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リストマーク 桜始めて開く 

2017年03月29日 ()
  春の主役の桜の花が咲き始めましたが、冬のような日があったりしてなかなか満開になりません。26日ごろからは七十二候でも「桜始開(さくらはじめてひらく)」とあり、古より日本人が愛する桜が咲く時季となりました。毎年花を待ち望む、思い出の深い桜がある人も多いことと思います。故郷の桜は咲いただろうか、あの学び舎で見た桜は今年も咲くのだろうか、それぞれの思い出とともに桜開く春がやってきました。

  今日の水彩画は、「ひと足先に満開となった緋桜」です。ご近所に毎年咲く緋桜の大きな木があります。見事に紅の花を付けた桜が、あふれんばかりの春の朝陽に花を開かせ枝を伸ばします。
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  そんな花の春、花の女神「フローラ」に逢いに東京都美術館に行ってきました。「ティツィアーノとヴェネツィア派展」にて展示されているティツィアーノの傑作「フローラ」は、ミニバラ、スミレ、ジャスミンなど春の花を手に、金髪に縁どられた優美な顔を傾け、白い下着をつけた透き通る肌も露に、見る人の心を奪い魅了する女神でした。

  美しい女神や桜の花もいいけど、やはり「花より団子」ですかね。団子といえば桜餅があります。その桜餅に関東風と関西風があることを初めて知りました。関東風は小麦粉を焼いた皮で餡(あん)を巻いたお餅を桜の葉で包んでいます。江戸の長命寺の門番が桜の落葉を使って作ったことから、「長命寺餅」と呼ばれているそうです。
 関西風はというと、道明寺粉(粗挽きのもち米粉)の皮で餡を包んだ饅頭のお餅を桜の葉で巻いた「道明寺餅」と呼ばれる餅のようです。桜餅の葉は塩漬け葉ですが、この桜の葉には「大島桜」が主に使われているそうです。この葉を餅と一緒に食べるか、食べないか、あなたはどちらですか。

  おとうさん、桜餅?「花もいいが桜餅もいいね~!お~い、この桜餅は道明寺か長命寺か?」「お寺じゃなくて、スーパーの特売ですよ!」「・・・・・?まあいいや、桜餅はやはり桜の葉ごと食べるのが通だな!」「あら、あなた・・桜の葉も食べちゃったんですか?」「あたりまえだろ!おかあさんは食べない派なのか?」「いえ・・・この桜の葉はビニールに葉を印刷したものなんですよ・・」「・・・・ぐえぇ!」

  「木のもとに汁も膾も桜かな」とは芭蕉の句で、木の下で花見をしていると、花びらが散ってきて、汁椀といわず膾(なます)といわず花びらで一杯になってしまう、なんと豊かな花の一日であろうか・・・、いい花見ですねぇ・・・・。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.03.29(Wed) 12:20] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 春彼岸 

2017年03月24日 ()
  3月20日は二十四節気の「春分」で、「お彼岸の中日」でもありました。春彼岸は17日に彼岸の入りを迎え、23日が彼岸明けとなります。西の彼方にあるとされる「西方浄土」に陽が入る日で、古からあった豊作を願う太陽信仰の名残に、仏教の彼岸会が重なり、先祖供養ための寺参りやお墓参りが盛んになったといわれています。
 「暑さ寒さも彼岸まで」とはいえ、時折冬の寒さが残る日があるものの、花が次々と開花する春を迎え、東京では21日に真っ先に桜の開花宣言、いよいよ桜満開の心躍る季節の到来です。

  今日の水彩画は、やはり桜の絵で、「里山の彼岸桜」です。山の向こうから朝陽が昇ると、まだ暗い山影を背景に彼岸桜が白く浮かび上がります。山間にひとり咲き続ける長寿の桜、幾百回もの満開の春を迎え、里山の昔話を語り続けます。
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  春分の日に最も近い「戊(つちのえ)の日」は、五穀の種を神様に供える雑節「社日」とされ、今年は3月22日になります。「社日」とは、産土神(うぶすながみ)を祀る日で、春と秋の年に2回、春は種まきの頃、秋は収穫時期になることから、農耕を営む人々にとって、大切な節目の日となっていました。産土神とは、土(すな)を産み出す神、万物を産み出す神で、その土地に育つ作物、植物、河川、その他の自然物をはじめ、そこに住む人間の暮らしに密接に関わる働きをしている神様だそうです。

おとうさん、花見は?「花見を何日にするか気になるねえ!おかあさん、彼岸桜が咲いたよ!花見酒はありますか~」「あなた~まだ早いですよ!お花見はソメイヨシノが満開になる頃ですよ・・・」「そんなこと言っているうちに、去年は酒を呑まずに桜が散ってしまった・・・」「あら!覚えていますか?同じ手は使えないかあ~・・・」

  彼岸桜(エドヒガン)は落葉高木で、樹高は15~25mにもなり、名前のとおり春のお彼岸のころに、ソメイヨシノよりひと足早く花を咲かせます。ヤマザクラと共にサクラの中では非常に長寿の木が多いことで知られており、樹齢二千年を超えるといわれる神代桜や樹齢千五百年を超える薄墨桜などが有名です。多くの品種の母種として使われていて、ソメイヨシノの片親でもあるのだそうです。

