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2015年05月30日 ()
  五月の終わりの七十二候は「紅花栄(こうか さかう)」で、紅花が盛んに咲く季節という意味です。紅花はキク科の一年草で、江戸時代には山形の最上地方で盛んに栽培され、最上紅花の紅は最高級品として京都や大阪で大変重宝されました。近代になって化学的に合成できる染料が普及したことから、現在では紅花染めや観光用などにわずかに栽培されているのみとなってしまいました。

  今日の水彩画は、「朝陽が射しこむ木もれびの森」です。森に朝陽が射しこむと、眠りから覚めたばかりの草木の葉達が、さわやかな風に揺られながら影絵のように浮かび上がります。夏の陽射しのような強い陽があたりだすと、雑木林はキラキラと小判のような葉が揺れる黄金の森に姿を変えます。
15-05-29.jpg

  日本の伝統的なお化粧は、赤・白・黒の三色から成り立っていたといわれます。赤は紅花の紅、白は白粉(おしろい)そして黒は眉墨や鉄漿(おはぐろ)です。中でも、赤の紅は華やかな色として、口紅、頬紅、爪(つま)紅などに多用されたようです。
 紅花の紅の成分は生花に0.3パーセントしか含まれておらず、江戸時代には「紅一匁金一匁」と言われるほど高価なものだったようです。紅は紅猪口(べにちょこ)という容器の内側に塗って売られていましたが、高いものは百両もするものがあったそうです。この高価な口紅を厚塗りするとグリーンに輝く玉虫色になります。これを笹色紅と呼び文化・文政の江戸の町で流行しました。渓斎英泉の浮世絵にも登場する笹色紅ですが、さぞや紅屋は儲けたことでしょう。

  おとうさん!不思議?「おい、まだお化粧をして唇に紅か?」「当たり前です!女は生きている限り美しくありたいと化粧するのです!」「うむ、篠田桃紅さんも百三歳で“生きている限り人生は未完”と書いているけど・・古代人の口紅は悪魔よけだったらしい・・わっ!まるで野獣派の絵だ!」「なんですって!」「わ~魔除けが欲しい~」

  「行く末は 誰が肌ふれむ 紅の花」とは芭蕉の句です。最上の紅花は口紅や頬紅ばかりでなく、染料(紅花染め)にも使われて絹や木綿の布・着物に染められ、女性の肌を彩り美しさを引き立ててきました。
 紅花の種を搾った油は、紅花油として食用油に使われます。この油の油煙から作る墨が紅花墨(べにばなずみ)で、書画用の墨としてよく使われているそうです。さらに、油を搾ったあとの種は栄養価も高く、家畜の飼料などに用いられます。捨てるところが無い紅花は、様々なかたちで人々の生活を潤してきました。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2015.05.30(Sat) 10:17] 植物Trackback(0) | Comments(0)
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