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2012年07月07日 ()
木々の緑が色濃くなってきました。つい先ごろまでは若葉がさわやかに茂っていましたが、今や暴力的とも思える程の緑が密集しています。雨が木々を潤し緑の葉が木を覆い、下草も勢いよく背丈を伸ばし、まるで熱帯雨林といった姿の森です。早朝、森に足を踏み入れると、木々の隙間から差し込む朝日が森をまだらに照らし出し、湿り気を帯びた大気の中に光の帯が浮かび上がります。
 このような森を水彩で描くときは、サップグリーンという緑色をよく使います。木々や草花を描くのに欠かせない基本の色で、サップグリーンを制すれば緑を制す、と言われるほど美しく澄んだ緑色です。薄め具合によって明るい薄緑から濃い緑までさまざまな緑が表現でき、他の色との相性も良く混色により奥深い光と影が表せます。
昔はクロウメモドキの熟した実を絞ってこの緑色を作ったことから、サップ(樹液の意)グリーンと呼ばれました(今の絵の具は化学合成顔料です)。深い森の奥の影を描き出すには、サップグリーンにウルトラマリンディープなどを混ぜたりします。
このウルトラマリンディープなどの青色は、空や海の青を表すのに使われるとともに、いろいろな色と混色され影を描くのにも使われます。昔、このウルトラマリンブルーはラピスラズリという鉱石を砕いてつくられました。今でも装飾品などに珍重されるラピスラズリから、濁りのない青色の顔料はたった3%程度しかとれなかったといわれ、金以上に高価なものでした。当時、ラピスラズリはアフガニスタンでしか産出されず、はるかな海を渡ってヴェネチアなどに届いたことから、ウルトラマリン(ラテン語で海のかなたの意)ブルーと名付けられました。フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」のブルーのターバンにもラピスラズリがふんだんに使われています。フェルメール・ブルーといわれるほど、高価なラピスラズリをたくさん使ったフルメールはそのために破産しかけた、とさえいわれています。私が使うウルトラマリンブルーは安い合成顔料です。

 「天然ものは高いね」 おや?おとうさん。わかりますか?「当たり前だな、養殖ものは安いがまずいね!」なあ~んだ、魚の話?「だけど、あそこの呑み屋の女将さん、ちょっと天然だけどきれいじゃねえ~か。え~、純だね、明るいよな!」。なんの話に飛ぶやら、天然がちがうでしょう。でも明るさも美しさも影があるから、暗い部分があるから際立つのですよ。おとうさん!「そりゃあ解るさ、この歳になれば、嫌ってほど影を見つめてきたもんだ、♪影を慕いて・・・・」ほんとうに解っているのかなあ・・・

朝の森に差し込む陽の光を描くには、混色で作り上げた暗い緑が主役になります。自然界では光が影を作りますが絵の世界では影が光を作るのです。この世の中も人生も光と影があります。つらい暗い時こそ明るい希望の光が見えます。暗い中から明るい未来に一歩踏み出す勇気が幸せを生み出します。私の水彩画も光と影が命題です。今週も「木もれびの森」の「光と影」の絵を掲載します。ではまた次回・・・
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[2012.07.07(Sat) 11:00] 未分類Trackback(0) | Comments(0)
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