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リストマーク 菜虫化蝶 

2019年03月17日 ()
   3月16日頃からは、七十二候では啓蟄の末候で「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」となり、青虫のさなぎが羽化して、蝶に生まれ変わるころです。菜虫、すなわちキャベツなどの葉を食い荒らす青虫は蛹の状態で冬を越し、春になると蝶へと生まれ変わるのです。暖かな日差しを浴びて美しく舞う姿は春の象徴とされています。

  今日の水彩画は、「満開のカンヒザクラ(寒緋桜)」です。春本番の暖かさに満開となった緋色の花々が、春に蘇った命を謳歌し、陽射しを浴びて咲き誇ります。
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  ファーブル昆虫記には、キャベツを食い荒らすモンシロチョウの幼虫(青虫)について、詳しく書かれています。青虫は、アブラナ科の葉っぱなら喜んで食べますが、それ以外の葉は全く食べません。モンシロチョウはのんびりと飛んでいるようで、卵を産み付ける植物を見分けているようです。中でもキャベツが大好物で、フランスではキャベツが育つ春と秋には、モンシロチョウが大発生したそうです。

  キャベツ農家の天敵のようなモンシロチョウの幼虫ですが、ファーブル先生によると、この青虫にも天敵がいるようです。体長3ミリほどのアオムシコマユバチという寄生蜂は、青虫の体内に産卵します。アオムシの体内で孵化した幼虫は、青虫が死なない程度に血を吸い取り成長し、やがて青虫の体外に出て蛹となり成虫となります。蜂の幼虫に栄養を吸いつくされた青虫は、蝶に成れずに死んでしまうのです。
   
   おとうさん、菜虫化蝶!「蝶が舞う春だねえ・・・」「あなた、のんびりしているとキャベツの苗に蝶々が青虫を産み付けますよ!」「おお!うちは無農薬栽培だから、防虫ネットで防がなきゃ!」「そうそう、あなたにもネットを張ってくださいな!虫が付かないように!」「大丈夫!最近は虫も近寄らなくなった・・・・無能役だな!」

   「寒緋桜」の原産地は台湾や中国南部です。日本でも鹿児島県や琉球列島に分布していて、沖縄で桜といえば寒緋桜をさしますが、温暖化のせいか最近では関東地方でも多く見られるようです。開花時期は早く1月から3月で、まだ冬の間に花を咲かせます。このことから、俳句の世界では「寒緋桜」は冬の季語なのです。

   「ひとつ枝に飛花落葉や冬ざくら」とは蕪村の句です。めったにお目にかかれない冬桜ですが、その清楚可憐な咲き方や、すべてが枯れた中で寒さにめげず、健気に花咲かせる桜への思いが込められているようです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2019.03.17(Sun) 13:26] 昆虫Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 桃始笑 

2019年03月12日 ()
  3月11日からは、七十二候では、啓蟄の次候「桃始笑 (ももはじめてわらう)」となり、桃のつぼみがほころび、花が咲き始める頃なのです。桃の花は、梅と桜の間をぬうようにして咲き出します。梅は咲いていますが、桜にはまだ少し早い3月の中頃に、桃のつぼみはほころび始め、4月上旬頃、満開を迎えます。

  今日の水彩画は、「彼岸桜」です。春の陽差しに誘われて、薄紅色の彼岸桜の花が開きます。時折吹く冷たい風にも負けず、明るく華やかに花を揺らします。
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  春に先がけて咲く梅、春たけなわに開く桃、過ぎゆく春とともに散る桜、どれも同じくバラ科の木の花ですが、それぞれに春を美しく彩ります。
  昔は花が咲くことを「笑う」と表現しました。また、春の山の様子を「山笑う」と表現しています。芽吹き始めた華やかな山は、遠くから眺めると、おおらかさ、やわらかさ、そして艶やかさがあり、春を楽しみ、笑っているようです。
   
   春の「山笑ふ」は、中国の山水画家の郭熙の言葉に由来しています。郭熙は、季節の移ろいに応じて、四季の山をいかに描き分けるのか、ということについて、「春山淡冶にして笑うが如く」、「夏山蒼翠にして滴る(したたる)が如く」、「秋山明浄にして粧う(よそおう)が如く」、「冬山惨淡として眠るが如く」と述べています。春の「山笑う」をはじめ、夏の「山滴る」、秋の「山粧う」、そして冬の「山眠る」は、それぞれの季節の俳句の季語になっています。

