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リストマーク 草露白し 

2016年09月07日 ()
  9月7日は二十四節気の「白露」にあたります。白露とは、仲秋のころには草の上に降りた朝露がきらきらと白く光って見える、という意味です。暦便覧には「陰気ようやく重なりて露にごりて白色となれば也」と記されています。また七十二候では白露の初候に「草露白(くさつゆしろし)」とあり、白露と同じように、草の上に降りた露が白く光る頃とされています。

  今日の水彩画は、「秋雨に荒れる渓流」です。激しい雨となった夜が明けると、嵐が過ぎ去った渓谷に陽が射し込みます。轟々という激しい流れが岩にあたり、白い飛沫が陽に光ります。雨風にさらされた木々の葉は少しだけ秋の色が増しました。
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  「草の露白し」の「白し」ですが、もともと白は無色透明なことを言っていたようで、爽やかで清らかな意味と同時に「死と再生」の象徴でもあったようです。神前の神衣は白、古くは喪服も白、花嫁の衣装も白無垢、白色のなかに清浄さと透明性を感じるのは、今も昔も変わらない感覚のようです。
 透明水彩には白の絵の具はありません。白く光る光は無色透明、色を塗らない白紙の生地のままで表現します。自然界の白は陽のひかりの白色光です。可視光線のすべての波長の光(色)が均等に混じった光が白色光です。物に光が当たると特定の波長の光(色)が反射して色として見ることが出来、すべての色が乱反射するものは白色に見えます。光の当たらないところは黒くなります。
 絵の具(顔料)の色は自然界とは真逆の世界です。すべての色の顔料が混じると黒になります。光の白は色や影を描くことで浮かび上がります。自然界の色は光によってつくられますが、透明水彩では色や影が光を作り出すのです。透明水彩画がもつ清浄さと透明感は、無色の白からきているのかもしれません。

  おとうさん、秋!「はや仲秋、白露だ! 白露やいばらの刺にひとつづつ 蕪村の句だ!トゲの先の露を詠んだ句だな!」「あなた!俳句?畑が台風で荒れていますよ!畑でしょ!」「妻のいうひとつづつにトゲがある!」「あら?俳句できましたか!では、秋深し隣はなにもしない人 てのは?」「・・う~ん!畑に行くか・・」

  「白露も こぼさぬ萩の うねり哉」 萩の花に露があふれるようについて、風が吹いて大きくうねっても、萩は露を乗せたまま揺れている、とは芭蕉の句です。萩の字は「秋に草かんむり」なのでまさに秋の花ですが、早いものは夏前から咲き出しています。でもやはり、秋の今頃が見ごろのようです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2016.09.07(Wed) 14:10] 未分類Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 残暑見舞 

2016年08月07日 ()
  8月7日は立秋です。暦便覧に「初めて秋の気立つがゆゑなれば也」と記されているように、初めて秋の気配が表れてくるころです。とはいっても、1年で最も気温が高くなる時期でもあり、猛暑日が続きます。この日から立冬の前日までが秋となり、ここからの暑さも「残暑」となります。

  今日の水彩画は、「真夏の海」です。今年は台風が少なく、浜辺に打ち寄せる波は小さく、水遊びには最適な穏やかな海です。それでも強い夏の陽ざしが降り注ぐと、小さな波が砕けるたびに白く輝き、照り返しが眩しく目を射ってきます。
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  「朝顔や一輪(いちりん)深き淵(ふち)のいろ (朝顔が咲いて、その中の一輪は、底知れぬ淵のような深い藍色をして美しい)」蕪村の俳句で、朝顔は秋の季語です。
 アサガオ(朝顔)はヒルガオ科サツマイモ属の一年性のつる性植物で、早朝に青色や紫色、水色、白色の花を咲かせ、午前中のうちにしぼんでしまいます。日本には奈良時代に遣唐使によって伝えられたとされ、数多くの品種改良種がつくられた園芸植物です。変種のほとんどは、江戸時代の朝顔ブームで生み出されたもので、幕末期までに1200系統が作られたといわれます。
 朝顔に似た一日花に、「昼顔」「夕顔」「夜顔」があります。「昼顔」はヒルガオ科ヒルガオ属の多年草で、午前中に薄いピンク色の花を咲かせ夕方にはしぼんでしまいます。「夕顔」はウリ科ユウガオ属で、夕方に白色の花を咲かせ翌日の午前中にはしぼんでしまいます。果実はカンピョウの材料になります。「夜顔」は朝顔と同じ種類で、夜に白色の花を咲かせ翌日の朝にはしぼんでしまいます。

