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2012年11月02日 ()
 先日、ブナは使いみちが無く「橅」の字が当てられたと書きました。しかし、調べてみると、古くから日本では日常使用する飯碗や汁碗はブナの木から作られてきたことがわかりました。この椀を作る人たちは木地師(きじし)と呼ばれていました。ブナは日本人の食生活を支える大切な木だったのです。「役立たず」と書いたお詫びに、今日の水彩画は、陽を浴びて葉の影を映しながら輝くブナの大木を描いてみました。
12-10-24.jpg

 この木地師の歴史は古く、平安後期近江に隠れ住んでいた惟喬(これたか)親王が杣人(そまびと:木こり)たちにロクロで木を削ることを教えたのが始まりと言われています。木地師は各地の山々をブナの良材を求めて移動しながら、ロクロを挽き椀や皿、盆などを作っていました。
 人間国宝の木地師川北良造氏の著書「木と生きる、木を生かす」を読みました。「木の椀は熱いものを入れても手で持つことが出来、温もりを掌で感じながら食べられる。この椀の温もりが人の心を和ませる。木は身近な存在であり、さまざまな形で木の恩恵を受けてきたからこそ誇れる文化が築けた」。 さらに、木の性質について「木は伐採され、加工された後でもいつまでも生きている。時間が経につれ伸びたり縮んだり、曲がったりする。これを“木が動く”という。木地師にとって木が動くというのはやっかいなもの。だから、伐採した木は長い間寝かせておき、乾燥させ静かに大人しくなるまで待つ」。木も人と同じで、年を経ると丸くなるのですかね。樹齢千年の木は、加工され使われ始めてから千年たった時が一番いい状態になるのだそうです。そういえば、法隆寺の宮大工であった西岡常一氏も「木の命は二つある。樹齢千年のヒノキを使って立てた寺は千年持つ。持たせるのが大工の役目、そうしないと木に申し訳がたたない」と書いています。

 おとうさん!額に絆創膏?「うちのかみさんは怒るとすぐ瀬戸の茶碗を投げてくるから危なくてしょうがねえ。木の椀はいいね、安全だよな!壊れないし長持ちするし」。木の椀は木地のままではすぐ腐ってしまうので漆を塗っています。お寺の柱も穴を掘って建てた(掘立小屋)のではすぐ腐ってしまうので、礎石の上に建てるようになりました。奥様も塗り(漆じゃなくてお化粧)次第ではお綺麗ですよ。時が経てば丸く(いや体型ではなくて)なってきますよ。石の上にも3年、礎石の上の柱のように我慢して長持ち.・・・・「ふう~木でもなく瀬戸でもなく、こりゃ金椀(かなわん)・・」

 奥会津の只見町には白神山地を超えるといわれるブナの自然林があって、この山奥のブナ林には昭和の初めころまであった木地師の部落跡が残っているそうです。秋の黄葉に包まれた奥会津のブナ林を描いてみたいものです。
 ではまた次回の絵をお楽しみに・・・・ サムヤマモト
[2012.11.02(Fri) 09:09] 自然環境Trackback(0) | Comments(0)
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