  「久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」紀友則の歌で、「こんなにも日の光が降りそそいでいるのどかな春の日であるというのに、どうして落着いた心もなく、花は散っていくのだろうか」と、はかなく散っていく花を惜しんでいます。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.03.24(Fri) 10:26] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 魚上氷 

2017年02月16日 ()
  2月13日ごろからは、七十二候では立春末候の「魚上氷(うお こおりを のぼる)」にあたります。割れた氷の間から魚が飛び出るという意味ですが、中国古代の天文学に出てくる話だそうで、日本では温かくなった水の中に魚の姿が見え始める頃、としたほうが分かりやすいかもしれません。

  今日の水彩画は、「曙光に輝く木々」です。昇り始めた朝陽に森の木々の頂上が照らされ暁色に染まります。霜柱を踏みしめ寒さに身を屈め歩く散歩道から見上げると、朝陽に輝く木々が春の兆しと温もりを注いでくれます。
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  魚上氷といえば、居酒屋で注文する肴に「氷下魚(こまい)」があります。コマイの干物を炙って醤油マヨネーズで食べると、酒の肴として絶品です。主に北海道の海で穫れる魚で、12月後半から2月下旬が旬、関東では干物で出回っているようです。
コマイはアイヌ語で「小さな音のでる魚」を意味し、漢字の「氷下魚」は氷を割って獲る(氷下待ち網漁)漁法から名付けられたようです。コマイはタラ科の魚で、体の血液には零度以下でも凍らない成分が含まれているそうです。

  立春の七十二候は、初候「東風解凍」、次候「黄鶯睍睆」、末候「魚上氷」とあり、春を告げる風、春を告げる鳥、そして春を告げる魚といいたいのですが、春を告げる魚はニシンです。それにしても、昔の人々は様々な自然の現象や生きものの様子から、春を感じ取ってきたようです。それだけ春が待ちどおしかったのでしょう。立春を過ぎて間もない頃は、日々の生活の中に、それを包む自然にも、まだまだ冬が居残っているものです。そんな状態を「春浅し」といいあらわすようです。

  おとうさん、春浅し!「寒いねえ!まだまだ炬燵から抜け出せない!」「あなた!もう炬燵をしまいますよ!暦では雨水が近づき、畑仕事が始まりますよ!」「雨水ねえ!陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり・・かあ、昔から農耕の準備をしたものだ!それにしても炬燵が恋しい・・あの温もりが恋しい・・ぎゃぁ~、炬燵がわりに猫抱きしめたら、引っかかれたあ~・・・・」

  「凍て解けて筆に汲み干す清水哉(いてとけて ふでにくみほす しみずかな)」 芭蕉の句ですが、ようやく春が来てとくとくの泉も氷が解けたが、その水量は少なくて筆に沁み取ったら無くなってしまうほどのものだ、とやっと氷が融け始めた浅い春を詠んでいます。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト

  相模原の市民ギャラリーでの「サム ヤマモトの水彩画個展」が、お陰様をもちまして、盛況の内に無事終了いたしました。みなさん有難うございました。来年も同じ時期に同じ場所で個展を開催する予定ですので、楽しみにしていてください。今日からまた、来年の個展をめざして風景画を描いていきます。
[2017.02.16(Thu) 14:51] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 立春 

2017年02月07日 ()
  2月4日は立春でした。旧暦ではこの日が1年の始めとされていたため、決まり事や季節の節目はこの日が起点になっています。八十八夜、二百十日、二百二十日も立春から数えます。暦便覧に「春の気立つを以って也」と記されているように、春の始まりで、この日から立夏の前日までが春となります。春とはいうものの一年でもっとも寒い時期なのですが、雪が降る中にも梅がほころび始めるなど、この日から寒さも和らぎ、日射しものびていきます。

  今日の水彩画は、「春の新雪」です。立春とはいえ、山や雪国ではまだまだ雪が積もります。先ほどまで吹雪いていた雪が止み、雪雲の間から陽がさし込むと、柔らかく積もった新雪が眩しく輝きます。春の気配を抱えた日差しが、青く凍てついていた木々の間にわずかな温もりを届け、柔らかな暖色の景色に変えていきます。
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  立春の日は旧暦のお正月にあたります。その前日の夜、節分に豆まきをするのは、邪気を払い福を呼び込んだうえで、新しい春を迎えるためのようです。
 この新しい春を迎えていただく祝い酒に「立春朝搾り」というお酒があります。節分の日の夜から一晩中、もろみを搾り続けて立春の日の早朝に搾りあがったばかりの生原酒を、その日の夜に呑む、火入れをしない生原酒ですから、このうえなく新鮮で美味しいお酒が味わえるそうです。

