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リストマーク 大雪 

2017年12月08日 ()
   12月7日は二十四節気の大雪(たいせつ)。寒さが強まり、山だけではなく、平地でも雪が降り積もるころです。今年は冬の訪れが早く、すでに、北日本を中心にこの時期としてはたくさんの雪が降り積もっています。暦便覧では「雪いよいよ降り重ねる折からなれば也」と記されています。

  今日の水彩画は、「石垣のある晩秋の川辺」です。前回に続いて、香嵐渓の紅葉です。晩秋の陽を浴びて、川辺の石垣が白く光り、石垣の上のモミジを輝かせます。ザワザワと流れる川の水が澱むと、木々が秋の装いを水面に映してみせます。
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  七十二候では大雪の初候にあたり、「閉塞成冬(そら さむく ふゆとなる)」すなわち、天地の気が塞がって冬となることを意味します。本格的な冬を迎えて、鰤(ブリ)などの冬の魚が登場したり、南天の実が赤く色付いたりし、一方で熊などの動物は長い冬眠に入ります。
 雪を降らす代表的な気圧配置は、シベリアに高気圧、北海道東方海上やアリューシャン方面に低気圧がある西高東低の気圧配置です。シベリアの高気圧は地表面が冷やされてできたもので、この高気圧から低気圧に向かって北西の季節風が吹き込みます。季節風が強く吹くときは、日本海側は雪、太平洋側は晴れて乾燥することが多くなるのです。

  おとうさん、大雪!「もう大雪(たいせつ)だあ!今日は平野部でも雪が降るかも!」「あなた、畑の大根が凍らないように埋めてくださいな!」「おいおい、こんな日に畑仕事したら凍ってしまうよ!」「あなたはまだ凍りませんよ!それより大根が!」「大根のほうが大切(たいせつ)か?」「ですから大雪(たいせつ)ですから大根を・・」

  三好達治の「測量船」に「雪」という詞があります・・・・「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪降りつむ、次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪降りつむ」・・・雪は深く、人は雪の下に埋もれて暮らしていて、その家に横たわって深く眠っています、物音をものみな吸い取って雪は なお降りつもっています。太郎と次郎を眠らせているのは お母さんではなく、静かに積もる雪なのです。
 
  「是がまあつひの栖か雪五尺」とは小林一茶の俳句です。長い間継母と争い、最後に自分の終いの住み家となった家が、雪に埋もれているのを見て詠んだ句です。雪五尺(およそ1.5m)は、一茶の郷里の奥信濃では当たり前の雪の量です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.12.08(Fri) 16:00] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 地始めて凍る 

2017年11月16日 ()
  11月12日から、七十二候では地始凍(ちはじめてこおる)になります。大地が凍り始める頃という意味で、霜が降りたり、霜柱が立ったり、水たまりに氷が張ったりし始めます。「凍る」とは水が氷になることですが、日本人は古来よりもっと広い意味で使っていて、空気が凍る、月が凍る、鐘が凍る、田が凍る、夜が凍る、山が凍る、などと、なんでも凍らせてしまいました。聞いているだけで凍てついてしまいそうです。

   今日の水彩画は、「谷川を彩る秋」です。朝夕の冷え込みが厳しくなってきた里山に、紅葉が訪れました。谷間に溢れんばかりの秋の陽が差し、山の斜面を彩る紅葉を照らし出します。赤、黄、オレンジの彩りを映した谷川が、美しい秋を川面に浮かべ流れ下ります。
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   晴耕雨読とは、「晴れた日は畑を耕し、雨の日は家で読書する」ことですが、私の場合は、雨の日には絵を描きますから、晴耕雨描となります。先日、漢字学者の阿辻哲次さんの連載記事(日経新聞、遊遊漢字学)を読んでいると、この「藝術」と「畑の耕作」という言葉に繋がりがあることが分かり、大変うれしくなりました。
 記事によると、もともと「藝」という漢字は、「草の苗を地面に植える」ことを意味することから、人の心の中に豊かに実り、大きな収穫を得させてくれるものが「藝」だったのです。「藝」の代表的なものは学問でしたが、近代中国に西洋の「art」という言葉が入り、その訳語に「藝」が使われ、「藝術」や「工藝」という言葉が生まれたそうです。
   
   おとうさん、大地が凍る!「寒いわけだ、地始めて凍る という季節だ!」「あなた、凍らないうちに里芋を掘り上げてくださいな!」「歳時記は凍るというけれど、まだまだ凍りやしない!」「でも、早くも冬将軍が到来と言っていましたよ!」「今週が一番寒く、12月になると暖かくなるようだから、もう少し暖かくなってから・・・」「・・・・・」

