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リストマーク 麋角解 

2017年12月25日 ()
   いよいよ年の瀬。12月26日ごろから冬至の次侯「麋角解(さわしかつのおる/びかくげす)」となります。今年最後の七十二候で、意味は「麋が角を落とす」、という意味ですが、この「麋」(び/さわじか)は、辞書で調べると「大鹿のこと」とあります。

  今年最後の水彩画は、「木もれびの森の裸木の輝き」です。木枯らしに吹き散らかされて裸になった雑木林に冬の朝陽が差し込むと、小枝や残った枯れ葉が黄金色に輝きます。やがて訪れる春に芽生える命を守るように、わずかな陽の温もりを木々が抱え込みます。
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  「麋」という動物は、鹿なのでしょうか。実は中国に生息していた「麋鹿」という動物らしいのです。日本名では「シフゾウ」といい、ニホンジカよりは大きく、角を落とすのも冬至のころです。シフゾウはシカのような角でシカでない、ウシのような蹄でウシでない、ウマのような顔でウマでない、ロバのような尾でロバでない、という不思議な特徴を持つことから「四不像」と呼ばれました。このシフゾウは、古くは中国で生息していましたが、19世紀末に絶滅。ところが、英国で繁殖に成功し、1980年代には野生に戻されるまでになりましたが、再び数が減少し、今は野生絶滅種となっています。

  おとうさん、年の瀬!「あなた、ゴロゴロしていないで、お掃除をしてくださいな!」「年の瀬ぐらいゆっくりと~」「いつもゴロゴロばかり、まるでシフゾウみたいですよ!」「シフゾウ?」「四不像といって、四つの動物に似ているけど、どれでもないという不思議な動物!あなたはさしずめ、熊のようで熊ではなく、牛のようで牛でもなく、豚のようで豚でもなく、人のようで人でもない、という絶滅危惧種!」「ぎゃっ!掃除っと!」

  「ともかくも あなたまかせの 年の暮」 小林一茶の俳句ですが、「あれこれと考えたところでどうにもならない、すべてを仏さまにお任せするよりほかにない年の暮であることよ」という意味です。

  今年も年の暮れとなりましたが、この一年、畑を耕す傍ら、週一枚のペースを何とか守り、水彩画を描き続けることが出来ました。これも、ブログの読者をはじめ、友人や家族の皆さんが支えてくれたお陰であります。改めて御礼申し上げます。来年早々には73歳となりますが、腰や肩、膝が痛いと愚痴りながら、晴耕雨描の暮らしは続けてまいります。来年もよろしくお願いいたします。
 迎える年が、皆様やご家族にとって良い年でありますよう、ご祈念申し上げます。

  また来年の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.12.25(Mon) 16:39] 動物Trackback(0) | Comments(1) 見る▼
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by さくら
突然の訪問、失礼いたします。
私はこちら⇒b--n.net
でブログをやっているきみきといいます。
色々なブログをみて勉強させていただいています。
もしよろしかったら相互リンクをお願いできないでしょうか?
「やってもいいよ」という方はコメントを返してくだされば、
私もリンクさせていただきます。
よろしくお願いします^^

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リストマーク 熊蟄穴 

2017年12月14日 ()
  七十二候では、12月13日頃からは、大雪の次候「熊蟄穴(くま あなにこもる)」となります。日本にいる二種類の熊(ツキノワグマ、ヒグマ)は冬になると「冬篭り」します。中国の暦では、「虎始交(とらはじめてつるむ)」とあり、虎が交尾をはじめる時期とされていますが、虎のいない日本では、江戸初期に熊の冬篭りに換えられました。

  今日の水彩画は、「モミジの間で花開く四季桜」です。紅葉の林の中で淡く咲く四季桜、まるでモミジに淡雪が降り積もったように、可憐な小さな花が霞のように咲き、美しくも不思議な風景をつくりだしています。
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  四季桜はマメザクラとエドヒガンの種間雑種と考えられており、この小原(豊田市)の四季桜は、藤本玄碩という医師が文政年間の始めに名古屋方面から苗を求めて、植えたのが親木となって、広まったものとされています。花は一重の白または淡紅色で、夏の間に膨らんだ花芽が秋から冬にかけて順次咲き、春に咲くほかの桜のように一度に満開になることはなく、花の数も少なく、控えめで可愛らしい桜です。

  ジャイアントパンダの赤ちゃん、シャンシャンが大変な人気ですが、クマに近い種類といわれるジャイアントパンダは、食べるものが笹や竹が主で、冬でも豊富に得られるために冬眠はしないそうです。
 最近、クマが人を襲う事件が増えています。これは、戦後すぐの植林で奥山が杉やヒノキ林に置き換わり、クマが食べる木の実が減っているところへ、里山の荒廃や開発でさらに食物が減ったために、クマが飢えて人里に下りてくるようになったといわれています。自然を相手の農林業から人が撤退して、町に移り住むようになるとともに、野生動物たちも町へと近づいてきているともいわれます。農林業の再活性化ということが、野生動物と人とのトラブルを減らす方策のひとつなのかもしれません。
  
