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2016年10月30日 ()
  早くも10月も末となった今頃は、七十二候では霜降の次候「霎時施(こさめときどきふる)」にあたります。小雨が急に降ってきたと思ったら、すぐに青空が顔をのぞかせる、この時期はそんな変わりやすい天気だということをあらわしています。 
 主に晩秋から初冬にかけて一時的に降ったり止んだりする小雨のことを時雨(しぐれ)と言います。つまり「霎」は時雨のことを指しているのです。その年の秋に初めて降る初時雨は、人やけものや草木に「そろそろ冬支度をする時期です」ということを告げていて、そのあと雨がふるたびに冬に近づいていきます。

   今日の水彩画は、「小滝が連れてきた秋」です。山の上の方では、紅葉の盛りが過ぎ、落ち葉が地を覆い始めています。沢の流れが落ち葉を拾い集め、山裾へと運び、晩秋を告げまわります。小さな滝の淵には、運ばれてきた落ち葉がちりばめられ、秋の陽だまりのなかで、滝を装います。
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  古より、人は森羅万象に神が宿ると考えてきました。命の源となる水にもまた神が宿り、尽きることなく水が流れ落ちる滝は神聖な場所として、信仰されてきました。
 北斎の北斎漫画には、めでたい滝の絵が出てきます。能「高砂」の「めでたき世かな、めで滝世かな、めで田喜世かな」の祝言に引き続いて、田の字に分けた画面に、四つの滝が描かれています。ひとつめは、笹の芽が出る「芽出滝」、次におめでたい八つの雲の「八雲滝」、さらに白く長く美しい姥の髪の「白長寿滝」、四番目に吉祥の雲の「祥雲滝」です。聖なる滝の水はとうとうと流れて田を潤し、田を喜ばせ(田喜)、豊作で万民を喜ばせ、天下泰平なり。

   おとうさん、時雨です!「おっと!晴れていたと思ったら、雨!まったく、女心と秋の空、とは昔の人は上手く言ったものだ!」「あら、あなた!昔々の平安時代には、浮気性の男のことを秋の空のよう、といったそうよ!」「ふ~ん・・・」「あなた、わかりましたか!これじゃ、男心とうわの空、です!」「・・・・・」

  浅利や牛肉の佃煮に生姜を加えた料理に「時雨煮」があります。元来は桑名の「時雨蛤」を言うそうですが、時雨煮の名は色々な風味が口の中を通りすぎることから、時雨にたとえて、芭蕉の弟子の各務支考が付けたと言われます。
 その芭蕉の俳句に「新藁の出初めて早き時雨哉 (しんわらのでそめてはやきしぐれかな)」とあります。稲刈りが済み、稲こきが始まって新藁が出始めたばかりなのに、早くも時雨が回ってきたことよ、という早い時雨にあわてたような情景です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2016.10.30(Sun) 21:02] 季節Trackback(0) | Comments(0)
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