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リストマーク 寒露 

2017年10月10日 ()
  10月8日頃から二十四節気の「寒露」となります。寒露とは、晩夏から初秋にかけて野草に宿る冷たい露のことです。暦便覧には「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」と記されています。本格的な秋の始まりとなり、五穀の収穫もたけなわ、農作業が超多忙となります。大気の状態が安定し、空気が澄んだ秋晴れの日が多くなり、見上げてみると、秋の清々しさを感じる空に出会えるでしょう。

  今日の水彩画は、「太古の地球を語る岩壁」です。数億年前の岩石が30キロメートルの深さから隆起し、川の水で浸食されてできた岩壁です。赤色、緑色、白色と、岩石の成分の差で様々な色が浮かび、ひと足先に秋を彩るかのようです。澄んだ水面に映る荒々しい岩の表情には、数億年の地球の歴史が刻み込まれています。
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  ツバメと入れ違いに雁が北から渡ってくる頃です。雁は日本で冬を過ごし、暖かい春になると北国へ帰っていきます。毎年、初めに訪れる雁を「初雁(はつかり)」と呼びます。七十二候では寒露の初候に「鴻雁来る(こうがんきたる)」とあります。10月の声を聞くころにやって来て湖畔に群れているのですが、カギ状やサオ状になって飛ぶことから「雁の列(つら)」「雁の棹(さお)」「雁行(がんこう)」、昼間に飛び、夜間は水上に降りてくる様子を「落雁(らくがん)」と、俳句の季語としても多く詠われます。

  おとうさん、収穫の秋!「秋だねえ!新米、新蕎麦が旨い時期だねえ!秋の新蕎麦が一番うまいのだ!」「あら、あなた!新蕎麦の多くは夏に出回るそうですよ!」「昔の冷蔵が出来ない時代、暑い夏には蕎麦は風味も失せ、つながりも悪くなるのだ!だから江戸っ子は秋の新蕎麦を首を長くして待っていたのさ!」「あらそうなのですか!うちにはありませんから、そこいらのお蕎麦屋さんで食べてくださいな!」「えっ!うぅ・・やはり、おまえのそばがいい・・」「よく聞こえませんが・・・」

  収穫前の作物に寒露がつき、畑が朝霧に包まれる様子もまた、秋ならではの美しさです。日本の味覚は、目でも楽しむと言いますが、風景としての味覚も味わえるのが日本の秋です。我が家の畑でも、里芋やゴボウ、生姜が収穫を待っていて、夏の終わりに植えた秋野菜がすくすくと育ち、美しい里山の風景を創り出しています。

  「けふからは日本の雁ぞ楽に寝よ」とは小林一茶の句です。北国から渡ってきた雁に、ご苦労様でした、次の春までゆっくり羽を休めてください・・・、という一茶の優しい心が伝わってきます。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.10.10(Tue) 16:22] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 秋彼岸 

2017年09月23日 ()
  9月23日は二十四節気の秋分で、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。暦便覧では「陰陽の中分なれば也」と記されています。この日を境に日が短くなっていき、秋の夜長に向かいます。「暑さ寒さも彼岸まで」といわれますが、陽が射す時間が短くなるので、暑さも和らいでいくわけです。今日は朝から雨模様の天気で、一段と涼しく感じられ、室内でも長袖を着ています。

  今日の水彩画は、「初秋の長瀞」です。真夏の喧騒も終わり静まり返った初秋の長瀞で、朝一番の船に乗りライン下りを楽しみました。ゆったりとした流れ(瀞)が、突然、大岩に向かって流れ込む急流に変わります。川面に秋の空の青さが映り、白い岩肌が水面に反射してキラキラと輝きます。秋の紅葉にはまだ早く、渓谷の緑が静かな流れに沈み込みます。
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  23日はお彼岸の中日でもあります。太陽が真東から昇って真西に沈む秋分は、西にある彼岸(西方浄土の世界)と東にある此岸(現世)がもっとも通じやすくなると考え、先祖供養をするようになったようです。つまりご先祖様をお迎えするのではなく、こちらから近づいていって、供養をするのが彼岸会なのです。お盆と違って彼岸会は、インドや中国にはない日本独特の行事のようです。
 「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉は、自然に寄り添う人々の暮らしの中で、暑さ寒さやそれに伴う様々なつらさも、彼岸のころには和らいで楽になりますよ、と励ます意味があったのでしょう。春彼岸は種まきの季節でその年の豊穣を祈る気持ちがつよく、秋彼岸は収穫に感謝する気持ちがこめられています。