  おとうさん、冬籠り?「あなた、お布団から抜け出して、畑の片づけをしてください!」「おいおい、今日は何の日か知っている?熊穴に籠る、といって熊が冬籠りを始める日だ!布団に籠って・・」「あら~、クマは籠る前に、働いて冬支度を整えてから穴に入ります!」「畑、叩けと叩かれて、クマ穴を追い出され~、寒い、ハックション!」

  「薪をわるいもうと一人冬籠」とは正岡子規の句です。病の子規を看病したのは母と妹の律でした。寒い外で妹が一人で薪割をしている。病床は暖かく冬籠そのもので、申し訳ないという思いと同時に、けなげな妹への情愛の念が滲み出た一句です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.12.14(Thu) 15:51] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 寒蝉鳴 

2017年08月11日 ()
  蝉の声がまだ盛んな立秋ですが、七十二候では次侯の「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」にあたり、暦の上ではもう秋なのにヒグラシの鳴き声がよく響く時候なのです。「寒蝉」は蜩(ひぐらし)のことで、早朝や日暮れに「カナカナカナ」となくことから、カナカナ蝉と呼ぶ人もいます。

  今日の水彩画は、「陽差しに焼かれる盛夏の川」です。河原の石や草木の葉、涼しげな流れさえも、容赦なく照り付ける夏の陽に焼かれています。川の中のいきものたちも、日陰の淀みでひっそりと涼を取り、秋の到来を待ちます。
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  蜩は暑さや強い日差しに弱く、涼しい早朝や夕暮れに鳴くことから「日暮し」と呼ばれるようになったのでしょう。どこか物悲しげな鳴き声は、秋への季節の移ろいを感じさせます。俳句の世界では、蝉(せみ)は夏の季語、しかし蜩(ひぐらし)は秋の季語で、昔から、蜩の鳴き声には秋を感じさせるものがあったのでしょう。
  芭蕉の「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」は、あまりにも有名な俳句ですが、静まりかえっている山寺に、ただ蝉の鳴声だけが、一枚岩にしみ透るように聞こえる・・。蝉がうるさく鳴いているのに、静かな情景が浮かぶ句です。蝉が大きな声で鳴くのは、子孫を残すためで、生きた証を示す鳴き声のようです。「蝉の一生の大部分は、土の中で安らかに過ごす七年間で、地上に出る七日間は、子孫を残すための最後の大事業」なのです。そんな見方で蝉の声を聞くと、「がんばれよ!」って、いいたくなります。

  おとうさん、蝉時雨!「蝉時雨ねえ!言葉は美しいが音がうるさくて昼寝もままならぬ!」「あなた、昼寝ですか?畑の草刈りをしてくださいな!蝉だって頑張って鳴いていますよ!」「蝉はなあ~七年間も土の中で休んでいたのだ!最後ぐらい元気になるわ!」「あなただってゴロゴロしてばかり!さあ~爺がんばって!」「はいはい、爺爺(ジイジイ)と鳴いて、まるでアブラゼミだ!」

  ファーブル昆虫記によると、昔から「蝉は耳が聞こえない」といわれていました。実証好きのファーブル先生は、蝉がたくさん止まって鳴いている大木の傍で大砲を放ちましたが、蝉たちは素知らぬ顔で鳴き続けたそうです。実は、蝉に耳がないわけではなく、仲間の声の周波数帯だけを聞き取る耳を持っているそうです。

  「蜩のおどろき啼くや朝ぼらけ」とは与謝蕪村の俳句です。明け方の涼しい間にひと眠り、と思ったとたんの蜩の声、「まったくっ!」とつぶやきが聞こえるようです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.08.11(Fri) 16:44] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 桐始結花 

2017年07月27日 ()
  今ごろの七十二候では大暑の初候となり、「桐始結花(きりはじめてはなむすぶ)」とされ、桐の花が実を結び始める時期なのです。実際には、5月から6月頃が紫色の桐の花の開花時期になるようです。桐は伝統的に神聖な木とされてきており、足利尊氏や豊臣秀吉などの天下人が好んで用いた家紋でもあります。現代では内閣総理大臣の紋章に用いられ、五百円玉の表にも描かれています。

