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リストマーク 夏至 

2017年06月22日 ()
  6月21日は二十四節気の夏至でした。夏至は、日の出と日の入りの方角が最も北寄りになり、昼が最も長く、夜が最も短くなる時季です。暦便覧には「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以てなり」と記されています。このため、夏至は別名、日永(ひなが)とも呼ばれ、東京で夏至と冬至の昼の時間の長さを比べると5時間もの差があるそうです。
   
  今日の水彩画は、「雨に濡れるヤマアジサイ」です。森の片隅でひっそりと花を付けたヤマアジサイ、梅雨の雨にけむる木々の中で、小さく白く清らかな飾り花が雨に濡れています。
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  野や山に咲く野生のアジサイには、ヤマアジサイ、コアジサイ、ガクアジサイ、エゾアジサイなどがあります。なかでもヤマアジサイは、湿った林のなかや沢沿いなどに多く、タニアジサイとも呼ばれています。真っ白なヤマアジサイの飾り花は清々しく、蒸し暑い梅雨の雨の中で、清涼感を醸し出します。

  七十二候の二十八番目となる「乃東枯(なつかれくさかるる)」は、夏至の初候にあたります。乃東(ないとう)とは漢方薬に用いられる夏枯草(なつかれくさ)の古名で、その正体はウツボグサ(靫草)です。紫色のきれいな花が咲く田んぼの畦や草地でよく見掛ける草です。この草は、冬至の頃に芽を出して夏至の頃に、花穂が黒色化して枯れたように見えることから、夏枯草と呼ばれるようになりました。カサカサに茶色く枯れた花穂は利尿などの漢方薬に使われるようです。

  おとうさん、夏至です!「もう夏至か!昼が一番長い日だ、冬至と逆だ・・・。冬至は南瓜(かぼちゃ)を食べる日だが、夏至の食べ物は何?」「あなたは、食べものと呑むことだけで季節を感じる人ですねえ~」「冬至の食べ物があって、夏至にないのはおかしな話だ!」「そうですねえ~冬至に南瓜ときたら、夏至には冬瓜(とうがん)ではどうですか?」「いいねえ~冬瓜は夏が旬だ!ピリッと冷えた日本酒に合うねえ・・」「えっ、冷えたお酒?年寄りの冷や水になりますから、温いお茶で・・・」「・・・・・・」

  「涼しさを 我宿にして ねまるなり」とは松尾芭蕉の句です。この句は、山形に滞在したときのもので、歓待をうれしく思い、まるで我が家にいるようだと詠んでいるのです。「ねまる」は方言で、山形では「とまる」、秋田では「座る」、広島では「腐る」と地方によって異なった意味で使われているようです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.06.22(Thu) 13:58] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 腐草為蛍 

2017年06月13日 ()
  陰暦六月は水無月(みなづき)といい、田植えに多くの水を必要とする月を意味しました。梅雨のこの時期、水が張られた田に苗が青々と育ち始めています。
 七十二候は農作業のための時期を知らせる暦で、今頃は芒種の次候にあたる「腐草為蛍(ふそうほたるとなる)」です。腐った草や朽ちた木の間からきれいに光る蛍が出てくる時期なのです。「蛍」は夏の風物詩として、古くから親しまれていて、「ほたる」の記述は日本書紀や万葉集にすでに見られるそうです。

   今日の水彩画は、「霧に浮かぶ鮎釣人」です。雨上がりの霧に覆われた川の中に、鮎釣人が佇みます。霧を分け入って陽がさし込むと、川面に映える光が霧を照らし、明るい光の中に釣人が浮かび上がります。
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  神奈川県の河川の鮎解禁日は6月1日でした。河口近くの海で育った鮎は、初夏には上流を目指して川を遡ります。上流で成魚となった鮎は秋には川を下り河口付近で産卵し、一年で一生を終える年魚です。「あゆ」の名の由来は、秋に川を下ることから「あゆる(落ちる)」に由来する、という説が分かり易いようです。中国では「鮎」はナマズをさし、アユには「香魚」が使われています。日本では、アユが一定の縄張りを占める魚であることから、「鮎」の文字があてられたともいわれています。

  おとうさん、蛍?「蛍?まさか、煙草を吸っている人じゃないの?蛍といえば、暗がりに浮かぶ赤提灯が恋しいなあ?」「あら、あなた!お出かけですか?」「うむ!夜道が暗いから明かりを持って、ちょいと一杯やってくるか!」「あらあら、明かりを探して飛ぶ蛍みたいですねぇ~!いってらっしゃい~ゲンジボタルの君!蛍二十日に蝉三日といわれ、どうせ旬の時期が短いのですから!」

  ホタルなどの発光生物の発光は、ルシフェリンという物質によるものですが、この発光は電気などによる光源と比較すると効率が非常に高いといわれます。発光生物の大多数は海に生息している生物が占めていて、特に深海生物のほとんどは発光するといわれています。例えば魚類では、500m以上の深海に棲む住む魚の90%が発光するという調査結果があるそうです。

   「己が火を木々の蛍や花の宿(おのがひを きぎのほたるや はなのやど)」とは     芭蕉の俳句です。蛍が光を出して飛び回るのはオスの蛍がメスを探す行動のようで、メスの蛍も発光しますが、木や草などに止まってあまり動かないそうです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2017.06.13(Tue) 17:13] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 芒種 

2017年06月09日 ()
  6月5日は二十四節気の「芒種」にあたり、稲などの芒(のぎ)のある穀物の種をまく季節を意味しますが、実際の種まきはこれよりも早い時季に行なわれるようです。暦便覧にも「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時なり」と記されています。
 梅雨が始まる頃ですが、今年の関東甲信越のつゆ入り宣言は、6月7日でした。宣言が出たら雨が降るかと期待しましたが、まとまった雨は降らず、野菜畑が値を上げています。今年の梅雨の雨量は平年並みということですが・・・。

  今日の水彩画は、「雨に濡れる紫陽花」で、梅雨の花といえば紫陽花です。陽当たりが苦手な紫陽花が、雨が降り出すと生き生きとしてきます。重なり合った葉達が雨の滴で重くなった花を支えます。
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  梅雨には、あじさいがよく似合います。しっとりと濡れた姿も美しく、梅雨ならではの風情を感じます。「あじさい」の語源は、藍色が集まったものを意味する「集真藍(あづさあい/あづさい)」からきたという説が有力とされています。あじさいは古くから親しまれていて、「万葉集」にも詠まれています。あじさいが「紫陽花」になったのは、唐の白居易が別の花につけた「紫陽花」を、平安時代の学者が当て字をしたからだといわれています。

  おとうさん、梅雨入り!「梅雨入りだぁ、庭の紫陽花が色付いてきた~紫陽花に小さなカマキリが、今頃は蟷螂生(カマキリ生ず)で、カマキリの子供が出てくる頃だな~」「あなた、畑の草刈りお願い、草がすぐに伸びるんですから!」「カマキリといえば、オスはメスに食い殺される・・・」「あなた~、早く、早く、また雨が降り出しますよ!」「きゃぁ~、かみさんが鎌をふりあげて迫ってくる~たすけて~」

  七十二候では芒種の初候(6/5~6/9)は「蟷螂生ず」で、卵から小さなカマキリの赤ちゃんが生まれてくる頃としています。農作業の目安とされる七十二候にカマキリが登場するのは、カマキリは稲や野菜には手を付けずに、害虫を捕らえてくれる益虫だからなのかも知れません。

  「紫陽草や帷巾時の薄浅黄(あじさいや かたびらどきの うすあさぎ)」は芭蕉の句です。あじさいの花が咲いて、帷子を着る季節がやってきた、あじさいの色はその薄浅葱の帷子色をしている、と詠んでいますが、夏に近づくにつれ、帷子の色は濃い色から淡い色に変わるように、あじさいの色も変わっていく、という意味なのでしょう。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.06.09(Fri) 17:45] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 紅花栄 

2017年05月25日 ()
   各地で30度を超える真夏日が続いたと思いきや、今日は一転して雨模様の肌寒い日となりました。暦では、七十二候の第二十三候「紅花栄(べにばなさかう)」と紅花が咲きほこる頃となりました。紅花の産地である山形では開花はもう少し先のようですが、アザミに似た可憐な紅の花々が、黄色から次第に赤みを帯びてきます。

  今日の水彩画は、「初夏の眩しすぎる陽ざし」です。夏を思わせる眩しい朝の陽差しが、森の草木を輝かせます。伸び盛りの草木たちは、少しでも陽を浴びようと枝葉を伸ばし、風にあたり枝を揺らせます。
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  紅花が日本へ渡来したのは五世紀ごろといわれ、栽培法と染色法と共に伝わったとされます。「紅花」は、「藍」とともに代表的な日本の色として、古より歌に詠まれ、衣を艶やかな紅に染め上げてきました。
  「紅花」の花は黄と赤の色素を含んでいますが、黄色の色素は水に溶けやすく、水洗いで洗い流されてしまいます。その花に藁(わら)灰汁を加えて赤い色素を抽出したあと中和します。紅花の「紅色」の種類も、濃い赤の「艶紅」からごく淡い薄紅の「桜色」まで、実にさまざまで、日本人が美しい紅色に寄せてきた心が感じられます。

