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2012年07月28日 ()
自然科学 * 学問・文化・芸術
 相模川の小倉橋付近を散策する際にいつも立ち寄る小さなお社があります。境内にあるスダジイの巨木に会いに行くのです。このスダジイ、幹の周り7m、木の高さ25m、樹齢600年(推定)、もちろん小倉諏訪神社のご神木です。この大きな古木の根元に立って上を見上げると、まだまだ元気だぞと言わんばかりに大きな枝を腕のように拡げ、小枝には無数の葉をつけ差し込む陽を遮るように空を覆い尽くしています。じーっと耳を澄ますと、古木が昔話を語りだしたように葉擦れの音が聞こえます。
 スダジイは常緑の高木で広葉樹を代表するような木です。いわゆる椎(しい)の木で、その実は「シイの実」そのままでも食べられる唯一のドングリです。

 シイの実は太古から動物が競って食べた木の実だったようで、人やイノシシ、リスやネズミ、狸に鳥などが群がり、地に落ちてからあっと言う間にそれぞれの胃袋に収まってしまうほどでした。縄文時代の遺構からも実の殻が発見されており、狩猟採集時代の人々にとっては貴重な食料だったようです。神社などには昔からスダジイが植えられていますが、太古からその果実で命を支えてきた木であり、飢饉の時には飢えた人々の命を救う木、まさにご神木だったのでしょう。

 おとうさん!ドングリって食べたことがある?「ないね、子供のころはシイの実なんてなかった」そうか、おとうさんは北国育ちだからスダジイに出会っていないんだね。北限は新潟かな。スダジイの実はアク抜きなしでそのまま食べられ、茹でると栗のよう、炒ると香ばしいそうですよ。「須田の爺だって、知らねえな、そんなジジイ」じゃなくてスダジイですよ。「そういえば、横丁の角に“椎の木”っていう呑み屋が出来たねえ、女将が若くてきれいだっていうじゃねえか」・・・おとうさん、スダジイ以外の実はアクが強くて・・・拾って食べちゃいけませんよ。まったく・・・・もう。

 小倉の諏訪神社のスダジイは樹齢600年といいますから、応仁の乱のころに芽が出たことになります。木の寿命は種類によってさまざまですが、今生きている木の中で一番の長寿は、アメリカのジャイアント・セコイヤで4000年くらい、屋久島にも3000年を超える古代杉があります。昔は相模野にも巨木が生い茂っていたことでしょう。戦火で失った城や神社仏閣、家屋敷を建てるために木が伐り倒され、近代になると縦横に道路を通し、街づくりに邪魔な大木が伐り倒されていったのでしょう。
 数百年から数千年の寿命を持つ樹木こそ、本当の地球の主なのかもしれません。そんな樹木の葉擦れの音や古木の軋みに耳を傾け、大きな樹幹を見上げていると、樹木の命の息遣いが感じられます。そんな木々の命を絵に描いてみたくなるものです。今週の絵は、もちろん小倉諏訪神社のスダジイの雄姿。また次回 サムヤマモト
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[2012.07.28(Sat) 15:57] 未分類Trackback(0) | Comments(0)
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