  おとうさん、早朝の散歩?「暑いからなぁ~、あさの涼しいうちに散歩だなあ~、朝顔もきれいに咲いているし・・」「そうですね、朝早くはお顔もすっきりです!それが夜になるとむくんできて!」「??・・夜顔も白い花できれいだそうだよ・・・」「あら、夜も白くてきれいな顔している、ですって?朝顔から夜顔までよく見てくれているのね・・・」「きれいだけど・・・長持ちしなくて、すぐにしぼんでしまうのだが・・・・・」

  「あかあかと日はつれなくも秋の風」は芭蕉の句です。あかあかと照り付ける真夏の陽にうんざりだが、それでも秋の涼しい風が混じっているような気がするのだが・・、立秋の頃の残暑に嫌気がさしていて、涼しい秋の気配をなんとか探し出してみたくなるのでしょう。残暑お見舞い申し上げます、まだまだ暑い日が続きます。熱中症にならないようにお気をつけて、ご自愛ください。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト

[2016.08.07(Sun) 16:41] 未分類Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 紅花 

2016年05月28日 ()
  小満の七十二候の次候は「紅花栄(こうか さかう)」で ベニハナが盛んに咲く頃です。紅花はアザミに似た花をつけるキク科の1年草で、花は布を染める染料や、口紅、頬紅などの化粧品として使われてきました。また、花には血行をよくする効能があるとされ、女性の肌着の染料や生薬として用いられてきました。

  今日の水彩画は、「林を流れる初夏の風と光」です。初夏の朝陽が林に注ぎ、木々の間を爽やかな風が通り抜けていきます。陽に光る新緑を背景に、杉の木立が浮かびあがり、光が透けて抜けていきます。
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  紅花からつくられる鮮やかな赤を紅(くれない)と呼びますが、この「くれない」の名の由来は、中国の呉から伝わった藍(染料)という意味の「呉藍(くれあい)」からきたそうです。紅花は中央アジアやエジプトが原産地とされ、日本へはシルクロードを通り、中国、朝鮮(韓)を経て渡来したとされています。紅花で何度も染め重ねた濃い紅色は「韓紅花(からくれない)」と呼ばれていました。落語にも登場する在原業平の「千早ふる神代もきかず竜田川韓紅花に水くくるとは」の歌では、竜田川の紅葉の美しい色を韓紅花(からくれない)のようだと詠っています。

  おとうさん、化粧紅?「う~ん・・女性が鏡に向かって紅を差している姿は色っぽいものだねぇ~、昔から多くの画家が化粧する女性を描いているね!」「あなた、女性は化粧してより美しくなるものですよ!」「歌川国貞の浮世絵江戸名所百人美女、日本画では橋口五葉の化粧の女、洋画では黒田清輝の朝粧、ブーシェのヴィーナスの化粧室、ルノアールの絵にも多く描かれて・・・」「あなたぁ~!新しい鏡を買ってください!この鏡おかしいわ、壊れている・・」「・・・鏡は常に正確に写します・・・」

  平安時代には紅の濃い色は「禁色」として着用が制限され、その後の江戸時代でも「紅花染使用禁止令」が出されるほど、紅花は高価で贅沢な染料だったようです。その価値は、「紅一匁は金一匁」といわれ、同じ目方の金によって取引されたと伝えられているほどでした。
 「行く末は誰が肌ふれむ紅の花」とは芭蕉の俳句です。高価な紅花は、一生懸命に紅花を摘む百姓の娘たちにとっては高嶺の花、一生に一度も唇に紅をさすことはできなかったことでしょう。「私が摘んでいるこの紅花は、このさき誰の肌に触れるのだろうか、私も一度くらい、紅花の紅をさしてみたい」芭蕉は、そんな娘たちの心情を詠んだのかもしれません。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2016.05.28(Sat) 10:49] 未分類Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 霞始靆 

2016年02月26日 ()
  七十二候の雨水の次候は、霞始靆(かすみ はじめて たなびく)で、春になり霞が薄く漂い始めるころとなる、という意味です。霞は霧や靄(もや)の事で、遠くの景色がぼやけている現象をさしています。「春立つ霞」と「秋立つ霧」は、気象的には同じ現象をいうようですが、霞・霧と、靄(もや)との違いは、視界が1km以上の場合が靄、未満のときに霞や霧になるそうです。
  
