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リストマーク 霞始靆 

2018年02月24日 ()
  2月19日ごろから、二十四節気では「雨水」、空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころという季節です。暦便覧には「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」と記されています。実際には寒さや積雪が頂点となることから、この時季から寒さも峠を越え、いよいよ春が近づいてくることが感じられころなのです。昔から農作業の準備を始める目安とされてきました。

  今日の水彩画は、「春を告げる紅梅」です。まだ冷たい風が吹く林の中で、百花繚乱の春の始まりを告げるように、紅梅の花が咲いています。裸木ばかりの林の中で、ひとり派手な衣装をまとい、春の到来を告げながら舞っています。
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  紅梅の木の断面はピンクの淡い紅色をしていて、白梅の木の断面は白っぽい色をしているそうです。紅梅の実は小さくて固く、白梅の実のように食用にはなりませんが、美しい淡い紅色の幹は、器や家具などを作る木材として人気があるそうです。

  おとうさん、梅の花!「いよいよ春~、梅は咲いたか桜はまだかいな~♪」「あれは紅梅ですねえ~きれい」「あのな、花が紅色だから紅梅とは限らないの、木の幹の断面が紅色だと紅梅、白色だと白梅だ!花ではなく木の種類なのだ!だから、紅梅の木に白花、白梅の木に紅花が・・・」「あなた!またややこしいことばかり!赤なら紅梅、白なら白梅でいいじゃありませんか!」「だから、本質は中味だと・・」「開いてみないとわからないあなたのお腹の中みたい!」「・・・・・・」

  七十二候では、今頃は雨水の次候「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」です。春になると大気中に水滴や細かな塵が増え、また、霧やもやのために遠くの山や景色がぼやけて見えることがあります。また、煙や雲が上に上らずたなびいたように見えることもあり、こうした現象を古来より「霞(かすみ)」と呼んできました。
  近年、空気中に飛散するもののなかに杉花粉があり、花粉症の方には辛い時期になってきます。これは、PM2.5の様な微小粒子状物質には、物と物がくっつく力「分子間力」があるため、花粉などと結合して「悪玉花粉」になるのではないかといわれています。「春霞」は風情がありますが、花粉症による鼻水や涙は困ります。

  「春雨や いさよふ月の 海半」 与謝蕪村の句です。「いさよふ」はためらうという意味です。また、「海半」の読みは「うみなかば」です。春雨の雲間に、海面からためらうように月が顔を覗かせている、という絵のような情景が浮かんできます。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2018.02.24(Sat) 11:01] 自然風景Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 魚上氷 

2018年02月16日 ()
今ごろは、七十二候の「立春」の末候「魚上氷(うおこおりにのぼる)」にあたります。「魚上氷」とは、温かくなって水の中の魚が氷の間からでてくるという意味です。ぽかぽか陽気でいよいよ春が来たかと思えば、翌日は真冬の気温に逆戻り、気温変化が激しいこの頃ですが、それでも陽ざしが強くなっていることから、春が近づいていることが体感できます。

  今日の水彩画は、「深山に歩み寄る春の兆し」です。雪に閉じ込められた深山にも、ようやく春めいた陽光が注ぎます。雪の重みに耐えてきた木々は、ほっとしたように肩に積もった雪を振り落とします。枯れずに残った緑の葉がやがて来る萌の季節を予感させ、草木を元気づけます。
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  立春の七十二候は、初候が「東風解凍」、次候は「黄鶯睍睆」、そして末候は「魚上氷」で、春を告げるものばかりです。「東風解凍」は春を呼ぶ東風、「黄鶯睍睆」ではウグイスが春を告げ、「魚上氷」での春を告げる魚は「にしん」です。
春告げ鳥である「鶯(うぐいす)」は、「梅に鶯」と唄われるように、梅につきものですが、でも、梅の花に寄って来て蜜を吸うのは「うぐいす」ではなく「メジロ」です。それでは、「梅に鶯」とは・・・梅は春を待つ人々に咲きかけ、春告鳥とも言われるウグイスは春の訪れを歌い共に親しまれてきました。この二者を取り合わせることはこの上もなく春の訪れを盛り上げてくれます。取り合わせのよいもの、よく似合って調和しているもののたとえとして使われたことばなのです。
  
  おとうさん、春!「あなた!もう雪も融けたし、畑作業をしてくださいな!」「お~寒い!畑は凍っている!まだまだ炬燵で冬ごもり!」「なにを言っているんです!来週は雨水、昔から農作業の準備を始める目安です!」「畑に行くかぁ~」「あなた、熊に注意!あちらさんも冬ごもりから抜け出す頃ですよ!」「ひゃあ~、助けて!」

 古来より、日本人は、待ちわびていた春が来たことを、風や、鳥の鳴き声や魚で感じてきたのです。自然と共に生きていたからこそ、春の到来をいたるところから感じる感性が磨かれたのでしょう。

  「鶯の 覚束なくも 初音哉」 正岡子規の句です。覚束(おぼつか)なくも」とは、「たよりない、心もとない」という意味で、はじめて鳴く鶯ですから、頼りなさげに聞こえるのでしょう。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト

相模原市民ギャラリーで開催された個展は、盛況の内に無事終了いたしました。個展においでくださいました皆様、いろいろとご支援いただいた皆様に、心から御礼申し上げます。ありがとうございました。
来年も開催する予定です。 サム ヤマモト
[2018.02.16(Fri) 16:08] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 東風解凍 

2018年02月07日 ()
  今ごろは、七十二候の一つ目「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」です。春の兆しとなる暖かい東風(こち)が吹き始め、冬の間張りつめていた氷を少しずつ解かし始める頃という意味です。いよいよ春の暖かい足音が聞こえ始めてきました、と言いたいところですが、日本列島は数十年ぶりといわれる寒波に襲われ、福井県などの豪雪地帯では記録的な大雪が降り続き、幹線道路での大渋滞、除雪や雪下ろし作業の事故など、市民生活に重大な影響が出ています。雪国にとって春はまだ遠いようです。

  今日の水彩画は、「雪に埋もれた湯宿」です。先月の末に、白骨温泉に行ってきました。標高が1500mもある山奥の秘湯で、気温は-15℃近くまで下がります。凍てつく山間に朝陽がのぼると、雪に埋もれた温泉宿が浮かび上がります。山の木々を通り抜ける陽は、暖かな色で雪を照らし、まだ遠い春の色がのぞいているようです。
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  2月7日は今年の「初午(はつうま)」です。「初午」とは、2月の最初の午の日で、京都伏見稲荷大社に祀られている農業を司る神様の宇迦御霊(うかのみたま)が降臨した日とされています。初午祭には、初午詣(福詣)する参詣者が訪れ、五穀豊穣、商売繁盛を願います。江戸時代には、この日に子供が寺子屋へ入門したそうです。また「初午稲荷」といって、稲荷寿司をお供えにする風習もあったそうです。

  おとうさん、初午!「おや、また夕食は寿司かい?ついこの間、恵方巻とかいって巻きずしを食べなかったかい?」「今日は初午です。お稲荷さんをお供えするんです!」「稲荷寿司のお供え?ついでにお神酒も二、三本お供えしておくれ!」「お狐さんはお酒を呑みません!」「どうりで、お酒がコンコンと鳴いていらぁ~」

  いなり寿司は、江戸時代より庶民の食べ物として親しまれてきました。味も形も地方によって特色があり、形は関東では四角、関西では三角というふうに分かれており、四角は米俵を、三角はキツネの耳を表しているそうです。味も様々で、長野県の松本地方では、ご飯にからしをぬって詰めた「からしいなり」、岐阜県白河町では、コンニャクを詰めた「コンニャクいなり」が名物になっているそうです。

  「初午に無官の狐鳴きにけり」 小林一茶の句です。稲荷は正一位稲荷大明神という官位を持っていますが、その稲荷に仕える狐は無官です。無官の狐が初午の日に鳴いたという、一茶の洒落でしょう。狐は田の神様の使いとされ、田のお祭りは狐塚で営まれていたことから、狐塚が稲荷社の起源ではないかともいわれています。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト

いよいよ、個展の開催日が間近となりました。

サム ヤマモトの水彩画個展(第五回)「木々の光と影と命」
場所 相模原市民ギャラリー 第一展示室
    JR相模原駅ビル セレオ相模原4階
日時 2018年2月9日(金)~2月12日(月)
     10時~19時(初日11:00より、最終日16:00まで)
この一年間に本ブログに掲載した透明水彩画の原画50点余りを展示します。美しい日本の風景をお楽しみください。
入場は無料ですが、チャリティ募金を行っています。チャリティにご協力いただくと、お好きな絵のプリントやカレンダー、画集を差し上げます。
皆様のご来場をお待ちしております。

サム ヤマモト
[2018.02.07(Wed) 16:55] 食べ物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 立春 

2018年02月02日 ()
  2月4日は二十四節気の始まり、「立春」です。冬が極まり春の気配が立ち始める日です。暦便覧には「春の気立つを以って也」と記されています。この日から立夏の前日までが春となります。南の地方では梅が咲き始めますが、東日本や北日本では、この頃に大寒波や暴風雪などの荒れた天候となることが多いといわれます。

  今日の水彩画は、「朝陽の当たる雪原」です。氷点下十数度にもなる雪原の朝、山の向こうに陽が昇ると、暖かそうな光が雪原を照らします。早朝に水を汲みに来たのでしょうか、雪原を横切る足跡は、まるで朝陽が残したもののようです。
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  立春は暦の始まりの日で、八十八夜、二百十日などの雑節の起算日となっています。桜の開花時期も、立春からの気温の積算で推定できるようです。
  秋にできた桜の花のつぼみは一度休眠します。この休眠から目覚めるきっかけは、その年の最低気温なので、だいたい立春の頃なのです。その後は暖かい日が続くことで桜が春を感じて開花に向かいます。目安としては、立春からの日々の最高気温の積算が540℃くらいに達したときです。暖かい日が続けば早まるし、2月、3月に雪が降るほど寒い日が続けば開花は遅くなります。