  おとうさん、お彼岸!「暑さ寒さも彼岸まで・・かあ、今日は肌寒いねえ~。そろそろ、炬燵に入って熱燗で一杯という季節かな?」「あなた、早すぎますよ!お彼岸を過ぎると、暑さが和らぐという意味です!年寄りは暑さ寒さが感じにくくなるそうですよ!」「そりゃそうだ!歳とって彼岸(西方浄土)まで行ってしまえば、暑さ寒さを感じなくなるさ!だから暑さ寒さも彼岸まで、っていうのかな?」「・・・あなた大丈夫?」

  「まんじゆさげ蘭に類ひて狐啼く」とは蕪村の俳句ですが、江戸時代までは曼殊沙華(彼岸花)は俳句で詠まれることはあまりなかったようで、蕪村もこのようによそよそしく詠んだだけでした。曼珠沙華は、彼岸花と和名がついたように、秋の彼岸のころに真っ赤に群がって咲いています。そうして彼岸が過ぎると、消えたようにぱったりと花を終わらせてしまう不思議な花です。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム・ヤマモト
[2017.09.23(Sat) 14:45] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 立秋 

2017年08月04日 ()
  今年は8月7日が立秋です。二十四節気の13番目、猛暑が続く日々の中で、初めて秋の気配が現れてくる頃なのです。暦便覧では「初めて秋の気立つがゆゑなれば也」と記されていて、古今和歌集には、「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」と詠われています。この日から立冬の前日までが「秋」とされています。もう秋です、歳を取ると月日が経つのが早く感じられます・・・・。

  今日の水彩画は、「生い茂る夏の森」です。森に夏の朝陽が昇ると、生い茂る木々の葉が暑さを遮るように道をふさぎます。森の奥からは、涼しい風にのって目覚めた妖精たちが駆け出してくるようです。
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  立秋から12日頃までは、七十二候の「涼風至(すずかぜいたる)」にあたります。涼風至とは、夏の暑い風から、秋の涼しい風に替わりはじめる頃という意味で、夕方頃に鳴く虫たちの音色も涼しさを演出してくれます。しかしながら、日中の陽射しは強いままで、油断は禁物、まだまだ熱中症には注意が必要です。

  日本の夏は気温と湿度が高く、暑さを和らげるための工夫が古くから行われてきました。その一つに「打ち水」があります。打ち水の始まりは、戦国から安土桃山時代の「茶の湯」にあるといわれます。江戸時代になると、打ち水は「武士町や四角四面に水を蒔く(小林一茶)」などと俳句に詠まれ、浮世絵にも描かれるようになり、涼を取る手段として一般的になったと考えられています。現代に入ると、扇風機やクーラーなどの普及とともに、打ち水は徐々に姿を消していきましたが、平成に入り、大都市の都市熱を下げる社会実験として打ち水が行われたのをきっかけに、各地で真夏のイベントとして「打ち水大作戦」が行われるようになりました。

  おとうさん、暑いです!「あなた~、猫と一緒に涼しいところでごろごろしていないで、庭に打ち水をしてくださいな!」「打ち水!少しは涼しくなるか~」「あなた!日向に水をまいても蒸し暑くなるだけです、日陰に!それに水道水じゃもったいない、風呂の残り湯か台所のすすぎ水を使って・・・」「はいはい、打ち水ひとつで、よくもまあ・・・たくさんの注文が付くものだ!これって水掛け論?まあ水入りかな・・」

  「ひやひやと壁をふまえて昼寝哉」とは芭蕉の俳句ですが、我が家のクロネコは、いくらかでも涼しい場所を探してはごろごろしています。ネコのみならず、壁に背や足をすりつけ、少しでも涼をとって昼寝をしたい暑さです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.08.04(Fri) 17:11] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 小暑 

2017年07月06日 ()
  七夕の7月7日は二十四節気の小暑(しょうしょ)にあたります。暑さがどんどん強くなっていくという意味があり、この頃から暑さが本格的になってきます。暦便覧には「大暑来れる前なればなり」と簡単に記されています。九州北部の豪雨では大きな被害が出ているようですが、災害にあわれた人たちの無事を心から祈ります。梅雨の終わる今頃は、集中豪雨が多く発生する時季なのです。

  今日の水彩画は、「夏の光の中の流れ」です。谷の向こうから強い夏の陽ざしが注ぐと、溢れるような光を川面に浮かべて川が流れます。川に差し込む光が川底に届き、照らし出された石がさざ波の影とともに揺れ動きます。
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  7月7日は七夕です。七夕の由来は中国から伝わった織姫と彦星の伝説が有名ですが、古い日本では「棚機(たなばた)」と呼ばれ、禊(みそぎ)の行事だったようです。若い女性が着物を織って棚にそなえ、神さまに秋の豊作を祈り、けがれをはらうというものでした。女性は「棚機女(たなばたつめ)」と呼ばれ、神さまのために着物を織りますが、この織り機が「棚機(たなばた)」でした。やがて仏教の伝来とともに、この行事はお盆を迎える準備として七日の夜(夕)に行われるようになり、「七夕」という文字で「たなばた」と呼ばれるようになったといわれています。

