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リストマーク 立春 

2018年02月02日 ()
  2月4日は二十四節気の始まり、「立春」です。冬が極まり春の気配が立ち始める日です。暦便覧には「春の気立つを以って也」と記されています。この日から立夏の前日までが春となります。南の地方では梅が咲き始めますが、東日本や北日本では、この頃に大寒波や暴風雪などの荒れた天候となることが多いといわれます。

  今日の水彩画は、「朝陽の当たる雪原」です。氷点下十数度にもなる雪原の朝、山の向こうに陽が昇ると、暖かそうな光が雪原を照らします。早朝に水を汲みに来たのでしょうか、雪原を横切る足跡は、まるで朝陽が残したもののようです。
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  立春は暦の始まりの日で、八十八夜、二百十日などの雑節の起算日となっています。桜の開花時期も、立春からの気温の積算で推定できるようです。
  秋にできた桜の花のつぼみは一度休眠します。この休眠から目覚めるきっかけは、その年の最低気温なので、だいたい立春の頃なのです。その後は暖かい日が続くことで桜が春を感じて開花に向かいます。目安としては、立春からの日々の最高気温の積算が540℃くらいに達したときです。暖かい日が続けば早まるし、2月、3月に雪が降るほど寒い日が続けば開花は遅くなります。

  おとうさん、立春!「おお寒い!立春とはいえ今頃が一番寒い!布団から抜け出せない!」「おなた、早く起きてくださいな!朝ご飯ですよ!」「もう少し眠らせておくれ!桜の蕾は一度休眠してから開花するそうじゃないか!」「あなたはもう枯木のようですから、休眠しても花は咲かないのでは?」「枯木に花の花咲じじい、だっているだろう!」「はいはい、花咲じじいの灰ですか?お線香を焚いときます!」「・・・・・」

  東京の桜の開花は靖国神社にある標準木の3本のソメイヨシノのうち2本に5、6輪の花が咲くと開花となります。これまでの記録では、東京の平年の開花日は3月26日だそうで、日々の気温の上下を加味すると一週間ほど前後するようです。開花から満開までが一週間、満開から花が散るまでが一週間、さて花の見頃を立春の今から予測するのは至難の業のようです。

  「関守の火鉢小さき余寒かな」 蕪村の句です。「余寒」 とは春の季語で、立春を過ぎても尚残っている寒さのこと、「関守」 は関所を守る役人で、寒村での勤務の侘しさと身にしみる寒さが漂っている句です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト

ここで、個展開催のお知らせです。

サム ヤマモトの水彩画個展(第五回)「木々の光と影と命」
場所 相模原市民ギャラリー 第一展示室
    JR相模原駅ビル セレオ相模原4階
日時 2018年2月9日(金)~2月12日(月)
     10時~19時(初日11:00より、最終日16:00まで)
この一年間に本ブログに掲載した透明水彩画の原画50点余りを展示します。
原画の美しさをご覧ください。
入場は無料ですが、チャリティ募金を行っています。チャリティにご協力いただくと、お好きな絵のプリントやカレンダーを差し上げています。
皆様のご来場をお待ちしております。

サム ヤマモト

[2018.02.02(Fri) 20:27] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 楓蔦黄 

2017年11月04日 ()
 今年も早くも11月になってしまいました。3日は「文化の日」ですが、七十二候では2日から立冬の前日までは、霜降の末候「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」で、モミジやツタが色づいてくる頃とされています。首都圏でも、標高の高い山では、カエデやモミジが見頃になるころです。カエデ(楓)とモミジ(紅葉)の違いはというと、植物の分類では同じカエデ科カエデ属の植物で、明確な区別はなく、同じ種類の樹木です。ハウチカエデ、アサノハカエデと名前に「カエデ」がつくものと、イロハモミジやヤマモミジなど名前に「モミジ」とつく木があり、名前が違うだけのようです。

  今日の水彩画は、「静かな入り江の秋」です。佐渡の矢島経島の入り江で出会った秋です。入り江の切り立った崖の木々が、海に張り出すように枝を伸ばして黄葉し、たらい船が起こしたさざ波に、黄金色を映した水面が静かに揺れ動く秋です。
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  たらい船を使ってワカメやアワビ、サザエなどをとる漁が「磯ねぎ漁」です。佐渡の海岸線はそのほとんどが岩場に囲まれた磯浜です。そのため透明度も高く、小回りの利く、たらい船でガラス越しに海底の獲物を探しながらヤスで突く漁が今も生きています。洗濯桶から改良を重ねて現在のたらい舟になったと言われていますが、観光用に乗船できるたらい舟は漁で使う船より大きなものが使われているようです。

