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2017年08月11日 ()
  蝉の声がまだ盛んな立秋ですが、七十二候では次侯の「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」にあたり、暦の上ではもう秋なのにヒグラシの鳴き声がよく響く時候なのです。「寒蝉」は蜩(ひぐらし)のことで、早朝や日暮れに「カナカナカナ」となくことから、カナカナ蝉と呼ぶ人もいます。

  今日の水彩画は、「陽差しに焼かれる盛夏の川」です。河原の石や草木の葉、涼しげな流れさえも、容赦なく照り付ける夏の陽に焼かれています。川の中のいきものたちも、日陰の淀みでひっそりと涼を取り、秋の到来を待ちます。
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  蜩は暑さや強い日差しに弱く、涼しい早朝や夕暮れに鳴くことから「日暮し」と呼ばれるようになったのでしょう。どこか物悲しげな鳴き声は、秋への季節の移ろいを感じさせます。俳句の世界では、蝉(せみ)は夏の季語、しかし蜩(ひぐらし)は秋の季語で、昔から、蜩の鳴き声には秋を感じさせるものがあったのでしょう。
  芭蕉の「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」は、あまりにも有名な俳句ですが、静まりかえっている山寺に、ただ蝉の鳴声だけが、一枚岩にしみ透るように聞こえる・・。蝉がうるさく鳴いているのに、静かな情景が浮かぶ句です。蝉が大きな声で鳴くのは、子孫を残すためで、生きた証を示す鳴き声のようです。「蝉の一生の大部分は、土の中で安らかに過ごす七年間で、地上に出る七日間は、子孫を残すための最後の大事業」なのです。そんな見方で蝉の声を聞くと、「がんばれよ!」って、いいたくなります。

  おとうさん、蝉時雨!「蝉時雨ねえ!言葉は美しいが音がうるさくて昼寝もままならぬ!」「あなた、昼寝ですか?畑の草刈りをしてくださいな!蝉だって頑張って鳴いていますよ!」「蝉はなあ~七年間も土の中で休んでいたのだ!最後ぐらい元気になるわ!」「あなただってゴロゴロしてばかり!さあ~爺がんばって!」「はいはい、爺爺(ジイジイ)と鳴いて、まるでアブラゼミだ!」

  ファーブル昆虫記によると、昔から「蝉は耳が聞こえない」といわれていました。実証好きのファーブル先生は、蝉がたくさん止まって鳴いている大木の傍で大砲を放ちましたが、蝉たちは素知らぬ顔で鳴き続けたそうです。実は、蝉に耳がないわけではなく、仲間の声の周波数帯だけを聞き取る耳を持っているそうです。

  「蜩のおどろき啼くや朝ぼらけ」とは与謝蕪村の俳句です。明け方の涼しい間にひと眠り、と思ったとたんの蜩の声、「まったくっ!」とつぶやきが聞こえるようです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.08.11(Fri) 16:44] 動物Trackback(0) | Comments(0)
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