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リストマーク 蚯蚓出 

2017年05月13日 ()
  今ごろは、七十二候では立夏の次候の「蚯蚓出(きゅういんいずる)」にあたり、蚯蚓つまりミミズが這い出して来る湿潤で暖かな季節になったということです。
 ミミズは土や落ち葉を食べ分解して、肥沃な土壌を作り出してくれます。我が家の畑の堆肥の中でも、たくさんのミミズが働いてくれています。ミミズという名前は、「目見ず(めみえず)」からきたようで、ミミズの目は退化してありませんが、光を感じることはできるようです。

  今日の水彩画は、「新緑に輝く流れ」です。木々が初夏の日差しに枝を伸ばし、若葉が陽を浴びて眩しく輝いています。水面に萌黄色を映す川は、命の輝きを溢れさせてキラキラ、ザワザワと流れます。
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   いよいよ、新緑が美しい季節がやってきました。この柔らかで明るい若葉色に溢れる野山は、絵心が掻き立てられる風景のひとつです。新緑の草木を描くときに好きな絵の具に「サップグリーン」があります。サップグリーンはサップ(sap:樹液)の名が示すように、「クロウメモドキ」という植物の実から採取された緑色のことです(今使っている絵の具は化学合成顔料ですが)。草木染の世界では、一般には単独で緑色を染める染料はほとんどないといわれていて、日本では藍染の布を黄色の染料に浸けて、緑色に染めるようです。しかしながら、このクロウメモドキの実は珍しく緑色の染料原料になっているそうです。

   おとうさん、新緑!「若いみどりは美しいなあ!」「あらっ!あなた!何処のみどりさんですか?」「ちがう!色の話ですよ!色気じゃなく色!若緑色が美しいねぇ!日本の緑色の和名はいいねえ!萌黄色、若芽色、若草色、若苗色、若竹色なんていうのは、若く匂い立つような色だねえ~」「あら!若々しい乙女のような色・・・わたしに似合う緑色は何かしら?」「そうだなあ~老竹色という緑色が・・・」「キッ!あなた!そんな色がありますか!」「本当にある、本当だ!逃げろ、緑は安全の色だあ~」

  「出るやいな蚯蚓(みみず)は蟻に引かれけり」は、小林一茶の句です。土壌改良に役立つミミズにも敵が多いようで、ミミズが大好物のモグラ、土を掘り返すツバメやサギ、地面を歩き回るトカゲやハンミョウは大敵です。
 俳句に詠まれる「みみず」は夏の季語ですが、「みみず鳴く」は秋の季語になるそうです。ちなみに、ミミズは鳴きません。昔からあの「ジーィジーィ」というミミズの鳴き声といわれた声は、実はケラという虫の鳴き声だったようです。

 ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.05.13(Sat) 16:13] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 鴻雁北 

2017年04月12日 ()
  今ごろは、七十二候では清明の次候「鴻雁北(こうがん きたす)」にあたります。初候が「玄鳥至(つばめ いたる)」でしたから、ツバメが南から渡って来て、雁(がん)が北に帰っていくという、鳥たちの渡りの季節ということなのです。
  雁(がん、かり)はカモ目カモ科の水鳥で、白鳥より小さく、鴨より大きい鳥の総称です。かつては狩猟鳥でしたが、現在は数が減り狩猟は全面禁止、繁殖地の減少などが懸念されていて、ロシアやカナダとは保護条約が締結されている鳥です。

  今日の水彩画は、「御苑の桜」です。新宿御苑にはソメイヨシノをはじめたくさんの種類の桜の木があり、今頃は、薄紅色、緋色、白色などいろいろな桜がたのしめます。大島桜の白とソメイヨシノのピンクの花が、温んできた池の水面に映り、春風に揺れながら百花繚乱の春を喜び歌います。

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  雁は、古くから日本人と深いつながりがあり、詩歌、俳句に多く詠われ、絵画や文様、昔話や物語、映画・小説にも数多く登場します。言葉にもたくさん雁に関わるものがあり、雁首、雁風呂、がんもどき、などが今でも残っています。
 雁風呂というのは・・、数千里も飛ぶ雁は海で休むための木片をくわえて渡りをするという、人々は春の海辺に落ちている木片を、力尽きて北へ帰れなかった雁たちのものと考え、木片を集め風呂を焚き、供養していたそうです。実際には、雁が木片をくわえて渡ることはないので、昔の民話からきた話のようです。

  おとうさん、雁が北へ帰る!「雁肉はないから、鴨肉といくか?」「あなた~今日はガンモドキを煮付けてみました!」「雁肉がだめならガンモドキ!気が利くねえ~精進だ!もどき料理だ!昔から湯葉、豆腐、油揚げ、コンニャクなどで工夫して料理が作られた!」「お精進は採食ですから健康にいいですよ!」「ついでに般若湯(酒)を少々・・」「葷酒山門に入るを許さず!もどき酒(お茶け)で・・・」「・・・やはり・・・」

  雁をかたどった家紋もあり、真田氏などが使っていました。真田の家紋は六文銭が有名ですが、結び雁金紋(かりがねもん)は、雁は幸せを運ぶ鳥として、平時に使われていたようです。六文銭は三途の川を渡る際の船賃が六文というところからきていて、家紋の意味は、死を恐れず決死の覚悟で戦うというところにあるようです。

  「雁行きて門田も遠くおもはるる」 与謝蕪村の句で、雁がみな帰ってしまい、雁のいた近くの田が急に遠くなったように思われる・・・。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.04.12(Wed) 17:44] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 菜虫化蝶 

2017年03月17日 ()
  七十二候では、3月15日を過ぎると啓蟄の末候「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」となります。菜虫とはダイコン・カブ・ハクサイ・キャベツなどアブラナ科に属する菜類を食う幼虫の総称で、サナギで冬を越した虫たちが蝶になる頃なのです。暖かくなると、畑の上をヒラヒラと舞い踊る蝶たちは、野菜をもりもり食べる青虫の親、美しいだの可愛いだのとばかり言っていられません。

  今日の水彩画は、「彼岸桜」です。法事に訪れたお寺の彼岸桜が、ソメイヨシノより一足先に開花していました。華やかに咲き競う桜花の季節の訪れを前に、ひっそりとお彼岸を告げるように、老木の枝に花をつけていました。
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  野菜を栽培する者にとって、天敵ともいえるモンシロチョウですが、気象庁では、モンシロチョウの初見日を記録しているそうです。空襲警報ですかね。一番早くモンシロチョウが観測されるのは九州地方で3月の始め、一番遅い観測となるのは北海道の網走地方で、5月の下旬ごろのようです。関東地方では3月の下旬ごろ、そろそろモンシロチョウが、植えたばかりのキャベツの苗を狙って飛んでくるころです。
 モンシロチョウは、青虫の大好きな葉の上に小さな卵を産みます。3~5日が過ぎると卵から幼虫が姿を現し、もりもりと葉を食べ始めます。9~11日間に渡って葉を食べ栄養を蓄えた青虫はサナギになり5~10日を経た後、モンシロチョウになるそうです。冬はサナギで越冬し、次の春に蝶になりますから、「菜虫化蝶」の蝶はサナギで冬を耐えた強者なのです。

  おとうさん、蝶々が!「春だねぇ~!菜虫化蝶の季節、いいねえ、色とりどりの美しい蝶が舞う~、夜だねぇ、蝶はやはり夜の蝶だねぇ~」「あなた、もう日が暮れるというのにフラフラと、どこにお出かけですか?」「美しい蝶はやはり夜でしょう・・ウシッシィ・・・、ウワァ!何を被せるのだ!」「あなた、防虫網ですよ!」「・・・・・」

  最近はあまり言わなくなったようですが、バーなどで働く女性を「夜の蝶」と呼ぶのは、川口松太郎の小説「夜の蝶」からきているようです。1957年に映画化されると、銀座の「夜の蝶」「ホステス」などの言葉が流行語となったそうです。

  「物好きや匂はぬ草にとまる蝶」とは芭蕉の句で、蝶があまたある草草の中で匂いも蜜も無いような草の葉に止まっている、なんと物好きな蝶だろう・・と俳諧などに興じている芭蕉自身を、少し冷めた目で見ているのでしょうか?

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2017.03.17(Fri) 11:54] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 草木萠動 

2017年02月28日 ()
   二月も早くも月末、七十二候には雨水の末候として「草木萠動(そうもくめばえいずる)」とあり、草木が芽吹き始める季節となりました。雨が降り、土が潤い、暖かい風が吹くと、地面から草の芽がいっせいに萌え、冬を越した樹木の芽が膨らみ始めます。草の芽が萌え出ることを「草萌え」といい、木の芽が出てくる頃のお天気は、「木の芽晴れ」や「木の芽雨」などと名付けられ、人々は草木から春の訪れを教わり、草冠に明るいと書く「萌」の字のように、萌(めばえ)から明るい気持ちを貰うのでしょう。

   今日の水彩画は、「梅香る木もれびの森」です。早咲きの桜より早く花を咲かせた梅花は、雨水を過ぎてもまだ満開の春を告げています。春とは思えぬ寒い朝でも、朝陽が昇ると、凛として花をもたげ、馥郁たる梅の香りを森に届けます。