  おとうさん、立春!「おお寒い!立春とはいえ今頃が一番寒い!布団から抜け出せない!」「おなた、早く起きてくださいな!朝ご飯ですよ!」「もう少し眠らせておくれ!桜の蕾は一度休眠してから開花するそうじゃないか!」「あなたはもう枯木のようですから、休眠しても花は咲かないのでは?」「枯木に花の花咲じじい、だっているだろう!」「はいはい、花咲じじいの灰ですか?お線香を焚いときます!」「・・・・・」

  東京の桜の開花は靖国神社にある標準木の3本のソメイヨシノのうち2本に5、6輪の花が咲くと開花となります。これまでの記録では、東京の平年の開花日は3月26日だそうで、日々の気温の上下を加味すると一週間ほど前後するようです。開花から満開までが一週間、満開から花が散るまでが一週間、さて花の見頃を立春の今から予測するのは至難の業のようです。

  「関守の火鉢小さき余寒かな」 蕪村の句です。「余寒」 とは春の季語で、立春を過ぎても尚残っている寒さのこと、「関守」 は関所を守る役人で、寒村での勤務の侘しさと身にしみる寒さが漂っている句です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト

ここで、個展開催のお知らせです。

サム ヤマモトの水彩画個展(第五回)「木々の光と影と命」
場所 相模原市民ギャラリー 第一展示室
    JR相模原駅ビル セレオ相模原4階
日時 2018年2月9日(金)~2月12日(月)
     10時~19時(初日11:00より、最終日16:00まで)
この一年間に本ブログに掲載した透明水彩画の原画50点余りを展示します。
原画の美しさをご覧ください。
入場は無料ですが、チャリティ募金を行っています。チャリティにご協力いただくと、お好きな絵のプリントやカレンダーを差し上げています。
皆様のご来場をお待ちしております。

サム ヤマモト

[2018.02.02(Fri) 20:27] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 水沢腹堅 

2018年01月29日 ()
  七十二候では、29日ころまでが「水沢腹堅(さわみず こおりつめる)」です。大寒の真ん中にあたるこの時期は、沢を流れる水も凍るほど寒いころという意味です。今年もまさにこの時期、寒波が襲い、首都圏でも4年ぶりの大雪となりました。
  また、インフルエンザが大流行しています。例年の流行パターンでは1月頃まではA型が流行り、2月に入るとB型が流行り出すそうですが、なんでも今年は1月にA型とB型が同時に流行っているようです。栄養と休養を十分に取り、ストレスを溜めない生活をして、風邪にかからないようにしましょう。

  今日の水彩画は、「木もれびの森の雪景色」です。相模原でも25センチ程の雪が積もりました。木もれびの森の広場も雪で埋まり、細かい枝にも雪を乗せて、白い衣装を纏った枝垂桜が、白鷲の舞を舞っているように、陽に白く浮かび上がります。
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  漢字学者の阿辻先生によると、「雪」という漢字は「雨」の下に鳥の羽を描いており、凍った水滴が鳥の羽のように空から舞い落ちる様をかたどった象形文字として、甲骨文字にも登場するそうです。童謡に「・・・犬は喜び庭駆け回る・・」とあるように、雪には生きものを喜ばせる美しさがあるようです。とはいっても、数メートルもの雪に覆われる雪国の人や、たまに降る雪に悩まされる都会人にとっては、美しいどころではないかも知れません。

  おとうさん、大雪!「お~!積もったなあア!」「あなた、道の雪かきしてくださいな!」「今日は晴れだ!お天道様が溶かしてくれる!」「あなた!両隣の方々が出て、雪かきしていますよ!」「しかたがない!雪かき、雪かき・・・・」「あなた、お疲れ様です!あらっ!汗びっしょり!」「雪かき、汗かき、雪かき、汗かきだア」「熱いシャワーで汗を流し、ビールでも飲んでは・・・」「えっ!これじゃ、また大雪が降りそうだア~」

  「箱根こす 人もあるらし けさの雪」とは、松尾芭蕉の句です。「今朝のこの雪の中を、箱根を難渋しながら越えている人もいるというのに、わたしは温かいもてなしを受けている」という意味ですが、この句が箱根山に近い小田原などで詠われたと、誰もが思うところですが、なんと、芭蕉はこの句を名古屋で詠んでいたのです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト

ここで、個展開催のお知らせです。

サム ヤマモトの水彩画個展(第五回)「木々の光と影と命」
場所 相模原市民ギャラリー 第一展示室
    JR相模原駅ビル セレオ相模原4階
日時 2018年2月9日(金)~2月12日(月)
     10時~19時(初日11:00より、最終日16:00まで)
この一年間に本ブログに掲載した透明水彩画の原画50点余りを展示します。
原画の美しさをご覧ください。
入場は無料ですが、チャリティ募金を行っています。チャリティにご協力いただくと、お好きな絵のプリントやカレンダーを差し上げています。
皆様のご来場をお待ちしております。

サム ヤマモト
[2018.01.29(Mon) 17:06] 自然風景Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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