夏の土用入り
2015年07月21日 (火)
7月20日は夏の土用の入りです。中国では、陰陽五行説から春は木、夏は火、秋は金、冬は水が支配すると考えました。そして土は各季節の終わりを支配するとし、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を土用としました。つまり年に四回の土用があることになりますが、夏の土用は立秋までの18日間ということになります。
この土用の暑さがもっとも厳しく、暑中とはこの期間のことをいいます。土用入りの日を土用太郎といい、2日目を土用次郎、3日目を土用三郎といい、土用三郎の日に晴れれば豊作、雨なら凶作といわれています。今年は晴れて暑くなりそうです。
さて、今日の水彩画は、「友釣りの夏の河」です。釣り人たちが長い釣竿を静かに構えてアユを釣る姿は日本の夏の風物詩です。天空に差し掛かる夏の陽が、川岸の草木の葉を焼くように輝かせます。梅雨明けの増水した川面に陽が反射し、釣り人の竿をキラリと光らせます。

体が大きくなった鮎(アユ)は藻類が多い場所を独占して、縄張りを作るようになります。アユの目は黄色が強くみえるようで、縄張りを持つアユは黄色みを帯びて自己を主張し、縄張り内に入った他のアユに体当たりなどの激しい攻撃を加えて縄張りを守ろうとします。この性質を利用してアユを釣るのが「友釣り」で、釣り人が用意したオトリのアユに掛針をつけて攻撃してくるアユを引っ掛ける釣法です。
おとうさん、暑い中の畑仕事?「あなた~、ジャガイモも掘って?」「もうだめ!暑くて・・」「ねえ、鮎の塩焼きと冷たいビールが待っていますよ・・」「ではもう少しだけ・・ビールのオトリに引っ掛かかった!ああ~暑くて塩焼きになりそうだ・・」「あなた~、こんな川柳が“用済みのオトリの鮎も塩焼きに”」「なにっ!オトリの鮎か俺は・・」
鮎の友釣りの釣法は古くからあり、今から三百年ほど前の京都八瀬川での友釣りの記録が残っているそうです。それから百年ほど後には、伊豆の大仁で友釣禁止の訴えが代官所に出されるほど、盛んに友釣りが狩野川で行われていたそうです。
「鮎(あゆ)くれてよらで過ぎ行く夜半(よは)の門」蕪村の句です。「夜半に門をたたく音に出てみると、釣り帰りの友が鮎を届けてくれ、寄っていけというのに、そのまま立ち去った」という句で、穏やかな情景を少し描写するだけで、背後に広がる永遠の時間を感じさせる、俳画の創始者でもある与謝蕪村の絵画的な俳句のひとつです。
鮎は塩焼きにつきるとされ、塩焼きは「塩」が命だそうです。極上の一品に仕上げる塩は、卵の殻でアクをとった「アクひき塩」が一番といわれますが・・。
ではまた。次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
この土用の暑さがもっとも厳しく、暑中とはこの期間のことをいいます。土用入りの日を土用太郎といい、2日目を土用次郎、3日目を土用三郎といい、土用三郎の日に晴れれば豊作、雨なら凶作といわれています。今年は晴れて暑くなりそうです。
さて、今日の水彩画は、「友釣りの夏の河」です。釣り人たちが長い釣竿を静かに構えてアユを釣る姿は日本の夏の風物詩です。天空に差し掛かる夏の陽が、川岸の草木の葉を焼くように輝かせます。梅雨明けの増水した川面に陽が反射し、釣り人の竿をキラリと光らせます。

体が大きくなった鮎(アユ)は藻類が多い場所を独占して、縄張りを作るようになります。アユの目は黄色が強くみえるようで、縄張りを持つアユは黄色みを帯びて自己を主張し、縄張り内に入った他のアユに体当たりなどの激しい攻撃を加えて縄張りを守ろうとします。この性質を利用してアユを釣るのが「友釣り」で、釣り人が用意したオトリのアユに掛針をつけて攻撃してくるアユを引っ掛ける釣法です。
おとうさん、暑い中の畑仕事?「あなた~、ジャガイモも掘って?」「もうだめ!暑くて・・」「ねえ、鮎の塩焼きと冷たいビールが待っていますよ・・」「ではもう少しだけ・・ビールのオトリに引っ掛かかった!ああ~暑くて塩焼きになりそうだ・・」「あなた~、こんな川柳が“用済みのオトリの鮎も塩焼きに”」「なにっ!オトリの鮎か俺は・・」
鮎の友釣りの釣法は古くからあり、今から三百年ほど前の京都八瀬川での友釣りの記録が残っているそうです。それから百年ほど後には、伊豆の大仁で友釣禁止の訴えが代官所に出されるほど、盛んに友釣りが狩野川で行われていたそうです。
「鮎(あゆ)くれてよらで過ぎ行く夜半(よは)の門」蕪村の句です。「夜半に門をたたく音に出てみると、釣り帰りの友が鮎を届けてくれ、寄っていけというのに、そのまま立ち去った」という句で、穏やかな情景を少し描写するだけで、背後に広がる永遠の時間を感じさせる、俳画の創始者でもある与謝蕪村の絵画的な俳句のひとつです。
鮎は塩焼きにつきるとされ、塩焼きは「塩」が命だそうです。極上の一品に仕上げる塩は、卵の殻でアクをとった「アクひき塩」が一番といわれますが・・。
ではまた。次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト