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リストマーク 虹始見 

2017年04月17日 ()
  今ごろは、七十二候では清明の末候の「虹始見(にじはじめてあらわる)」にあたり、春になって、雨の後に虹が出始める頃をいいます。
 今夜から春の嵐となる予報ですが、明日の雨上がりには虹が出るのでしょうか。春の虹は淡く、すぐに消えてしまいますが、萌える山野にかかる虹は幻想的です。

  今日の水彩画は、「大島桜」です。淡い紅色一色に染まるソメイヨシノの桜並木の中で、白い桜のオオシマザクラはひときわ目立ちます。新緑の若葉の間に咲く純白の花が、春の陽を浴びて、可憐に清らかに輝きます。
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  オオシマザクラは、大島の名の通り伊豆大島など伊豆諸島が原産とされています。花は春に、新葉が開き始めると同時に五弁の白い花が咲きます。葉はよい香りがあり、塩漬けにして桜餅を包むのに使われます。オオシマザクラの花言葉は、その純白の花から、純潔・精神美・優れた美人、です。
 今では、桜といえばソメイヨシノですが、ソメイヨシノはエドヒガンとこのオオシマザクラの人工交配種として、江戸の染井村の植木職人によって作られたとされています。

  おとうさん、花見酒?「この間の花見の酒が余っていたなあ?」「あら!そうですか?また花見ですか?それより畑仕事でしょ!」「だから、花見なのだ!そもそも、花見は、田植えの頃にサクラが咲くことから、田植え前に豊作を祈願した神事がお花見の起源なのだ!サクラの名前も、「サ」は「田神(さがみ)」のサで穀物の霊を表し、「クラ」は田の神の依りつく「座(クラ)」を意味しているのだ!だから、花見は畑作業の前の神事なのだよ!お酒だ!お神酒だ!」「そんな神事は信じられませんっ!」

  「虹」の漢字は、「虫」(へび)に「工」(つらぬく)です。中国では、虹を蛇や竜の一種と見なす言い伝えが多く、虹は蛇が空にアーチを架けているように見えるのでしょう。この虹蛇(にじへび)にちなむ伝説は、中国だけでなく、オーストラリアや北アメリカ、西アフリカにもあるようです。オーストラリアの場合は、虹はアボリジニが崇拝する虹の精霊と名付けられ、それらは雨を降らせる力がある巨大な蛇を意味するそうです。

  「初虹も わかば盛りや しなの山」 小林一茶の句です。妻子を病で亡くし、天涯孤独になってしまった一茶が、後妻を娶り新たな希望に輝きながら、故郷の春の虹の風景を見て詠んだ句といわれています。俳句の世界では、虹は夏の季語ですが、初虹や春の虹とすると春の季語になります。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.04.17(Mon) 20:38] 自然風景Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 鴻雁北 

2017年04月12日 ()
  今ごろは、七十二候では清明の次候「鴻雁北(こうがん きたす)」にあたります。初候が「玄鳥至(つばめ いたる)」でしたから、ツバメが南から渡って来て、雁(がん)が北に帰っていくという、鳥たちの渡りの季節ということなのです。
  雁(がん、かり)はカモ目カモ科の水鳥で、白鳥より小さく、鴨より大きい鳥の総称です。かつては狩猟鳥でしたが、現在は数が減り狩猟は全面禁止、繁殖地の減少などが懸念されていて、ロシアやカナダとは保護条約が締結されている鳥です。

  今日の水彩画は、「御苑の桜」です。新宿御苑にはソメイヨシノをはじめたくさんの種類の桜の木があり、今頃は、薄紅色、緋色、白色などいろいろな桜がたのしめます。大島桜の白とソメイヨシノのピンクの花が、温んできた池の水面に映り、春風に揺れながら百花繚乱の春を喜び歌います。

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  雁は、古くから日本人と深いつながりがあり、詩歌、俳句に多く詠われ、絵画や文様、昔話や物語、映画・小説にも数多く登場します。言葉にもたくさん雁に関わるものがあり、雁首、雁風呂、がんもどき、などが今でも残っています。
 雁風呂というのは・・、数千里も飛ぶ雁は海で休むための木片をくわえて渡りをするという、人々は春の海辺に落ちている木片を、力尽きて北へ帰れなかった雁たちのものと考え、木片を集め風呂を焚き、供養していたそうです。実際には、雁が木片をくわえて渡ることはないので、昔の民話からきた話のようです。