   天気予報では、今週末から月曜日にかけて、真冬並みの寒波に覆われるということで、土曜の雨の後、北風が強まって、急に寒くなるようです。東京の日曜の予想最高気温は12度と、ひと月先の寒さになるらしく、昼間でも、冬のコートが必要になりそうです。暖房器具や暖かい布団を準備するなど、寒さへの備えはお早めに。

  「わが家の一つ手拭氷りけり」 小林一茶の句です。風呂上がりの手ぬぐいが、瞬く間に凍り付いて棒のようになってしまう寒さは、子供の頃の北海道でしばしば経験しました。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.11.16(Thu) 21:11] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 霎時施 

2017年10月28日 ()
 今年も早いもので、七十二候も五十三番目の「霎時施(こさめ ときどきふる)」となりました。一雨ごとに気温が下がり冬に近づくころなのです。「一雨一度(ひとあめいちど)」という言葉がありますが、秋は雨が降るごとに気温が1度下がるという意味です。今年の秋は季節外れの暑さ寒さや長雨と、気温の変化が激しいように感じましたが、それでも長い間で見ると「一雨一度」となっているのでしょう。

  今日の水彩画は、「佐渡の紅葉」です。10月中旬に訪れた佐渡は、里の紅葉はまだまだでしたが、山道を登ると、ダケカンバの葉が黄色く、ナナカマドの実や葉が赤く色づき、秋の彩りに包まれていました。
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  いつも登場する「七十二候」は、もともと中国華北地方で作られたものですが、実際に用いるには季節の違いがあるため、日本の風土にあわせて幾度か変更されてきました。たとえば「霎時施」でいえば、中国の暦に近い宣明歴では「草木黄落(そうもくこうらくす)」でしたが、江戸時代に「蔦楓紅葉(つたもみじこうようす)」と改正され、さらに「霎時施(しぐれときどきほどこす)」に、そして、明治期の略本歴では「霎時施(こさめときどきふる)」と変わり、今に伝わっているようです。

  おとうさん、また雨!「えっ!昨日晴れたと思ったら今日はまた雨か!女心と秋の空とはよく言ったものだ!」「あなた、晴れたと思ったら時雨になり、一雨ごとに冬が近づくのですよ!雨の合間を見て畑仕事をしてくださいな!」「・・・そんな冷たいこと・・・女心と秋の時雨かあ・・、ここ掘れワンワン、サツマイモ掘り、鼻かぜ爺・・・」

  「霎」の字は、「しぐれ」とも「こさめ」とも読まれ、辞書には「小雨」「ひとしきり、しばらく」とあり、「霎々(しょうしょう)」とは雨の音または風の音、「霎時(しょうじ)」とは、少しの間、短い時間という意味合いとありました。
 昔の人は秋の雨を「木の葉時雨」と名付けました。冷たい雨に打たれる落ち葉に、移ろう命の儚さと虚しさを見たのでしょうか。夏の終わりに命を閉じる蝉の声を「蝉時雨」と呼んだのにも、やがて来る別れの哀しさが、時が移ろう中で今現在のかけがえのなさを教えてくれる・・・、心時雨る、時雨、冬の報せがまた降ってきました。

  「旅人と我名(わがな)呼ばれん初時雨」とは松尾芭蕉の句です。「初時雨の降る季節となった、私は今日、その時雨にぬれながら旅立ちをし、旅人と呼ばれる境涯に身を置こう」 芭蕉が帰郷を思い立ち、その旅立ちに際して詠んだものです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2017.10.28(Sat) 20:06] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 寒露 

2017年10月10日 ()
  10月8日頃から二十四節気の「寒露」となります。寒露とは、晩夏から初秋にかけて野草に宿る冷たい露のことです。暦便覧には「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」と記されています。本格的な秋の始まりとなり、五穀の収穫もたけなわ、農作業が超多忙となります。大気の状態が安定し、空気が澄んだ秋晴れの日が多くなり、見上げてみると、秋の清々しさを感じる空に出会えるでしょう。

  今日の水彩画は、「太古の地球を語る岩壁」です。数億年前の岩石が30キロメートルの深さから隆起し、川の水で浸食されてできた岩壁です。赤色、緑色、白色と、岩石の成分の差で様々な色が浮かび、ひと足先に秋を彩るかのようです。澄んだ水面に映る荒々しい岩の表情には、数億年の地球の歴史が刻み込まれています。
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  ツバメと入れ違いに雁が北から渡ってくる頃です。雁は日本で冬を過ごし、暖かい春になると北国へ帰っていきます。毎年、初めに訪れる雁を「初雁(はつかり)」と呼びます。七十二候では寒露の初候に「鴻雁来る(こうがんきたる)」とあります。10月の声を聞くころにやって来て湖畔に群れているのですが、カギ状やサオ状になって飛ぶことから「雁の列(つら)」「雁の棹(さお)」「雁行(がんこう)」、昼間に飛び、夜間は水上に降りてくる様子を「落雁(らくがん)」と、俳句の季語としても多く詠われます。

