FC2ブログ
TOP > 蒙霧升降
 ← 処暑 | TOP | 寒蝉鳴

リストマーク 蒙霧升降 

2018年08月19日 ()
  危険な酷暑が続いた今年の夏ですが、ここ数日はからっとして涼しい日となり、秋を思わせる気配です。七十二候では「蒙霧升降(ふかききり まとう)」を迎え、霧が発生しやすい時候となりました。朝や夕に立ちこめる霧、あたりを覆いつくす霧に包まれると、夏が終わり秋の訪れを感じ、少し寂しくなってきます。

  今日の水彩画は、「夏の白馬五竜岳」です。夏の陽に暑く照らされる山の木々が、遠くの頂近くに残る雪渓をうらやむように眺めています。それでも時折、頂から流れてくる涼風に出会うと、うれしそうに葉を揺らせています。
18-08-19.jpg

  放射冷却が起こりやすい時期に発生する「霧」は、春は「霞(かすみ)」、夏は「夏霧」と呼ばれ、「霧」は秋の季語になります。山や森の中での霧は、幻想的な風景を創り出しますが、濃い霧になると方角や道を覆い隠すこともあります。濃霧の中での海難事故や航空機事故は、レーダーなどの機器が発達した今でも多く発生しています。

  視界を遮り、覆い隠す霧は、古来より人を不安な気持ちにさせるものでした。霧という文字を含むいろいろな言葉やことわざがそれを表しています。たとえば、四字熟語では、「雲合霧集(うんごうむしゅう)たくさんのものが一時的にあつまること」、「雲散霧消(うんさんむしょう)すべて跡形もなく消えてなくなること」、「雲集霧散(うんしゅうむさん)たくさんのものが集まったり散ったりすること」、「疑雲猜霧(ぎうんさいむ)人々の疑惑や嫉妬が、雲や霧がかかっているかのように晴れないこと」、「黄霧四塞(こうむしそく)世界が乱れる前兆で、黄色い霧が辺り一面に満ちること」、「五里霧中(ごりむちゅう)物事の様子が全くわからず、どうしていいか迷うこと」、「呑雲吐霧(どんうんとむ)雲を飲み込んで霧を吐き出すことで、食べ物を食べずに気を養うこと」

  おとうさん、畑に霧が!「あなた、畑で収穫お願いします!」「はい、でも五里霧中でよく見えませんが・・」「あなた、これだけですか?ほんとうに畑に行ったのですか?」「これを疑雲猜霧という・・・」「これではすぐに無くなります!」「これを雲散霧消という・・」「あなた!これでは夕食になりません!」「では呑雲吐霧といきますか・・・」

  「湯の名残幾度見るや霧のもと」とは芭蕉の句です。長らく滞在した山中温泉を後に旅立つ際に詠んだ句で、出で湯の人々と別れて旅立つが、名残は尽きず、立ち込めた霧の下に佇み見送る人々を幾度も振り返って見ずにはいられない・・・という湯の暖かさの名残と霧のなかに漂う寂しさが感じられます。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2018.08.19(Sun) 17:55] 気象現象Trackback(0) | Comments(0)
↑TOPへ


 ← 処暑 | TOP | 寒蝉鳴

COMMENT

COMMENT POST















管理者にだけ表示

Trackback

この記事のURL:
http://samwatercolor.blog.fc2.com/tb.php/299-e5c73c75
 ← 処暑 | TOP | 寒蝉鳴

カウンター

カレンダー

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

QRコード