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リストマーク 小満 

2017年05月20日 ()
  5月21日頃からは二十四節気の「小満」にあたります。万物の成長する気が次第に長じて天地に満ち始めることから小満といわれています。陽気が良くなり、ようやく暑さも加わり、麦の穂が育ち、山野の草木が実をつけ始めます。暦便覧には「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と記されています。走り梅雨が見られるころで、田植えの準備を始める頃でもあります。秋に種を蒔いた麦の穂が育ち、ひと安心(小さな満足)することから小満という、との説もあります。

  今日の水彩画は、「老いたイヌシデの若葉」です。木もれびの森のイヌシデの老木にも、つやつやの若葉たちが生い茂り、若い命が輝きます。ねじれた幹に刻まれた深い皺とムロが長い歳月を物語るイヌシデに、朝陽と若葉たちが元気を届けます。
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  今ごろの食べ物に、粽(ちまき)があります。我が家でも作りますが、もち米などを笹の葉で三角形に巻いて、蒸した食べ物です。日本には平安の頃に中国から入ってきたといわれています。こうした粽は、東南アジアの各国でも見られ、日本でも地方によっていろいろな粽があるようです。
 先日も鹿児島出身の友人から、あくまき(灰汁巻き)をいただきました。あくまきは、ひと晩灰汁に漬け込んだ餅米を竹の皮で包み、灰汁(あく汁)で煮たもので、独特の風味と食感を持っています。粽と同様に砂糖入りのきな粉につけていただきました。一説では、あくまきは、薩摩藩が秀吉の朝鮮出兵の際や関ヶ原の戦いで、日持ちする兵糧として作ったのが始まりといわれています。

  おとうさん、粽!「あなた、粽を作りましたよ、きな粉で食べて!」「甘いものは苦手だなあ・・・」「お砂糖は控えめにしておきました!それにきな粉は健康にいいっていいますよ!」「そうだなあ、きな粉は大豆の粉だ~、畑の肉とか、ミラクルフードとかいわれる・・・、女性ホルモンに効く成分が含まれていて、バストアップ効果があるそうだ!」「あらそうですか?ではきな粉をたくさん付けて・・・」「ウム・・長年重力に引っ張られてきた胸には効かない・・」「あら、あなたも食べて・・・老化やボケ防止に効果があるそうですよ!」「ウウゥ・・・・!粽を巻いていたササ(お酒)の方がいいなあ・・・・」

  七十二候では、小満の初候は「蚕起食桑(かいこ おこって くわを くらう)」とあり、蚕が桑を盛んに食べ始めるころとされています。
 「ことしより蚕はじめぬ小百姓」とは与謝蕪村の句ですが、農家の養蚕は重要な収入源でした。蚕が元気になるこの頃は、農家にとって嬉しい時期だったのでしょう。

   ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2017.05.20(Sat) 16:21] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 蚯蚓出 

2017年05月13日 ()
  今ごろは、七十二候では立夏の次候の「蚯蚓出(きゅういんいずる)」にあたり、蚯蚓つまりミミズが這い出して来る湿潤で暖かな季節になったということです。
 ミミズは土や落ち葉を食べ分解して、肥沃な土壌を作り出してくれます。我が家の畑の堆肥の中でも、たくさんのミミズが働いてくれています。ミミズという名前は、「目見ず(めみえず)」からきたようで、ミミズの目は退化してありませんが、光を感じることはできるようです。

  今日の水彩画は、「新緑に輝く流れ」です。木々が初夏の日差しに枝を伸ばし、若葉が陽を浴びて眩しく輝いています。水面に萌黄色を映す川は、命の輝きを溢れさせてキラキラ、ザワザワと流れます。
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   いよいよ、新緑が美しい季節がやってきました。この柔らかで明るい若葉色に溢れる野山は、絵心が掻き立てられる風景のひとつです。新緑の草木を描くときに好きな絵の具に「サップグリーン」があります。サップグリーンはサップ(sap:樹液)の名が示すように、「クロウメモドキ」という植物の実から採取された緑色のことです(今使っている絵の具は化学合成顔料ですが)。草木染の世界では、一般には単独で緑色を染める染料はほとんどないといわれていて、日本では藍染の布を黄色の染料に浸けて、緑色に染めるようです。しかしながら、このクロウメモドキの実は珍しく緑色の染料原料になっているそうです。