  今日の水彩画は、「夏の日照りの谷川」です。雨が降らず水量が少ない谷川、小さな流れが岩の陰に小さな淀みをつくります。それでも、日照りが続く谷に時折吹く風が涼しさを運び、涼を求めて草木が枝葉を川面に伸ばします。
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  今年は雨が少なく、野菜畑にせっせと水運びをしていますが、焼け石に水の状態です。古来より農耕を営む人たちにとって、降雨の多い少ないはとても重要なことでした。古代中国の亀甲文字に雨という文字がすでに書かれているそうで、古代の人々が雨乞いや降雨を占うために使ったのかも知れません。農耕民族である日本人にとっても、田畑の水をもたらす降雨はとても大切なものでした。日照りが続き、水が枯れ始めると、雨乞いという祈とうを行って、降雨を願うことがよく行われていました。昔から雨を降らせる神様として信じられているのが龍神様でした。

  おとうさん、暑い!「暑いねえ、ひと雨ほしいねえ!」「あなた~、畑に水をやってくださいな~」「暑いのに水運び?龍神様に雨乞いをしたいねえ!落語にもあったなあ・・・夕立屋なんていって、龍(たつ)の化身の男が銭を出すと雨を降らしてくれる、夕立屋は夏だけの商売、それで冬の稼ぎはどうするのだい?ときくと、はい!倅の子龍(こたつ)が稼ぎます、というのが落ちだ!」「あなた、なにをブツブツ、早く水をやらないと野菜が枯れてしまいます!」「はいはい!龍神さん夕立屋を探しておくれ!」

  桐の木は日本では最も軽い木材で、桐たんすが有名ですが、琴にも桐が使われています。琴に使われる桐材は寒い地で育った目の詰まったものがいいとされています。琴は龍に見立てて作られていて、琴の胴の頭は龍頭、反対側は龍尾、このあいだを龍甲といいます。この龍甲には龍の背中の鱗(うろこ)のような模様がでていますが、これは桐の板目が浮き出ているのだそうです。桐と龍は繋がっているのです。

  「涼風の曲がりくねつて来たりけり」とは小林一茶の俳句で、長屋の奥に住んでいるから、暑い夏に吹く一瞬の涼しさを感じる風も曲がりくねってくる、ということです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.07.27(Thu) 13:44] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 腐草為蛍 

2017年06月13日 ()
  陰暦六月は水無月(みなづき)といい、田植えに多くの水を必要とする月を意味しました。梅雨のこの時期、水が張られた田に苗が青々と育ち始めています。
 七十二候は農作業のための時期を知らせる暦で、今頃は芒種の次候にあたる「腐草為蛍(ふそうほたるとなる)」です。腐った草や朽ちた木の間からきれいに光る蛍が出てくる時期なのです。「蛍」は夏の風物詩として、古くから親しまれていて、「ほたる」の記述は日本書紀や万葉集にすでに見られるそうです。

   今日の水彩画は、「霧に浮かぶ鮎釣人」です。雨上がりの霧に覆われた川の中に、鮎釣人が佇みます。霧を分け入って陽がさし込むと、川面に映える光が霧を照らし、明るい光の中に釣人が浮かび上がります。
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  神奈川県の河川の鮎解禁日は6月1日でした。河口近くの海で育った鮎は、初夏には上流を目指して川を遡ります。上流で成魚となった鮎は秋には川を下り河口付近で産卵し、一年で一生を終える年魚です。「あゆ」の名の由来は、秋に川を下ることから「あゆる(落ちる)」に由来する、という説が分かり易いようです。中国では「鮎」はナマズをさし、アユには「香魚」が使われています。日本では、アユが一定の縄張りを占める魚であることから、「鮎」の文字があてられたともいわれています。

  おとうさん、蛍?「蛍?まさか、煙草を吸っている人じゃないの?蛍といえば、暗がりに浮かぶ赤提灯が恋しいなあ?」「あら、あなた!お出かけですか?」「うむ!夜道が暗いから明かりを持って、ちょいと一杯やってくるか!」「あらあら、明かりを探して飛ぶ蛍みたいですねぇ~!いってらっしゃい~ゲンジボタルの君!蛍二十日に蝉三日といわれ、どうせ旬の時期が短いのですから!」

  ホタルなどの発光生物の発光は、ルシフェリンという物質によるものですが、この発光は電気などによる光源と比較すると効率が非常に高いといわれます。発光生物の大多数は海に生息している生物が占めていて、特に深海生物のほとんどは発光するといわれています。例えば魚類では、500m以上の深海に棲む住む魚の90%が発光するという調査結果があるそうです。

   「己が火を木々の蛍や花の宿(おのがひを きぎのほたるや はなのやど)」とは     芭蕉の俳句です。蛍が光を出して飛び回るのはオスの蛍がメスを探す行動のようで、メスの蛍も発光しますが、木や草などに止まってあまり動かないそうです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.06.13(Tue) 17:13] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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