  おとうさん、収穫の秋!「秋だねえ!新米、新蕎麦が旨い時期だねえ!秋の新蕎麦が一番うまいのだ!」「あら、あなた!新蕎麦の多くは夏に出回るそうですよ!」「昔の冷蔵が出来ない時代、暑い夏には蕎麦は風味も失せ、つながりも悪くなるのだ!だから江戸っ子は秋の新蕎麦を首を長くして待っていたのさ!」「あらそうなのですか!うちにはありませんから、そこいらのお蕎麦屋さんで食べてくださいな!」「えっ!うぅ・・やはり、おまえのそばがいい・・」「よく聞こえませんが・・・」

  収穫前の作物に寒露がつき、畑が朝霧に包まれる様子もまた、秋ならではの美しさです。日本の味覚は、目でも楽しむと言いますが、風景としての味覚も味わえるのが日本の秋です。我が家の畑でも、里芋やゴボウ、生姜が収穫を待っていて、夏の終わりに植えた秋野菜がすくすくと育ち、美しい里山の風景を創り出しています。

  「けふからは日本の雁ぞ楽に寝よ」とは小林一茶の句です。北国から渡ってきた雁に、ご苦労様でした、次の春までゆっくり羽を休めてください・・・、という一茶の優しい心が伝わってきます。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.10.10(Tue) 16:22] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 秋彼岸 

2017年09月23日 ()
  9月23日は二十四節気の秋分で、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。暦便覧では「陰陽の中分なれば也」と記されています。この日を境に日が短くなっていき、秋の夜長に向かいます。「暑さ寒さも彼岸まで」といわれますが、陽が射す時間が短くなるので、暑さも和らいでいくわけです。今日は朝から雨模様の天気で、一段と涼しく感じられ、室内でも長袖を着ています。

  今日の水彩画は、「初秋の長瀞」です。真夏の喧騒も終わり静まり返った初秋の長瀞で、朝一番の船に乗りライン下りを楽しみました。ゆったりとした流れ(瀞)が、突然、大岩に向かって流れ込む急流に変わります。川面に秋の空の青さが映り、白い岩肌が水面に反射してキラキラと輝きます。秋の紅葉にはまだ早く、渓谷の緑が静かな流れに沈み込みます。
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  23日はお彼岸の中日でもあります。太陽が真東から昇って真西に沈む秋分は、西にある彼岸(西方浄土の世界)と東にある此岸(現世)がもっとも通じやすくなると考え、先祖供養をするようになったようです。つまりご先祖様をお迎えするのではなく、こちらから近づいていって、供養をするのが彼岸会なのです。お盆と違って彼岸会は、インドや中国にはない日本独特の行事のようです。
 「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉は、自然に寄り添う人々の暮らしの中で、暑さ寒さやそれに伴う様々なつらさも、彼岸のころには和らいで楽になりますよ、と励ます意味があったのでしょう。春彼岸は種まきの季節でその年の豊穣を祈る気持ちがつよく、秋彼岸は収穫に感謝する気持ちがこめられています。

  おとうさん、お彼岸!「暑さ寒さも彼岸まで・・かあ、今日は肌寒いねえ~。そろそろ、炬燵に入って熱燗で一杯という季節かな?」「あなた、早すぎますよ!お彼岸を過ぎると、暑さが和らぐという意味です!年寄りは暑さ寒さが感じにくくなるそうですよ!」「そりゃそうだ!歳とって彼岸(西方浄土)まで行ってしまえば、暑さ寒さを感じなくなるさ!だから暑さ寒さも彼岸まで、っていうのかな?」「・・・あなた大丈夫?」

  「まんじゆさげ蘭に類ひて狐啼く」とは蕪村の俳句ですが、江戸時代までは曼殊沙華(彼岸花)は俳句で詠まれることはあまりなかったようで、蕪村もこのようによそよそしく詠んだだけでした。曼珠沙華は、彼岸花と和名がついたように、秋の彼岸のころに真っ赤に群がって咲いています。そうして彼岸が過ぎると、消えたようにぱったりと花を終わらせてしまう不思議な花です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム・ヤマモト
[2017.09.23(Sat) 14:45] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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