  おとうさん、たらい船?「おお~佐渡のたらい船ね、乗ったよ!」「あなた、揺れて怖かったですね!」「昔、お光さんという娘が、佐渡から柏崎まで、毎晩たらい船を漕いで恋人に会いにいったという、伝説があるそうだ!」「あら、あたしもたらい船に乗ったから、素敵な殿方に会えるのでは?」「無理!無理!たらい船は磯ねぎ漁で使うものだけに、磯のアワビの片思い ってやつだな!」「・・・・」

  カエデの名は、葉の形がカエルの手に似ていることから「カエルデ」からカエデとなまったものが、名前になったと言われています。一方、モミジは「もみづ」という言葉に由来しているようです。「もみづ」とは、草木の葉が赤色または黄色になることを意味する動詞で、そこからきた「もみぢ」という名詞は葉が色づくさまを、または、紅葉そのものを指すようになったようです。

  「蔦の葉はむかしめきたる紅葉哉」とは芭蕉の句です。蔦(つた)の紅葉がひときわ紅いと芭蕉が感じて読んだ句ですが、蔦紅葉を「昔めきたる(昔のような)」と表現していますが、その根拠が弱いらしく、この句の評価はあまり高くないようです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.11.04(Sat) 15:50] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 菊の花開く 

2017年10月13日 ()
   今ごろは、七十二候では菊花開(きくのはな ひらく)とされています。菊は奈良時代から平安時代にかけて中国より到来し、以来、日本の風土に溶け込み、品種改良が行われ、今では多彩な品種の「菊」が生まれています。菊は花の中で最も品格あるものとされ「百花の王」と称賛されてきました。当初は鑑賞用としてではなく、邪気をはらう不老長寿の薬として伝わったようです。

   今日の水彩画は、「初秋の木もれびの森」です。まだ紅葉には早い森ですが、柔らかな秋の陽を浴びると、木々の葉が黄色や褐色の秋色が薄く浮かび上がります。低木や草の葉の裏側では、もう秋が出番を待っています。
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   先日、「池田学展The Pen」(日本橋高島屋にて開催)を見て来ました。ペン先につけたアクリルインクで描く1mmに満たない線を幾重にも重ねて、緻密で壮大な世界を描きだすアーチストの展覧会でした。1日に10センチ四方の面積しか描くことのできない緻密な描写とスケールの大きな構成で異次元の世界を現出させた作品は、神業的な超絶技巧と細密描写により、実際に絵を見た人にしかわからない驚愕の世界を創り出しています。池田画伯は「細密に表現するということは、大きな立体感を生み出すための必要不可欠なプロセス!大きな山だって、一つ一つの樹や岩の集合体、それら樹や岩にも明暗があり空間がある。それらの小さな空間が繋がっていって、やがて山という大きな空間が生まれる。ペンで細密に描いていくことは、空間を大きく描いていくことと同じことです」と、単なる細密画とは違うと語っています。一枚の絵を近くで見たり、離れてみたり、詳細に見るたびに驚きの発見があり、一日中見ていても飽きない、絵の前から離れられなくなる・・・すばらしい展覧会でした。

   おとうさん、菊の季節!「菊の花開く・・盃に菊の花を浮かべ一杯、いいねえ、風流、酒は菊正宗かな?」「あなたは・・お酒を呑むことばかり考えて!」「これはなあ 菊花の宴 といって平安のころからの行事だ!女性たちは菊の花に被せた真綿 菊の被綿(きせわた)で体を拭って若返りを願ったそうだよ!雅だねえ!」「あらっ!私もやってみようかしら・・」「・・・もうキクわけがないよ・・・」

   菊の花が咲くころの秋空が晴れわたることを「菊晴れ」といいますが、清々しく青く広がる空の下、深呼吸すると寿命が伸びそうな気がします。
 「子狐のかくれ貌なる野菊哉(こぎつねの かくれがほなる のぎくかな)」とは与謝蕪村の句です。野菊が群がり咲く陰で子狐が隠れん坊、かわいらしい句です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.10.13(Fri) 09:52] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 処暑 

2017年08月23日 ()
  8月23日は二十四節気の「処暑」にあたります。「処」には「とどまる」という意味があり、「処暑」とは暑さが和らぐという意味です。暦便覧には「陽気とどまりて、初めて退きやまむとすれば也」と記されています。萩の花が咲き、穀物が実り始め、朝夕は涼風が吹き始め秋の気配を感じられる頃なのですが、今年の天気は、いつもの年のようにはいかないようです。