  日本の青といえば、藍ですが、先日、友人が「新しい青色が発見!」というニュースがネットに載っていた、と話してくれました。調べてみると・・・。
 大手クレヨンメーカーのクレヨラが、「新しい青」をクレヨンの新色として発売すると発表したのです。この新しい青色は2009年に、米オレゴン州立大の研究室で、酸化イットリウムと酸化インジウム、少量の酸化マンガンを加熱していた際、偶然発見されたもので、それぞれの元素記号を組み合わせ「YInMnブルー」と名付けられました。新しい青色の発見は、1802年のコバルトブルー以来200年ぶりのことだそうです。

  おとうさん、紅色?「いいねえ、いい色だね!藍といい紅花といい、日本の色、和色はいいねえ!」「そうねえ!外食なら和食がいいわよね~」「色の話だ!和の色だよ、藍とか紅花の赤とか・・・」「紅花って洋食でしょ!和食にしましょうよ!」「・・・爺婆でも耳が遠くなると噛み合わない会話が弾むものだ・・・・これも藍だなあ・・・」

  「眉掃きを俤(おもかげ)にして紅粉の花」 芭蕉が山形で紅花を見て詠んだ句で、紅花を見て眉掃き(化粧道具)を連想して、誰かを想い出したのでしょうか・・。紅花の艶紅は、化粧の紅として、日本画の顔料としても使われてきました。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2017.05.25(Thu) 21:54] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 小満 

2017年05月20日 ()
  5月21日頃からは二十四節気の「小満」にあたります。万物の成長する気が次第に長じて天地に満ち始めることから小満といわれています。陽気が良くなり、ようやく暑さも加わり、麦の穂が育ち、山野の草木が実をつけ始めます。暦便覧には「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と記されています。走り梅雨が見られるころで、田植えの準備を始める頃でもあります。秋に種を蒔いた麦の穂が育ち、ひと安心(小さな満足)することから小満という、との説もあります。

  今日の水彩画は、「老いたイヌシデの若葉」です。木もれびの森のイヌシデの老木にも、つやつやの若葉たちが生い茂り、若い命が輝きます。ねじれた幹に刻まれた深い皺とムロが長い歳月を物語るイヌシデに、朝陽と若葉たちが元気を届けます。
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  今ごろの食べ物に、粽(ちまき)があります。我が家でも作りますが、もち米などを笹の葉で三角形に巻いて、蒸した食べ物です。日本には平安の頃に中国から入ってきたといわれています。こうした粽は、東南アジアの各国でも見られ、日本でも地方によっていろいろな粽があるようです。
 先日も鹿児島出身の友人から、あくまき(灰汁巻き)をいただきました。あくまきは、ひと晩灰汁に漬け込んだ餅米を竹の皮で包み、灰汁(あく汁)で煮たもので、独特の風味と食感を持っています。粽と同様に砂糖入りのきな粉につけていただきました。一説では、あくまきは、薩摩藩が秀吉の朝鮮出兵の際や関ヶ原の戦いで、日持ちする兵糧として作ったのが始まりといわれています。

  おとうさん、粽!「あなた、粽を作りましたよ、きな粉で食べて!」「甘いものは苦手だなあ・・・」「お砂糖は控えめにしておきました!それにきな粉は健康にいいっていいますよ!」「そうだなあ、きな粉は大豆の粉だ~、畑の肉とか、ミラクルフードとかいわれる・・・、女性ホルモンに効く成分が含まれていて、バストアップ効果があるそうだ!」「あらそうですか?ではきな粉をたくさん付けて・・・」「ウム・・長年重力に引っ張られてきた胸には効かない・・」「あら、あなたも食べて・・・老化やボケ防止に効果があるそうですよ!」「ウウゥ・・・・!粽を巻いていたササ(お酒)の方がいいなあ・・・・」

  七十二候では、小満の初候は「蚕起食桑(かいこ おこって くわを くらう)」とあり、蚕が桑を盛んに食べ始めるころとされています。
 「ことしより蚕はじめぬ小百姓」とは与謝蕪村の句ですが、農家の養蚕は重要な収入源でした。蚕が元気になるこの頃は、農家にとって嬉しい時期だったのでしょう。

   ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・サム ヤマモト
[2017.05.20(Sat) 16:21] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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