TOP > 啓蟄
 ← 菜虫化蝶 | TOP | 草木萠動

リストマーク 啓蟄 

2017年03月10日 ()
  3月5日は二十四節気の「啓蟄」にあたり、大地が温まり冬眠をしていた虫が穴から出てくるころです。暦便覧には「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されています。啓は「ひらく」、蟄は「土中に籠っている虫」の意味です。まだまだ朝夕は寒いですが、一雨ごとに気温が上がり、日差しも暖かくなってきます。野菜屋の店先に山菜が出回る時期で、我が野菜畑のわきにもフキノトウが顔を出し、早速苦みのある春を味わっています。

  今日の水彩画は、「朝陽を浴びる椿」です。まだ凍える寒さの森の朝、朝陽が昇り椿の木の先を照らし出します。椿の花と緑の葉たちは、温もりを待ちかねたように、春の陽ざしに顔を輝かせます。
17-03-10.jpg

  啓蟄の時期の七十二候の初候には「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」とあります。戸をひらくという表現は、冬眠から目覚め顔を覗かせる虫の表情が伺えるようで、春の嬉しさがあらわれています。実際に虫が活動を始めるのは、一日の平均気温が10℃を超えるようになってからで、首都圏では3月下旬ごろになるようです。

  おとうさん、啓蟄です!「春だねえ!春の陽気に誘われて、虫が這い出てくるころだ!」「あなた~!虫でさえ外に這い出る頃ですよ、外に這い出て畑!畑を耕してジャガイモを植えてくださいな!」「その虫でさえ・・・という言い方が気に障るねえ!」「あら、啓蟄の虫と同じですよ!」「はいはい、赤い提灯に誘われて呑みに這い出ますかねえ、虫ハイですよ!」「ちょっと!あなた!畑違いですよ・・・」

  一般に「椿」といえば「薮椿」を指すようで、藪椿は日本特産のツバキ科ツバキ属の常緑樹で照葉樹林の代表的な樹木です。この藪ツバキの種を絞って採取されるのが椿油です。椿油が日本で書物に登場するのは奈良時代のようで、実に千年以上も使われてきている油です。椿油には、酸化されにくいオレイン酸が多く含まれていることから、固まりにくい性質を持ち、食用のほか化粧品や髪油として用いられ、日本刀の磨き油、木刀や将棋駒、櫛などの木製品の磨き・艶出しに用いられています。

  「うぐひすの笠おとしたる椿哉(椿の花がぽとりと枝からおちてきたが、あれは鶯の落した花笠であろう)」とは芭蕉の句ですが、梅の花を鶯の笠とした古今集などの古歌からの発想といわれ、鶯の花笠が梅の花では平凡な歌になってしまうことから、それを「椿」と俳諧化しているのだそうです。

ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2017.03.10(Fri) 09:32] 植物Trackback(0) | Comments(0)
↑TOPへ


 ← 菜虫化蝶 | TOP | 草木萠動

COMMENT

COMMENT POST















管理者にだけ表示

Trackback

この記事のURL:
http://samwatercolor.blog.fc2.com/tb.php/229-a08e7df9
 ← 菜虫化蝶 | TOP | 草木萠動

カウンター

カレンダー

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

QRコード