  今日の水彩画は、「氷雨に濡れる椿」です。変わりやすい春の天気、先ほどまで陽が照っていたと思っていたら、冷たい雨が降ってきて、庭の藪ツバキの木に雨がかかります。周りの葉が葉の傘を伸ばして、ツバキの花を冷たい雨から守ります。
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   ツバキはツバキ科ツバキ属の常緑樹で、一般にツバキというとほとんどが藪ツバキなのだそうです。藪ツバキは日本原産で、多くの園芸種が栽培されています。ツバキの漢字は「椿」ですが、「椿」の字は日本独自のあて字らしく、中国で椿といえば、「芳椿」という東北地方の春の野菜のことだそうです。でも、春に花咲くツバキには、椿の字があいます。ツバキの名の由来には諸説あるようですが、ツバキの葉は緑で光沢があることから、「艶葉木(つやはき)」から来ている、というのが有力のようです。ツバキを絵に描くときは、派手な花より、艶のある緑の葉の美しさに惹かれます。
 ツバキの花言葉は花の色ごとにあるようで、赤いツバキの花言葉は、「気取らない優美さ」「謙虚な美徳」ですが、オペラ椿姫のヒロインみたいです。椿姫といえば、妖怪ウォッチぷにぷにの新妖怪椿姫が・・・・。

   おとうさん、春霞?「春だね!暖かくなってくると春霞が漂い、何もかもがぼやけて見えるなぁ!」「あなた、季節は雨水!そろそろ野菜畑を耕してくださいな!」「畑が霞んで見えないんじゃ、耕しもできない!カミさんの顔だって見えやしない!」「あなた、霞ですって?晴れていますよ!眼がおかしいのでは?あら、メガネをかけるのを忘れていますよ!」「・・・・メガネを探すのにメガネがなくては、五里霧中・・・・・」

   「春なれや名もなき山の薄霞」とは松尾芭蕉の句ですが、春ですねえ、名山や知られた山はもちろん、名もない山々にまで薄い霞がかかっていますよ~・・・と絵に描いたような穏やかな春の風景が目に浮かんできます。
 物事の様子や手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たずに困ることを「五里霧中」といいますが、「五里・霧中」ではなく、五里四方に立ち込める深い霧のことを「五里霧」というので、正しくは「五里霧・中」だそうです。「五里・夢中」でもありません。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2016.02.26(Fri) 21:33] 未分類Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 霜降(そうこう) 

2015年10月24日 ()
  10月23日は二十四節気の18番目の霜降(そうこう)で、露が冷気によって霜となって降り始めるころとなります。暦便覧には「露が陰気に結ばれて霜となりて降るゆゑ也」とあります。秋が深まり朝晩の冷え込みが厳しくなり、日が短くなったことを実感します。初霜の知らせが聞かれるのもこの頃で、山は紅葉で彩られます。この日から立冬までの間に吹く北風を木枯らしと呼び、いきものたちが冬支度を始める時期です。

  今日の水彩画は、「秘境秋山郷の紅葉」です。切り立った崖にしがみつくように生える木々が紅葉し、轟々と流れる谷川の川面に虹のように色を映します。秋の陽が谷底まで当たり、崖の岩を古代遺跡のように白く浮かび上がらせ、木々の葉を赤や黄色、黄緑に染め輝かせます。
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  秋山郷は新潟県の津南町と長野県の栄村にまたがる中津川沿いの谷間の地域で、日本の秘境100選のひとつに挙げられる秘境です。新潟側と長野側に合わせて13の集落があり、平勝秀が源氏に敗れて落ち延びたという平家の落人伝説も残っています。交通が不便で豪雪地帯でもあったことから、近年まで冬季には隔絶される場合も多く、飢饉により村が全滅したこともあるそうです。
 訪れたときはまさに紅葉の真っ盛り、静かで深い谷が見渡す限り紅葉に染まっていました。車一台がやっと通れる狭い山道を運転し、秋山郷の最南端の切明まで行くと、掘れば風呂になるという温泉が湧き出ている川原がありました。

  おとうさん、川風呂!「いいね、川原の露天風呂に入りながら紅葉狩り、風流だねえ~、それに混浴かも?ウシッシ!」「あなた!そんなところで服を脱がないでっ!靴下だけ脱いで足湯にしてください!」「足湯?いいねえ混浴できるから!」「混浴がお好きですねっ!そのうち雌熊が入りに来るかも!」「熊!こわ~い逃げろ!」

  「葛の葉の面見せけり今朝の霜」 松尾芭蕉の句です。葛(くず)の葉が秋になって一斉に白茶けた裏葉を見せるようになったけれど、霜の降りた今朝みると一斉に表葉を見せている、という意味です。「葛の風吹き返したる裏葉かな」と虚子が詠んでいるように、風にひるがえると裏の白さが目立つ葛の葉ですが、葛は霜が降りるころには落葉してしまうそうです。
 葛(くず)は山野に自生するツル科の植物で、秋の七草のひとつです。古来より根を乾燥してくず粉を作り、葛湯や葛切り・葛餅にしてきました。根を乾燥させると葛根(かっこん)という生薬になり、花も乾燥すると葛花(かっか)という薬になるそうです。

 ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2015.10.24(Sat) 11:30] 未分類Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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