  おとうさん、雁が北へ帰る!「雁肉はないから、鴨肉といくか?」「あなた~今日はガンモドキを煮付けてみました!」「雁肉がだめならガンモドキ!気が利くねえ~精進だ!もどき料理だ!昔から湯葉、豆腐、油揚げ、コンニャクなどで工夫して料理が作られた!」「お精進は採食ですから健康にいいですよ!」「ついでに般若湯(酒)を少々・・」「葷酒山門に入るを許さず!もどき酒(お茶け)で・・・」「・・・やはり・・・」

  雁をかたどった家紋もあり、真田氏などが使っていました。真田の家紋は六文銭が有名ですが、結び雁金紋(かりがねもん)は、雁は幸せを運ぶ鳥として、平時に使われていたようです。六文銭は三途の川を渡る際の船賃が六文というところからきていて、家紋の意味は、死を恐れず決死の覚悟で戦うというところにあるようです。

  「雁行きて門田も遠くおもはるる」 与謝蕪村の句で、雁がみな帰ってしまい、雁のいた近くの田が急に遠くなったように思われる・・・。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.04.12(Wed) 17:44] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 清浄明潔 

2017年04月07日 ()
  4月4日頃は二十四節気の「清明」にあたります。万物が若返り、清々しく明るく美しい季節です。清明とは、春先の清らかで生き生きとした様子を表した「清浄明潔」という言葉を略したものです。この頃は桜の花が満開となり、お花見に最適の時期ですが、菜種梅雨などと呼ばれる雨が多い時季で、暖かくなった後に小雨が降り続いて寒くなったりもします。南の地方ではつばめが渡って来る頃で、七十二候の清明の初候には「玄鳥至(つばめ いたる)」とあります。

  今日の水彩画は、「満開のソメイヨシノ」です。満開の時期を見計らって、4日に新宿御苑と千鳥ヶ淵を回って花見をしてきました。混み合う花見客にもまれながら、下から桜を見上げると、薄桃色の雲の中に桜の花が春の陽に輝きます。まさに桜花爛漫(おうからんまん)の春です。
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  900年程前の中国北宋末期に描かれた「清明上河図」には、春たけなわの清明の時節、庶民の生き生きとした暮らしぶりが描かれています。中国の至宝「清明上河図」が日本で(中国国外に持ち出されたのはこれが初めて)公開されたのは2012年のことでした。この画巻の価値は、精細な描写にあり、長さ5メートル、縦24センチの画面の中に登場する人物700人以上、牛、馬、ロバなどの動物73頭、馬車など20数輌、船25艘、多数の建物、橋、城門などが実に細かく描かれており、歴史研究と芸術の面で多大な価値があると言われ、いまでも研究が続けられています。

  おとうさん、花見で二日酔い?「お~い!花見酒だ!」「あなた二日酔いじゃありませんか?」「芭蕉の句に 二日酔ひものかは花のあるあひだ とある!桜はすぐに散るから二日酔いなぞ気にしていられない~うぃっ!」「それでは空き瓶に花を活けて・・どうぞ!」「・・・・?」「芭蕉の句に、呑み明けて花生にせん二升樽 とあります。空き瓶に花をいけたら、呑み干してしまいお酒がありません!ということですよ」

  「花の雲 鐘は上野か 浅草か」とは芭蕉の俳句で、はるかに見渡せば、雲と見まがうほどの桜の花の盛りで、隅田川を渡って聞こえて来る鐘の音は、上野の寛永寺か、それとも浅草の浅草寺であろうか・・・。
 「花の雲」とは、桜の花が一面に満開になるさまを、雲に見立てていう言葉で、春の季語になっているようです。江戸深川にある芭蕉庵で詠んだ句のようで、芭蕉庵からは上野も浅草もほぼ同じ距離にあり、ふと耳に入った時の鐘はどちらの寺の鐘かなあ~と、まさに春うらら、居眠りをしたくなるような雰囲気です。
   
  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.04.07(Fri) 21:55] 自然風景Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 桜始めて開く 

2017年03月29日 ()
  春の主役の桜の花が咲き始めましたが、冬のような日があったりしてなかなか満開になりません。26日ごろからは七十二候でも「桜始開(さくらはじめてひらく)」とあり、古より日本人が愛する桜が咲く時季となりました。毎年花を待ち望む、思い出の深い桜がある人も多いことと思います。故郷の桜は咲いただろうか、あの学び舎で見た桜は今年も咲くのだろうか、それぞれの思い出とともに桜開く春がやってきました。

  今日の水彩画は、「ひと足先に満開となった緋桜」です。ご近所に毎年咲く緋桜の大きな木があります。見事に紅の花を付けた桜が、あふれんばかりの春の朝陽に花を開かせ枝を伸ばします。
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  そんな花の春、花の女神「フローラ」に逢いに東京都美術館に行ってきました。「ティツィアーノとヴェネツィア派展」にて展示されているティツィアーノの傑作「フローラ」は、ミニバラ、スミレ、ジャスミンなど春の花を手に、金髪に縁どられた優美な顔を傾け、白い下着をつけた透き通る肌も露に、見る人の心を奪い魅了する女神でした。