   おとうさん、山笑う!「いいねえ!春の山は、木々の芽吹き、草木の花が咲き始め、やがて新緑へと移ろう・・・絵を描くにはいい季節だ!」「まさに山笑う、ですねえ・・・・山登りに行きたいですねえ!」「うむ~、でもなぁ足腰が・・山笑うじゃなくて膝笑うになってしまうかも・・・・」「・・・・」

  3月16日は、農家の人たちが「田の神様」にお団子を供える「十六団子」の日です。田の神様は、春には農作物を守るために山から里へ下りてきて、収穫が終わる秋には山に戻っていく、といわれてきました。この神様の移動日である三月と十一月の十六日に、十六個の団子を供えるのだそうです。

  「春の夜は 桜に明けて しまひけり」とは芭蕉の句です。春の夜は、桜に思いを寄せているうちに明けてしまうなあ、ということですが、やはり春の主役は桜ですね。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2019.03.12(Tue) 14:08] 自然風景Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 啓蟄 

2019年03月06日 ()
   3月6日は二十四節気の「啓蟄」です。啓は「ひらく」、蟄(ちつ)は「土中で冬ごもりしている虫」の意味で、大地が暖まり冬眠していた虫が、春の訪れを感じ、穴から出てくる頃なのです。暦便覧には「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されています。
   
   今日の水彩画は、「早咲き桜」です。森の桜の一番手を担って、早咲きの河津桜が花を咲かせます。早春の陽ざしの中で下向きに花を開いた桜を見上げると、まだ冷たい風に、恥ずかしそうに花を揺らせます。
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   まだまだ寒い日もありますが、一雨ごとに気温が上がり、日差しも徐々に暖かくなってきました。スーパーマーケットの野菜コーナーには、タラの芽やフキノトウなどの山菜が並び始めました。
   我が家の野菜畑には、秋に種をまいた「ノラボウ菜」が無事に冬を越して、春の新芽が伸びてきました。若々しい脇芽を摘んで茹でてみると、鮮やかな緑になり、口に運ぶと、苦味やクセはなく、ほのかな甘みが感じられ、アスパラガスのような味と歯ごたえがたまりません。春の訪れの味わいです。
   「のらぼう菜」は、セイヨウアブラナの一種といわれ、江戸時代初期には栽培されていたようです。18世紀半ばには、関東郡代が地元の名主に命じて、「のらぼう菜」の種子を江戸近郊の村々に配布した記録が残っているそうです。寒さに強い「のらぼう菜」の普及によって、天明や天保の大飢饉の際には、人々を飢餓から救ったと伝えられています。いまでは、東京都西多摩地方などで多く栽培されているようですが、あまり市場には出回っていなく、ローカル色の強い野菜のようです。

   おとうさん、春の青菜!「うん、春一番に収穫した のらぼう菜、旨いねえ!」「江戸初期からある野菜だそうですよ!」「あまり知られていないみたいだなあ~、こんなに旨いのに!」「あなたみたいな名前が良くないのかも・・・野良坊というのは、茨木の方言で 遊び人のことを言うらしいわ!」「うむ・・・・・・」

   春は雷がひときわ大きくなりやすい時期でもあります。立春をすぎて初めての雷を「虫出しの雷」と言い、俳句の季語でもあります。雷の音に驚いた虫たちが目を覚ますからでしょうか。
   「春雷や 女ばかりの 雛の宿」とは高浜虚子の句です。雛の宿とはひな人形が飾ってある家のことで、春の雷に怖がる様子がよくわかります。

   ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2019.03.06(Wed) 15:47] 食べ物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 霞始靆 

2019年02月25日 ()
  今ごろは、二十四節気「雨水」の次候、七十二候では「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」という時季を迎えています。「靆(たなびく)」とは、霞や雲が薄く層をなして空に漂うことをいい、「棚引く」「棚曳く」とも書かれるようです。「霞」は、春に霧や靄(もや)などによって、景色がぼやけて見える様子を指すようです。春ですねぇ・・・

  今日の水彩画は、「早春の白梅」です。寒さが残る早春にそっと外を伺う梅の蕾、その蕾の朱色が霞のように見える中に、白い花が一輪、また一輪と開きます。
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  「ウメ」は、バラ科サクラ属の落葉樹で、早春に白い花を咲かせ6月頃に実をつけます。「花よし、香りよし、果実よし」と三拍子揃った花木で、日本人の生活に密着している樹木です。果樹として栽培される「実梅(みうめ)」と、観賞用に栽培されている「花梅(はなうめ)」があり、実梅だけで約百品種、花梅は約三百種類もあるといわれています。梅の実は「三毒(食べ物の毒・血の毒・水の毒)を断つ」といわれ、薬や民間療法としても親しまれています。
  バラ科の樹木には、サクラ、ウメ、モモや、イチゴ、リンゴ、ナシ、ビワ、カリン、アーモンドなどの食用となるものが多く、経済的にも重要な植物といわれています。