  おとうさん!立春!「立春とはいえまだ寒いね、厄除けの立春大吉の札を貼って、これでよし!この文字は左右対称になっていて表から見ても、裏から見ても、立春大吉だ。だから家に入った鬼が、ふり返って、裏から立春大吉という文字を目にし、この家の入口はここかと勘違いをして出ていく、という有り難いお札だ!なに?ご利益がない?鬼が家の中にいるって?おっと、あれは家のかみさんだよ!」「あなた~、鬼がどうかしましたか?」「いいや!お前は家の神様だといったんだよ!ふう・・・」

  立春の七十二候の初候では、「東風解凍(はるかぜ こおりを とく)」とあり、春めいた風が厚い氷を解かし始める頃としています。東風は春風のことです。いまでは春風は南から吹いてくる暖かい風のことを指しますが、もともと中国の陰陽五行の思想では春は東を司るので、春風のことを東風と呼んだことからきています。
 「春めくややぶありて雪ありて雪」 一茶の句です。道を行くと藪があり、その根元には残雪が深く残っている、その先にまた藪がありまた雪が続く、けれども、何となく春めいて春はもう近いと感じられる、春を待ち望む雪国の人の気持ちが分かります。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト

  いよいよ今週金曜日からとなりましたが、相模原の市民ギャラリーにてサム ヤマモトの水彩画個展を開催いたします。駅のすぐそばの会場ですので、気軽にお越しください。

サム ヤマモト 水彩画個展(第四回)
「木々の光と影と命」
場所 相模原市民ギャラリー 第一展示室
    JR相模原駅ビル セレオ相模原4F
開催期日 2017年2月10日(金)~2月13日(月)
時間 10:00~19;00(初日11:00より、最終日16;00まで)
入場無料、図録等の販売あり
[2017.02.07(Tue) 13:28] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 大寒 

2017年01月18日 ()
  寒い日が続きますが、1月20日は大寒を迎えます。冬の季節の最後の節気で一年の中で最も寒い時季です。暦便覧には「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」と記されています。寒稽古など、耐寒のためのいろいろな行事が行われます。また「寒仕込み」といって、寒気を利用した食べ物(凍り豆腐、寒天、酒、味噌など)を仕込むのに最もよい時期とされています。

  今日の水彩画は、「冬の森の日の出」です。前回が海の日の出でしたから、今回は木もれびの森の日の出です。凍てつく森の朝、茂みの向こうから陽が昇り、寒さに耐えた草木に眩しい光と温もりを注ぎます。裸木の枝々と緑が残る葉達が明るく輝き、春を待つ命を照らします。
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  この時期に汲まれる水を「寒の水」といい、雑菌が少なく体に良いとされ、長期保存に向いていることから、寒の水で仕込まれた酒、味噌、醤油は良質とされています。中でも、寒に入って9日目に汲んだ水は「寒九の水」として尊ばれ、薬として飲まれるほどで、この水で仕込んだ酒は特別なものとされてきました。
 食べ物では、大寒卵があります。昔は、この寒い時期にはニワトリは卵をあまり産まなく、それだけに時々生む卵は栄養が豊富で健康によく、黄身が濃く黄金色になることから、金運が上昇するといわれたのです。また寒の水で米を炊いてついた餅を寒餅と言って珍重し、餅を寒の水に浸けたのが水餅で、これまた腐らないとされました。

  おとうさん、大寒!「冷えるねえ、熱燗でキューっとやると温まるのだが・・・大寒といえば寒九の酒だ、大寒卵は金運上昇だし・・寒九の酒と大寒卵の厚焼きで一杯・・お~い!」「あなた、お正月のお酒はもうありませんが、卵なら・・・」「おう!いいね、徳利とお猪口、肴は卵焼きだあ、あちちっ熱燗だね~、何?お湯?」「ですから燗の水ですよ!」「うむ・・・・・寒九の酒と大寒卵だと思って・・・腐らない、腐らない」

  「見てさへや惣身にひびく寒の水」 一茶の句ですが、満足な暖房もない昔のこと、体にいいとされる寒の水ですが、身に沁みる冷たさであることはよくわかります。日本の気候では一番寒い時期は、大寒から春分の前あたりとされ、七十二候の大寒の次候でも、「水沢腹堅」とあり、沢に氷が厚く張りつめるほど寒い季節としています。寒中水泳や寒稽古などが行われる時期ですが、これは昔の「寒の水に打たれると霊力が授かる」として水をかぶる修行者の荒行からきているようです。暖房でぬくぬくとしている現代人の方が、大寒の寒さを敏感に感じられるのかも知れません。

   ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト

今年も下記のように、相模原の市民ギャラリーにてサム ヤマモトの水彩画個展を開催いたします。駅のすぐそばの会場ですので、気軽にお越しください。

サム ヤマモト 水彩画個展(第四回)
「木々の光と影と命」
場所 相模原市民ギャラリー 第一展示室
    JR相模原駅ビル セレオ相模原4F
開催期日 2017年2月10日(金)~2月13日(月)
時間 10:00~19;00(初日11:00より、最終日16;00まで)
入場無料、図録等の販売あり

[2017.01.18(Wed) 21:22] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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