   おとうさん、新緑!「若いみどりは美しいなあ!」「あらっ!あなた!何処のみどりさんですか?」「ちがう!色の話ですよ!色気じゃなく色!若緑色が美しいねぇ!日本の緑色の和名はいいねえ!萌黄色、若芽色、若草色、若苗色、若竹色なんていうのは、若く匂い立つような色だねえ~」「あら!若々しい乙女のような色・・・わたしに似合う緑色は何かしら?」「そうだなあ~老竹色という緑色が・・・」「キッ!あなた!そんな色がありますか!」「本当にある、本当だ!逃げろ、緑は安全の色だあ~」

  「出るやいな蚯蚓(みみず)は蟻に引かれけり」は、小林一茶の句です。土壌改良に役立つミミズにも敵が多いようで、ミミズが大好物のモグラ、土を掘り返すツバメやサギ、地面を歩き回るトカゲやハンミョウは大敵です。
 俳句に詠まれる「みみず」は夏の季語ですが、「みみず鳴く」は秋の季語になるそうです。ちなみに、ミミズは鳴きません。昔からあの「ジーィジーィ」というミミズの鳴き声といわれた声は、実はケラという虫の鳴き声だったようです。

 ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.05.13(Sat) 16:13] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 夏は来ぬ 

2017年05月01日 ()
  いよいよ今日から五月(皐月)、そして5日には二十四節気の「立夏」を迎えます。夏の気配が現れはじめ、夏めいてくる頃で、立夏から立秋の前日までが夏となります。暦便覧には「夏の立つがゆへ也」とあります。夏といっても、本格的な夏はまだまだ先で、気温が高くなる日もありますが、暑くもなく寒くもなく、湿度が低く風もさわやかで、過ごしやすい季節です。若葉・青葉につつまれて新緑が一段と映えて美しく、南では麦が穂を出し、北国では馬鈴薯や豆の種まきが始まります。

  今日の水彩画は、「若葉につつまれる木もれびの森」です。草木の先に付いた葉の芽が萌え始めだすと、あっという間に森が小さな黄緑色の新葉に包まれます。若葉を透かして女神のような朝陽が差し込むと、森は新しい命の輝きに満たされます。
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  五月五日は端午の節句でもありますが、昔の日本では、端午の節句は男の祭りではなく、田植えに結びついた女性の祭りだったようです。
 田植えの月(五月)は、昔は早苗月(サナエヅキ)といい、これから五月を「さつき(皐月)」というようになったようです。米を作る農家にとって最も重要な月であり、田植えは田の神様を迎える重要な神事とされていました。端午の節句の日は、女性が早苗を田に植えて「田の神様」を迎える日でした。この田植えをする女性のことを早乙女といい、神事をする早乙女は、前日より身を清めなければならず、男たちを家から追い出し、菖蒲で清めた家に籠ったのだそうです。

  おとうさん、青葉が!「目には青葉山ほととぎす初鰹・・といわれ、初鰹で一杯・・粋だねえ~」「あなた!初鰹なんて高くて、粋はいきでも、ため息ですよ~」「昔っから、初物七十五日といって、初物を食べると寿命が延びるという!」「大丈夫!あなたは、畑の春野菜の初物で、十分寿命が延びていますよ!」「・・ふう、粋だねえ・・・・」

  端午の節句に柏餅を供えるという文化は江戸で生まれ、参勤交代で日本全国に広まったといわれます。カシワの葉は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄(家系が途切れない)」という縁起をかついだ餅とされています。柏餅の葉は桜餅と違って、固くて美味しいものではないので、普通は食べないようです。

  「あやめ草足に結すばん草履の緒」 芭蕉の句です。奥の細道の旅の途中、芭蕉は俳人加右衛門より、草鞋(わらじ)二足などを貰います。草鞋は、あやめ草をわらじの緒に付けて旅の無事を祈るというもので、感謝の句のようです。

 ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.05.01(Mon) 16:14] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 百穀春雨 

2017年04月24日 ()
  4月20日は二十四節気の「穀雨」でした。春雨が百穀を潤すことから名づけられ、雨で潤った田畑は種まきの好期を迎えます。この時期に降る雨は、百穀を潤し、芽を出させる春雨として 「百穀春雨」といわれています。「清明になると雪が降らなくなり、穀雨になると霜が降りることもなくなる」という言葉があるように、霜の被害を受けることも少なくなります。穀雨が終わる頃には八十八夜(5月2日)を迎えます。

