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2016年05月28日 ()
  小満の七十二候の次候は「紅花栄(こうか さかう)」で ベニハナが盛んに咲く頃です。紅花はアザミに似た花をつけるキク科の1年草で、花は布を染める染料や、口紅、頬紅などの化粧品として使われてきました。また、花には血行をよくする効能があるとされ、女性の肌着の染料や生薬として用いられてきました。

  今日の水彩画は、「林を流れる初夏の風と光」です。初夏の朝陽が林に注ぎ、木々の間を爽やかな風が通り抜けていきます。陽に光る新緑を背景に、杉の木立が浮かびあがり、光が透けて抜けていきます。
16-05-27.jpg

  紅花からつくられる鮮やかな赤を紅(くれない)と呼びますが、この「くれない」の名の由来は、中国の呉から伝わった藍(染料)という意味の「呉藍(くれあい)」からきたそうです。紅花は中央アジアやエジプトが原産地とされ、日本へはシルクロードを通り、中国、朝鮮(韓)を経て渡来したとされています。紅花で何度も染め重ねた濃い紅色は「韓紅花(からくれない)」と呼ばれていました。落語にも登場する在原業平の「千早ふる神代もきかず竜田川韓紅花に水くくるとは」の歌では、竜田川の紅葉の美しい色を韓紅花(からくれない)のようだと詠っています。

  おとうさん、化粧紅?「う~ん・・女性が鏡に向かって紅を差している姿は色っぽいものだねぇ~、昔から多くの画家が化粧する女性を描いているね!」「あなた、女性は化粧してより美しくなるものですよ!」「歌川国貞の浮世絵江戸名所百人美女、日本画では橋口五葉の化粧の女、洋画では黒田清輝の朝粧、ブーシェのヴィーナスの化粧室、ルノアールの絵にも多く描かれて・・・」「あなたぁ~!新しい鏡を買ってください!この鏡おかしいわ、壊れている・・」「・・・鏡は常に正確に写します・・・」

  平安時代には紅の濃い色は「禁色」として着用が制限され、その後の江戸時代でも「紅花染使用禁止令」が出されるほど、紅花は高価で贅沢な染料だったようです。その価値は、「紅一匁は金一匁」といわれ、同じ目方の金によって取引されたと伝えられているほどでした。
 「行く末は誰が肌ふれむ紅の花」とは芭蕉の俳句です。高価な紅花は、一生懸命に紅花を摘む百姓の娘たちにとっては高嶺の花、一生に一度も唇に紅をさすことはできなかったことでしょう。「私が摘んでいるこの紅花は、このさき誰の肌に触れるのだろうか、私も一度くらい、紅花の紅をさしてみたい」芭蕉は、そんな娘たちの心情を詠んだのかもしれません。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2016.05.28(Sat) 10:49] 未分類Trackback(0) | Comments(0)
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