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2013年08月30日 ()
 子供達の夏休みも終わりに近づき、宿題を片づけるのに親子でねじり鉢巻き、こんな光景はもう無いですかね。九月に入ると二十四節気の「白露(はくろ)」(9月7日)です。夜が冷え込み朝には草花に露が宿る季節が「白露」なのでしょう。
 今日の水彩画は、「尾瀬三平峠のブナ林」です。峠へのきつい登り坂は、美しいブナ林によって癒されます。深い谷から昇ってくる風が木々の葉を揺らし、雨露を振り落します。幹を伝って流れ落ちる雨に洗われたブナの樹肌が、美しく輝きます。
13-08-29.jpg
 
 ブナの樹肌の美しい模様は地衣類が着生し飾り付けたものです。この地衣類は藻とカビの共生体だそうです。この藻とカビの共生(お互いに助け合い利益を受けて生きる)は実にうまくできた関係です。藻は水が無ければ生きていけません。そこでカビは菌糸で藻を覆って水分を保持します。ブナの幹は年間を通して日当たりが良いので、水さえあれば藻はせっせと光合成をおこなって養分を作ります。カビはこの養分を分けてもらって生きている、という訳なのです。ブナも単に地衣類で美しく着飾るだけでなく、直射日光や乾燥、風雨から樹肌を守ってもらっているのです。

 おとうさん!自然を歩いていると、いろいろ学ぶことが多いですね。「なるほど、共生ね!”双方が利益を受ける共生を相利共生という”かあ。俺とかみさんの山歩きだな、共に助け合い・・共に歩く・・」「あなた早く!あなたは私にくっついて歩いているだけです!」「なあ~るほど、つまり”寄生という共生”かあ・・・」 大丈夫ですか?「暑くて頭がもうろうとしてきた!おお~い、待ってくれ~!」頑張って・・おとうさん!

 ブナ林は森の生態系の最終ランナーといわれています。つまり、火災や噴火のあとの裸の地面には、風などによって運ばれた種から草原が出来上がります。日当たりのよい草原には、シラカバのような極陽樹といわれる樹木が真っ先に生えます。シラカバは成長が早く、根から土中の養分を吸い上げて光合成を行い、秋に落葉して腐葉土を作り、他の樹木が生きられる環境を作ります。シラカバの子は親木の日陰では育ちにくく、シラカバの林は朽ちてしまいます。枯れ木や落ち葉の腐葉土に次に生える樹木は陽樹と呼ばれる、コナラ、クリ、カエデなどで、自分の林で子が育ち、数世代にわたって繁栄します。陽樹が生い茂るとさすがに森の中が暗くなって陽が射さなくなり、子が育たなくなります。そこで育つのは陰樹と呼ばれる日陰でも育つブナの樹種です。こうして数千年を経て、ブナだけの原生林が出来上がるのです。つまり陽から陰へ、長い年月をかけて命を繋ぐ森の木々の物語ですね。
 ちなみに、私の水彩画のテーマは「木々の光と影と命」。ブナ林と似ています?

 では、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2013.08.30(Fri) 15:15] 植物Trackback(0) | Comments(0)
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