何?」「あなたは、食べものと呑むことだけで季節を感じる人ですねえ~」「冬至の食べ物があって、夏至にないのはおかしな話だ!」「そうですねえ~冬至に南瓜ときたら、夏至には冬瓜(とうがん)ではどうですか?」「いいねえ~冬瓜は夏が旬だ!ピリッと冷えた日本酒に合うねえ・・」「えっ、冷えたお酒?年寄りの冷や水になりますから、温いお茶で・・・」「・・・・・・」

  「涼しさを 我宿にして ねまるなり」とは松尾芭蕉の句です。この句は、山形に滞在したときのもので、歓待をうれしく思い、まるで我が家にいるようだと詠んでいるのです。「ねまる」は方言で、山形では「とまる」、秋田では「座る」、広島では「腐る」と地方によって異なった意味で使われているようです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.06.22(Thu) 13:58] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 腐草為蛍 

2017年06月13日 ()
  陰暦六月は水無月(みなづき)といい、田植えに多くの水を必要とする月を意味しました。梅雨のこの時期、水が張られた田に苗が青々と育ち始めています。
 七十二候は農作業のための時期を知らせる暦で、今頃は芒種の次候にあたる「腐草為蛍(ふそうほたるとなる)」です。腐った草や朽ちた木の間からきれいに光る蛍が出てくる時期なのです。「蛍」は夏の風物詩として、古くから親しまれていて、「ほたる」の記述は日本書紀や万葉集にすでに見られるそうです。

   今日の水彩画は、「霧に浮かぶ鮎釣人」です。雨上がりの霧に覆われた川の中に、鮎釣人が佇みます。霧を分け入って陽がさし込むと、川面に映える光が霧を照らし、明るい光の中に釣人が浮かび上がります。
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  神奈川県の河川の鮎解禁日は6月1日でした。河口近くの海で育った鮎は、初夏には上流を目指して川を遡ります。上流で成魚となった鮎は秋には川を下り河口付近で産卵し、一年で一生を終える年魚です。「あゆ」の名の由来は、秋に川を下ることから「あゆる(落ちる)」に由来する、という説が分かり易いようです。中国では「鮎」はナマズをさし、アユには「香魚」が使われています。日本では、アユが一定の縄張りを占める魚であることから、「鮎」の文字があてられたともいわれています。

  おとうさん、蛍?「蛍?まさか、煙草を吸っている人じゃないの?蛍といえば、暗がりに浮かぶ赤提灯が恋しいなあ?」「あら、あなた!お出かけですか?」「うむ!夜道が暗いから明かりを持って、ちょいと一杯やってくるか!」「あらあら、明かりを探して飛ぶ蛍みたいですねぇ~!いってらっしゃい~ゲンジボタルの君!蛍二十日に蝉三日といわれ、どうせ旬の時期が短いのですから!」

  ホタルなどの発光生物の発光は、ルシフェリンという物質によるものですが、この発光は電気などによる光源と比較すると効率が非常に高いといわれます。発光生物の大多数は海に生息している生物が占めていて、特に深海生物のほとんどは発光するといわれています。例えば魚類では、500m以上の深海に棲む住む魚の90%が発光するという調査結果があるそうです。

   「己が火を木々の蛍や花の宿(おのがひを きぎのほたるや はなのやど)」とは     芭蕉の俳句です。蛍が光を出して飛び回るのはオスの蛍がメスを探す行動のようで、メスの蛍も発光しますが、木や草などに止まってあまり動かないそうです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.06.13(Tue) 17:13] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 芒種 

2017年06月09日 ()
  6月5日は二十四節気の「芒種」にあたり、稲などの芒(のぎ)のある穀物の種をまく季節を意味しますが、実際の種まきはこれよりも早い時季に行なわれるようです。暦便覧にも「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時なり」と記されています。
 梅雨が始まる頃ですが、今年の関東甲信越のつゆ入り宣言は、6月7日でした。宣言が出たら雨が降るかと期待しましたが、まとまった雨は降らず、野菜畑が値を上げています。今年の梅雨の雨量は平年並みということですが・・・。

  今日の水彩画は、「雨に濡れる紫陽花」で、梅雨の花といえば紫陽花です。陽当たりが苦手な紫陽花が、雨が降り出すと生き生きとしてきます。重なり合った葉達が雨の滴で重くなった花を支えます。
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  梅雨には、あじさいがよく似合います。しっとりと濡れた姿も美しく、梅雨ならではの風情を感じます。「あじさい」の語源は、藍色が集まったものを意味する「集真藍(あづさあい/あづさい)」からきたという説が有力とされています。あじさいは古くから親しまれていて、「万葉集」にも詠まれています。あじさいが「紫陽花」になったのは、唐の白居易が別の花につけた「紫陽花」を、平安時代の学者が当て字をしたからだといわれています。

  おとうさん、梅雨入り!「梅雨入りだぁ、庭の紫陽花が色付いてきた~紫陽花に小さなカマキリが、今頃は蟷螂生(カマキリ生ず)で、カマキリの子供が出てくる頃だな~」「あなた、畑の草刈りお願い、草がすぐに伸びるんですから!」「カマキリといえば、オスはメスに食い殺される・・・」「あなた~、早く、早く、また雨が降り出しますよ!」「きゃぁ~、かみさんが鎌をふりあげて迫ってくる~たすけて~」

  七十二候では芒種の初候(6/5~6/9)は「蟷螂生ず」で、卵から小さなカマキリの赤ちゃんが生まれてくる頃としています。農作業の目安とされる七十二候にカマキリが登場するのは、カマキリは稲や野菜には手を付けずに、害虫を捕らえてくれる益虫だからなのかも知れません。

  「紫陽草や帷巾時の薄浅黄(あじさいや かたびらどきの うすあさぎ)」は芭蕉の句です。あじさいの花が咲いて、帷子を着る季節がやってきた、あじさいの色はその薄浅葱の帷子色をしている、と詠んでいますが、夏に近づくにつれ、帷子の色は濃い色から淡い色に変わるように、あじさいの色も変わっていく、という意味なのでしょう。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.06.09(Fri) 17:45] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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