  おとうさん、梅花!「うむ・・春じゃ」「あなた、梅を見に行ってきたお隣から、お土産の梅干ですよ!」「塩梅は?うむ酸っぱい!」「あなた、梅干ジジイの顔!」「おまえだって、梅干しババアだ!」「でもどうして梅干しを口にすると爺婆の顔になるのでしょうね・・」「ああ、昔は、梅干は梅酢を取るために漬けたのだよ、だから梅干しは梅酢を作った後の残りカス、役目を終えたシワシワの爺婆ということじゃ!」

  梅の花の形は、古くから家紋に用いられ、写実的に梅の花を表現した「梅花紋」、より幾何学的に図案化された「梅鉢紋」に大別されるそうです。梅の紋は、天神さまの社紋に多く使われていますが、梅の花が好きだった菅原道真を祭っているからなのです。福岡の太宰府天満宮は「梅花」、京都の北野天満宮は「梅星」、東京の湯島天神は「梅鉢」となっています。菅原氏の子孫という加賀の前田家の紋も梅鉢(丸にひとえ梅)です。その他には、平賀源内、榎本武揚、五代目古今亭志ん朝などが梅鉢の家紋だそうです。

  「梅咲や せうじに猫の 影法師」とは一茶の俳句です。 外では梅の花が咲き、日向ぼっこしている猫の影が障子に映っている、眠くなって来る春ですねえ・・・

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2019.02.25(Mon) 16:06] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 雨水 

2019年02月20日 ()
   2月19日は二十四節気の「雨水(うすい)」です。空から降るものが雪から雨に変わり、雪や氷が溶けて水になるころなのです。暦便覧には「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」と記されています。草木が芽生える頃で、昔から、農耕の準備を始める目安とされてきました。しかし、本格的な春の訪れはまだで、大雪が降ったりもして、三寒四温を繰り返しながら、春に向かっていきます。

  今日の水彩画は、「淡雪の中の椿」です。春の到来と思ったら、寒波が来て雪が降りました。春の淡雪がうっすらと椿に積もります。雪の冷たさか寒さのせいか、赤い椿の花が俯いています。やがて来る暖かい春を待ちながら、耐えているようです。
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  雪椿とは雪の中で咲くツバキの花を言うのかと思ったら、雪椿(ユキツバキ)という木があるそうです。ユキツバキは、東北から北陸及び山陰地方の日本海沿いに見られるツバキの一種で、名前の由来は、雪のように白い花ではなく、雪に耐えて育つことにあるのだそうです。枝がしなやかで雪に押しつぶされても、春になると枝を持ち上げて開花する力強さを持ち、樹高は雪の深さを超えることはなく、ユキツバキの高さを見れば、その土地の積雪量の見当がつくのだそうです。ツバキと同じような真っ赤な花が、4月から6月にかけて咲きます。

  おとうさん、三寒四温!「まったくだ!ついこないだ雪が降ったと思ったら、今日はまた汗ばむような日和だ!この気温差が体に堪えるねえ・・・」「そうですよ、春は三寒四温の日々の後にやってくるんです!」「三寒四温かぁ、それじゃ、寒い日は熱燗で三合の酒、汗ばむような暖かい日は冷えたビールを三本呑んで、春を待つ!ってのは?」「そうねえ~、熱い番茶と冷水にしたら!」「・・・我が家の春はいつ来る・・」

  雨水の日に雛人形を飾ると、良いご縁に巡り会う、良い伴侶に恵まれると言われます。しかし、ひな人形の飾り付けに良い日には様々な説があり、お人形屋さんに聞くと、立春から2月中旬までというのが一般的な答のようです。雨水の日に雛人形を飾り付けるのが良いとする説は、雨水の日が、氷が溶けだし水になる頃ということと、水の女神に対する信仰に由来するといわれます。

  「湯屋まではぬれて行きけり春の雪」とは江戸時代の俳人小西来山の句です。 春の雪はすぐに融けてしまうので、湯屋まで濡れて行こう、暖かな湯舟が待っているのだから・・・・。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2019.02.20(Wed) 15:03] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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