  美しい女神や桜の花もいいけど、やはり「花より団子」ですかね。団子といえば桜餅があります。その桜餅に関東風と関西風があることを初めて知りました。関東風は小麦粉を焼いた皮で餡(あん)を巻いたお餅を桜の葉で包んでいます。江戸の長命寺の門番が桜の落葉を使って作ったことから、「長命寺餅」と呼ばれているそうです。
 関西風はというと、道明寺粉(粗挽きのもち米粉)の皮で餡を包んだ饅頭のお餅を桜の葉で巻いた「道明寺餅」と呼ばれる餅のようです。桜餅の葉は塩漬け葉ですが、この桜の葉には「大島桜」が主に使われているそうです。この葉を餅と一緒に食べるか、食べないか、あなたはどちらですか。

  おとうさん、桜餅?「花もいいが桜餅もいいね~!お~い、この桜餅は道明寺か長命寺か?」「お寺じゃなくて、スーパーの特売ですよ!」「・・・・・?まあいいや、桜餅はやはり桜の葉ごと食べるのが通だな!」「あら、あなた・・桜の葉も食べちゃったんですか?」「あたりまえだろ!おかあさんは食べない派なのか?」「いえ・・・この桜の葉はビニールに葉を印刷したものなんですよ・・」「・・・・ぐえぇ!」

  「木のもとに汁も膾も桜かな」とは芭蕉の句で、木の下で花見をしていると、花びらが散ってきて、汁椀といわず膾(なます)といわず花びらで一杯になってしまう、なんと豊かな花の一日であろうか・・・、いい花見ですねぇ・・・・。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.03.29(Wed) 12:20] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 春彼岸 

2017年03月24日 ()
  3月20日は二十四節気の「春分」で、「お彼岸の中日」でもありました。春彼岸は17日に彼岸の入りを迎え、23日が彼岸明けとなります。西の彼方にあるとされる「西方浄土」に陽が入る日で、古からあった豊作を願う太陽信仰の名残に、仏教の彼岸会が重なり、先祖供養ための寺参りやお墓参りが盛んになったといわれています。
 「暑さ寒さも彼岸まで」とはいえ、時折冬の寒さが残る日があるものの、花が次々と開花する春を迎え、東京では21日に真っ先に桜の開花宣言、いよいよ桜満開の心躍る季節の到来です。

  今日の水彩画は、やはり桜の絵で、「里山の彼岸桜」です。山の向こうから朝陽が昇ると、まだ暗い山影を背景に彼岸桜が白く浮かび上がります。山間にひとり咲き続ける長寿の桜、幾百回もの満開の春を迎え、里山の昔話を語り続けます。
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  春分の日に最も近い「戊(つちのえ)の日」は、五穀の種を神様に供える雑節「社日」とされ、今年は3月22日になります。「社日」とは、産土神(うぶすながみ)を祀る日で、春と秋の年に2回、春は種まきの頃、秋は収穫時期になることから、農耕を営む人々にとって、大切な節目の日となっていました。産土神とは、土(すな)を産み出す神、万物を産み出す神で、その土地に育つ作物、植物、河川、その他の自然物をはじめ、そこに住む人間の暮らしに密接に関わる働きをしている神様だそうです。

おとうさん、花見は?「花見を何日にするか気になるねえ!おかあさん、彼岸桜が咲いたよ!花見酒はありますか~」「あなた~まだ早いですよ!お花見はソメイヨシノが満開になる頃ですよ・・・」「そんなこと言っているうちに、去年は酒を呑まずに桜が散ってしまった・・・」「あら!覚えていますか?同じ手は使えないかあ~・・・」

  彼岸桜(エドヒガン)は落葉高木で、樹高は15~25mにもなり、名前のとおり春のお彼岸のころに、ソメイヨシノよりひと足早く花を咲かせます。ヤマザクラと共にサクラの中では非常に長寿の木が多いことで知られており、樹齢二千年を超えるといわれる神代桜や樹齢千五百年を超える薄墨桜などが有名です。多くの品種の母種として使われていて、ソメイヨシノの片親でもあるのだそうです。

  「久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」紀友則の歌で、「こんなにも日の光が降りそそいでいるのどかな春の日であるというのに、どうして落着いた心もなく、花は散っていくのだろうか」と、はかなく散っていく花を惜しんでいます。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.03.24(Fri) 10:26] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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