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   梅は、バラ科さくら族の落葉樹です。中国が原産で、奈良時代の遣唐使が持ち帰ったものといわれます。したがって、日本の自然には梅の木はほとんどなく、庭先などに人の手によって植えられたものばかりです。梅(ウメ)の語源は。中国語の「梅」(メイ)から来たというのが有力です。中国から梅が伝来した当時の日本語は、鼻音の前に軽い鼻音を重ねていたため、「メ」を「ンメ」のように発音していましたから、これがウメとなったようです。漢字の梅の字には「母」の字が含まれていますが、中国ではつわりのときに梅の実を食べる習慣があったようです。

   白梅の実は、主に梅干しにされてきました。本来梅干は梅酢を作った後の副産物であり、食用より黒焼きにして漢方薬として用いられていました。クエン酸を主成分とする梅酢は、器具や人体の傷口の消毒の他、金属のメッキや半田付け、青銅器や鉄器の酸化皮膜処理(錆止め)にも用いられていました。

  おとうさん、桜!「♪梅は咲いたか 桜はまだかいな!早咲きの桜ですか!春だねぇ~。梅と桜 とは美しいものが並んでいるたとえだが、美女が並ぶのもいいねえ!」「あなたっ!また若い女性の話ですか?」「違いますよ!花の話ですよ!それに若ければいいとは限りませんよ!諺に 梅干しと女房(友達)は古い程良い というじゃないか、味が違うんだよ!」「そうですか・・・」「いい塩梅にいったなぁ・・・・ほっ!」

  「梅が香にのつと日の出る山路哉」 とは芭蕉の俳句です。立春を過ぎても残る寒い朝、梅の香が匂う山路に、何の前触れもなく朝日がひょっこりと昇ってくる という意味でしょうか。立春を過ぎても残る寒さを余寒というようです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2017.02.28(Tue) 17:04] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 獺祭 

2017年02月20日 ()
   2月18日からは二十四節気の雨水が始まりました。空から降るものが雪から雨に変わり、氷が溶けて水になる、という季節で、農耕の準備を始める目安とされてきました。先日も春一番が吹きましたが、本格的な春はまだ遠く、春のような気温になったり、大雪が降ったりと、三寒四温を繰り返しながら、春に向かっていきます。暦便覧には「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」と記されています。

   今日の水彩画は、「木もれびの森の河津桜」です。まだ暗い森を背景に、いきなり上ってきた朝陽に照らし出され、ライトを浴びた夜桜のように桜花を輝かせて、百花繚乱の春の始まりを告げています。
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   七十二候では、雨水の初候に「土脉潤起(つちのしょう うるおい おこる)」とあり、徐々に気温の高い日も増え、暖かい雨が降り凍っていた土もゆるみ潤い始める頃、といった意味です。春の訪れを何によって感じるかは、風土によって違いがありますが、この土脉潤起は、中国から七十二候が渡って来た時に、日本の風土に合わせて内容が変えられた候のひとつです。もともとは、「獺魚祭(かわうそうおをまつる)」で、獲った魚を、人が祭壇にまつるように並べる習性を持つ獺(カワウソ)の様子を季節に表した候だったそうです。氷が解けた水辺で魚を獲り、嬉しそうに並べる獺(カワウソ)も春の訪れを喜んでいたのでしょう。

   おとうさん、雨水の候!「そう~雨水とか土脉潤起とかという春だなあ!土脉潤起は中国の暦では獺祭魚とされていて、日本酒の獺祭につながるのかなあ?お酒吞みたいなあ~」「あなた!またお酒の話ですか?カワウソだって魚を獲るのですから、そろそろ畑を耕してくださいな!」「はい!はい?カワウソだって?・・・カワウソは昔から美女に化けて男を騙すというが、うちのカミさんはカワウソの化身?でも美女かなあ~」「あなた、今夜の肴は川魚の干物にしますか?」「・・・やはり・・」
  辞書によると、獺祭のもう一つの意味は、「詩文を作るときに、多くの参考書をひろげちらかすこと」とあります。正岡子規はその居を獺祭書屋と号したそうです。

   「さまざまのこと思ひ出す櫻哉」とは芭蕉の句です。このとき芭蕉の脳裏には、唐の劉廷芝の詩が浮かんだのではともいわれます。「古人無復洛城東 今人還対落花風 年年歳歳花相似 歳歳年年人不同 (昔、洛陽城の花を楽しんだ人達は既に亡く、今私たちは花の散るのを見て嘆いている、毎年美しい花は同じように咲くが、この花を見る人は皆ちがう)」。桜の木には、それぞれの物語が秘められているようです。

   ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.02.20(Mon) 14:40] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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