   今日の水彩画は、「木もれびの森の枝垂桜」です。この枝垂桜は森の中で最後に咲く桜です。木々の向こうから昇る朝陽が枝垂桜を照らすと、森の新緑を背に、満開になった花のひとつ一つが、流れ落ちる滝のように白く輝きます。
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  八十八夜は、八十八という文字が「米」という字になることから、農業に従事する人にとっては五穀豊穣を願う特別重要な日とされてきました。
 八十八夜に摘み取られるお茶は、古来より不老長寿の縁起物の新茶として珍重されていたようです。縁起の良さと気候条件も含めてこの時期のお茶は極上とされていますが、お茶の新芽には冬を越えて蓄えられた成分があふれていて、特有の若々しい香りがあるようです。一番茶(新茶)は二番茶以降のお茶よりも、うまみのもとであるテアニンなどの成分を豊富に含んでいるそうです。

  おとうさん、八十八夜!「八十八夜といえば、茶摘み!茶摘み娘が摘んだ新茶を呑みたいものだ!」「あなた!お茶にしましょう!」「番茶でも入れたては美味いねえ!」「そうですねえ 鬼も十八番茶も出花 とは、よく言ったものです!」「うんうん、お前も六十八ばあちゃんの出番 かあ!」「あなた、ちょっと違っていません?」「なに?よく聞こえない!耳が遠くなったなあ~」

  「夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る、あれに見えるは茶摘みぢやないか、あかねだすきにすげの笠・・・」と茶摘みの唱歌にあるように、今頃の野山の姿は本当に綺麗で、若葉が萌える中に山桜が点々と混じり、まさに山が笑っている風景です。最後の一節にある「茜の襷(たすき)」は茶摘みの装いですが、茜は止血剤として知られていて、素手の茶摘み作業では指先を傷つけることも多く、襷の茜の成分を擦り込みながら作業する、という先人の知恵が生かされているようです。

  「霜なくて曇る八十八夜かな」 正岡子規の俳句です。「八十八夜の別れ霜」「八十八夜の泣き霜」などといわれるように、遅霜が発生する時期でもあります。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.04.24(Mon) 10:03] 自然風景Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 虹始見 

2017年04月17日 ()
  今ごろは、七十二候では清明の末候の「虹始見(にじはじめてあらわる)」にあたり、春になって、雨の後に虹が出始める頃をいいます。
 今夜から春の嵐となる予報ですが、明日の雨上がりには虹が出るのでしょうか。春の虹は淡く、すぐに消えてしまいますが、萌える山野にかかる虹は幻想的です。

  今日の水彩画は、「大島桜」です。淡い紅色一色に染まるソメイヨシノの桜並木の中で、白い桜のオオシマザクラはひときわ目立ちます。新緑の若葉の間に咲く純白の花が、春の陽を浴びて、可憐に清らかに輝きます。
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  オオシマザクラは、大島の名の通り伊豆大島など伊豆諸島が原産とされています。花は春に、新葉が開き始めると同時に五弁の白い花が咲きます。葉はよい香りがあり、塩漬けにして桜餅を包むのに使われます。オオシマザクラの花言葉は、その純白の花から、純潔・精神美・優れた美人、です。
 今では、桜といえばソメイヨシノですが、ソメイヨシノはエドヒガンとこのオオシマザクラの人工交配種として、江戸の染井村の植木職人によって作られたとされています。

  おとうさん、花見酒?「この間の花見の酒が余っていたなあ?」「あら!そうですか?また花見ですか?それより畑仕事でしょ!」「だから、花見なのだ!そもそも、花見は、田植えの頃にサクラが咲くことから、田植え前に豊作を祈願した神事がお花見の起源なのだ!サクラの名前も、「サ」は「田神(さがみ)」のサで穀物の霊を表し、「クラ」は田の神の依りつく「座(クラ)」を意味しているのだ!だから、花見は畑作業の前の神事なのだよ!お酒だ!お神酒だ!」「そんな神事は信じられませんっ!」

  「虹」の漢字は、「虫」(へび)に「工」(つらぬく)です。中国では、虹を蛇や竜の一種と見なす言い伝えが多く、虹は蛇が空にアーチを架けているように見えるのでしょう。この虹蛇(にじへび)にちなむ伝説は、中国だけでなく、オーストラリアや北アメリカ、西アフリカにもあるようです。オーストラリアの場合は、虹はアボリジニが崇拝する虹の精霊と名付けられ、それらは雨を降らせる力がある巨大な蛇を意味するそうです。

  「初虹も わかば盛りや しなの山」 小林一茶の句です。妻子を病で亡くし、天涯孤独になってしまった一茶が、後妻を娶り新たな希望に輝きながら、故郷の春の虹の風景を見て詠んだ句といわれています。俳句の世界では、虹は夏の季語ですが、初虹や春の虹とすると春の季語になります。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.04.17(Mon) 20:38] 自然風景Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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