  おとうさん、七夕。「七夕ねぇ・・、子供の頃は短冊に願いごとを書いたものだ!」「あなた~、畑の里芋の土寄せしてくれましたかぁ~」「おお~それだ!昔は、里芋の葉に溜まった露を集めて墨をすり、その墨で短冊に書いて習い事の上達を願ったそうだ!」「ですから、里芋の葉じゃなくて、追い肥と土寄せ!」「はい、はい・・では里芋の豊作を願って土寄せ・・一年に一度の出会いの彦星がうらやましい・・・・」

  7月に入ると、さまざまな夏の花が咲き始めます。そのひとつに「朝顔」があります。「朝顔」は奈良時代に遣唐使が種を薬として持ち帰りましたが、その後観賞用として栽培され、今では千種類以上の品種があるといわれます。東京の鬼子母神界隈では、毎年「小暑」のころに「朝顔市」が催されます。始まりは江戸時代後期で、朝顔の栽培が盛んだったことと花の美しさから今に続いているようです。

  「朝顔は 酒盛知らぬ 盛り哉(あさがおは さかもりしらぬ さかりかな)」とは芭蕉の俳句です。夜を徹しての酒盛り、ふと見ると大輪の朝顔が咲いている、知らぬ間に夜が明けた、ということでしょうか。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.07.06(Thu) 15:40] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 小満 

2017年05月20日 ()
  5月21日頃からは二十四節気の「小満」にあたります。万物の成長する気が次第に長じて天地に満ち始めることから小満といわれています。陽気が良くなり、ようやく暑さも加わり、麦の穂が育ち、山野の草木が実をつけ始めます。暦便覧には「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と記されています。走り梅雨が見られるころで、田植えの準備を始める頃でもあります。秋に種を蒔いた麦の穂が育ち、ひと安心(小さな満足)することから小満という、との説もあります。

  今日の水彩画は、「老いたイヌシデの若葉」です。木もれびの森のイヌシデの老木にも、つやつやの若葉たちが生い茂り、若い命が輝きます。ねじれた幹に刻まれた深い皺とムロが長い歳月を物語るイヌシデに、朝陽と若葉たちが元気を届けます。
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  今ごろの食べ物に、粽(ちまき)があります。我が家でも作りますが、もち米などを笹の葉で三角形に巻いて、蒸した食べ物です。日本には平安の頃に中国から入ってきたといわれています。こうした粽は、東南アジアの各国でも見られ、日本でも地方によっていろいろな粽があるようです。
 先日も鹿児島出身の友人から、あくまき(灰汁巻き)をいただきました。あくまきは、ひと晩灰汁に漬け込んだ餅米を竹の皮で包み、灰汁(あく汁)で煮たもので、独特の風味と食感を持っています。粽と同様に砂糖入りのきな粉につけていただきました。一説では、あくまきは、薩摩藩が秀吉の朝鮮出兵の際や関ヶ原の戦いで、日持ちする兵糧として作ったのが始まりといわれています。

  おとうさん、粽!「あなた、粽を作りましたよ、きな粉で食べて!」「甘いものは苦手だなあ・・・」「お砂糖は控えめにしておきました!それにきな粉は健康にいいっていいますよ!」「そうだなあ、きな粉は大豆の粉だ~、畑の肉とか、ミラクルフードとかいわれる・・・、女性ホルモンに効く成分が含まれていて、バストアップ効果があるそうだ!」「あらそうですか?ではきな粉をたくさん付けて・・・」「ウム・・長年重力に引っ張られてきた胸には効かない・・」「あら、あなたも食べて・・・老化やボケ防止に効果があるそうですよ!」「ウウゥ・・・・!粽を巻いていたササ(お酒)の方がいいなあ・・・・」

  七十二候では、小満の初候は「蚕起食桑(かいこ おこって くわを くらう)」とあり、蚕が桑を盛んに食べ始めるころとされています。
 「ことしより蚕はじめぬ小百姓」とは与謝蕪村の句ですが、農家の養蚕は重要な収入源でした。蚕が元気になるこの頃は、農家にとって嬉しい時期だったのでしょう。

   ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2017.05.20(Sat) 16:21] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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