  今日の水彩画は、「森の光の通り道」です。うっそうと草木が生い茂った夏の森に朝陽が昇ると、木々の隙間から光の筋が差し込んできます。光の通り道にあたった草木たちは、強い光におどろいて目を覚まします。
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  処暑になり暑さが和らぐか? 今年の夏は一筋縄ではいかないようで、梅雨の間は雨が降らず、梅雨が明けて夏本番と思いきや、雨が続き涼しい日照不足の日々!これから秋というのに、晴れの日が続き猛暑となるようで、処暑になってようやく盛夏になります。

  おとうさん、天候不順!「まったくだ!梅雨時は雨が降らず水不足で水運びの毎日!梅雨が明ければ毎日が雨で日照不足!野菜が育たず、雑草ばかりがグングン伸びる!百姓泣かせの天気だ・・・」「あなた~!畑が草で覆われていますよ!草刈りしてくださいな!」「でも今日も雨だよ!」「あら、ゴルフは雨でもやるのでしょ!同じ草刈じゃないですか!」「うむ・・うまいたとえだが・・やる気がなくなるショット・・」

  そろそろサンマが出回る頃で、旬のサンマを塩焼きにして、大根おろしで食べる、いやあ、食欲の秋です。今頃の野菜で旨いものといえば、茄子ですかね。「秋茄子は嫁に食わすな」といわれるくらい美味しい秋茄子です。
 ところで、「秋茄子は嫁に・・・」という諺には、二通りの意味があるようで、ひとつは、姑の嫁いびり説、もうひとつは、茄子は体を冷やすので、食べさせないで嫁を大切にするという説。さらに、「秋なすび わささの粕につきまぜて よめにはくれじ 棚におくとも(酒粕につけた秋なすを棚に置いておくのはよいけれど、ねずみ(夜目・よめ)に食べられない様に)」という鎌倉時代の和歌が語源という説もあります。

  「めづらしや山を出羽の初茄子」とは芭蕉の句で、羽黒山に参篭して下界に降りてきてみると、初なすびのもてなし、なんとも有り難いことです・・。ご馳走に出てきた茄子は、江戸には無い長細いおいしい茄子だったのでしょう。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.08.23(Wed) 10:49] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 蓮始開 

2017年07月14日 ()
  今ごろは、七十二候では小暑の次候として「蓮始開(はすはじめてひらく)」にあたります。「泥(でい)より出でて泥に染まらず」といわれ、美しい花が泥の中から伸び立ち花開く姿が、いにしえより崇高で清らさの象徴となってきた「蓮(はす)の花」、花中央の黄色い部分にたくさんの穴があいていて、蜂の巣に似ていることから、万葉の時代より「はちす」と呼ばれ、数多くの歌にも詠まれています。

  今日の水彩画は、「夏の陽の光と影」です。梅雨明け間近の森に差し込む朝陽は強烈です。ミズキの白い幹を輝かせて、木の葉の影を木肌に焼き付けます。陽の眩しさに草木が目を覚まします。
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  蓮の花の命はわずか4日です。1日目は早朝より花弁が開き始めほんの少し開いたのち、つぼみの状態に戻り、2日目は、同じく早朝に咲きはじめ満開となり、香りを放ちながら最も美しい瞬間を迎えたのち、また半ば閉じてしまいます。3日目は、2日目と同じく最大に開きますが、受粉を終えためしべは黒っぽくなり、花の色は若干退化し、昼頃には閉じはじめます。そして4日目、3度目の全開を迎えたのち、はらはらと花弁が落ち、はかなくも散ってしまうのです。

  おとうさん、蓮の花!「うむ・・蓮花が開いたのだけど、いくといつも閉じているんだなあ~」「あなた~、蓮は朝早くにしか開きませんよ!昼頃には閉じてしまいます!」「じゃあ~夜遅くに行くか 蓮花っていう店に!花は夜開く~かあ~うっしっし・・・」「あなた~早朝ですって・・」「だから夜遅くから夜明けまで・・・」

  美しい花やレンコン(蓮根)で、古くから親しまれている蓮ですが、その茎から取れる蓮の糸で、織物が織られてきたことはあまり知られていません。古代インドでは、紀元前四世紀頃から繊維として使用されていたようです。奈良の當麻寺(たいまでら)に今もある当麻曼荼羅(まんだら)は、中将姫という女性が一夜にして蓮糸で織った奇跡の曼荼羅である(能の当麻の題材)という逸話があります。ミャンマーでは、今なお蓮の糸で織物が織られ、僧侶の法衣や袈裟として寺に奉納されているそうです。

  「仏印の古きもたへや蓮の花(ぶつちんの ふるきもたえや はすのはな)」とは蕪村の俳句です。古雅な風格のある酒がめに見事な蓮の花が生けられている、あの酒がめは、その昔仏印禅師が使っていたものとか、ここの住僧もまた詩酒の趣を解する人物と見える、という・・なかなか難しい句です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.07.14(Fri) 17:08] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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