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リストマーク 梅子黄 

2019年06月16日 ()
   七十二候では、16日ころからは「梅子黄(うめのみきばむ)」です。梅の実が薄黄色に色づく時季なのです。各地でも梅雨入りとなり、梅雨の地域が広がっています。「梅雨」という言葉の由来は、梅の実が熟す時期の雨という意味から名付けられたとも言われています。

   今日の水彩画は、「雨に花開く紫陽花」です。紫陽花は陽当たりが苦手なようで、雨の中で生き生きと咲き誇ります。次々と落ちてくる雨粒が、花を洗い葉の上を転がり、清めていきます。
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   紫陽花は日本原産のユキノシタ科の植物で、開花時期は6月初めから7月の中旬で、梅雨の時期と重なります。名前の「あじさい」は、「あづさい」が変化したものらしく、「あづ」は「集まる」で、「さい」は「さあい(真藍)」、青い花が集まって咲くさまを表しているようです。漢字は「紫陽花」と書きますが、平安時代の学者源順(みなもとのしたごう)が「あじさい」に、この漢字をあてはめたのが始まりとされます。実は中国では「紫陽花」は、唐の詩人の白居易が命名した別の紫の花のことらしいのです。つまり誤って付けられた漢字名が今でも使われているということなのです。でも「紫陽花」という名もなかなかいい雰囲気です。
 
   おとうさん、紫陽花!「庭の紫陽花が美しいなあ、雨ニモ負ケズ 生き生きしているなあ!」「あなた、美しいですが、花の色が変わることから、花言葉は浮気とか移り気とか言うそうですよ!」「美しい人はいろいろ言われるものだ!でも美しく色を変える紫陽花も枯れると茶色になる!」「あなたも青くなったり赤くなったり、あちこち浮気していましたが、そろそろ茶色に枯れてきましたか?」「・・・・・」

   梅の実は、収穫時期によって用途が変わります。青い梅は酸味が強く、梅が持つ本来の風味を一番感じることができることから、梅酒やシロップ漬けにすると美味しいようです。黄色く熟した梅は、おなじみの梅干しに使われます。昔から「梅は三毒を断ち、その日の難を逃れる」といわれ、梅干しを食べると健康になるとされ、最古の医学書「医心方(いしんぼう)」でも、梅干の効用が取り上げられているそうです。

   「紫陽花や 藪(やぶ)を小庭の 別座敷」とは芭蕉の句です。この離れ座敷の庭は、藪が眺められる質素な小庭だが、折から紫陽花の青い花が咲いて、いかにも清閑の趣きが深いものだ・・・。雨の中、紫陽花の咲く庭、風流ですねえ。

   ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2019.06.16(Sun) 17:07] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 芒種 

2019年06月07日 ()
  6月6日は二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」の始まりです。芒(のぎ)のある穀物や稲や麦など穂の出る穀物の種をまく季節ということから、芒種と言われています(実際の種まきは、これよりも早い時季ですが)。暦便覧には「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時なり」と記されています。

  今日の水彩画は、「陽に照り輝く、こもれびの森」です。森の木々に小さな若葉が芽吹いたと思っていたら、森はすぐに緑の葉に覆われ、緑の魔境に変わります。夏のような強い日差しを、葉達は力強く白く照り返します。
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  稲作活動が本格的に始まったり、梅の実が青から黄色に変わり、百舌が鳴き始め、かまきりや蛍が現れ、芸事の初稽古が行われたり、芒種は様々なことが始まる時期といえます。始まりといえば、関東甲信地方も7日に梅雨入りし、ジメジメとした季節が始まりました。

  気象庁の予報では、西日本海側では前線の影響を受けにくく、雨量は平年並みか少ないと予想され、沖縄・奄美地方では、この先1か月、雨量が多くなるようで、それ以外の地域は平年並みとのことです。7月に入ると、西・東日本では、前線の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多く、雨量も平年並みか多いようです。8月も曇りや雨の日が多く、今年の梅雨明けは遅くなるかもしれません。

  おとうさん、梅雨入り!「ああ~いやだ!しとしと、じとじと!雨の日は家に閉じこもって絵描きだあ・・・」「あなた、キュウリを収穫してくださいな!」「えっ!雨ですよ!外は雨、濡れますよ!」「雨でも収穫しないと、お化けキュウリになってしまいます!」「はいはい、いやだねえ雨は!」「あなた!去年は雨が降らない!日照りは嫌だ、と言っていましたよ!」「そうかい・・・去年のことは雨に流して、忘れた・・・!」

   野菜作りの百姓にとって、梅雨時の雨の量がとても気になります。雨が少ないと、水運びをしなくてはならず、雨の日が続くと収穫や除草が間に合わず、何事もほどほどがいいのですが、こればかりはお天道さま次第、昔の人たちが神々に五穀豊穣を祈願した気持ちが良く分かります。

   「梅雨ばれの わたくし雨や 雲ちぎれ」とは芭蕉の句です。私雨とは狭い範囲に急に降り出す雨で、梅雨の晴れ間に雲がちぎれて、にわか雨が降ったというのです。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2019.06.07(Fri) 21:50] 気象現象Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 紅花栄 

2019年05月27日 ()
  早くも各地で真夏日や猛暑日が記録され、すっかり真夏のお天気となった昨今ですが、七十二候の暦では「紅花栄(べにばなさかう)」となりました。アザミに似た可憐な紅花が開花し、黄色から次第に赤みを帯びてくる時候なのです。

  今日の水彩画は、「緑の葉に覆われた枝垂桜」です。ひと月前には、桜色の衣装を纏い、春を舞っていた枝垂桜、今は緑の葉の衣装に衣替え、初夏の陽差しに新葉の緑が光り輝きます。
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  紅花はキク科ベニバナ属で、6月~7月に咲く初夏の花です。紅花の原産地は中近東・エジプトといわれ、シルクロードを通って中国に伝来し、日本には3世紀中頃に半島を経て伝わったと考えられています。輝くように鮮烈で麗しい紅色となる「紅花染」は、「藍」とともに最も親しまれる日本の代表的な色で、いにしえより歌に詠まれ、艶やかな衣を染め上げてきました。
  紅花は漢方では「紅花(こうか)」、英名では「サフラワー」。ハーブや生薬としても古くから親しまれてきました。また、紅花で染めた布を身につけると体が温まると言われ、肌に近い腹巻や腰布にも用いられていたといわれます。

  おとうさん、紅花!「うむ・・紅花栄かあ、昔から女性の唇や腰布を染めてきた紅花だよねえ、いいねえ!」「あなた!ニヤニヤして!あなただって還暦で赤い衣装を着たのでは!」「そうだったなあ!昔から赤は魔よけになるとされたらしい!魔除けをしたのにあまり効果がないねえ!」「なんですって!誰が魔なのですか?」「・・・・」

  いにしえより、「赤」は魔を祓う神聖な色とされ、神事や化粧に用いられてきました。なかでも紅の赤は、女性の体を病気から守る一種の薬とみなされてきたこともあり、染料をはじめ、化粧料や食用の着色料として、出産、雛祭り、七五三、婚礼、還暦など、女性の人生の節目に彩りを添えてきました。
  紅花からつくられた良質な口紅は、江戸時代には絶世の美女・小野小町にあやかって、「小町紅」と呼ばれ、たいそう高価な口紅だったようです。今日でも売られており、女の子の特別なお祝いの紅に使われるそうです。

  「まゆはきを俤(おもかげ)にして紅粉(べに)の花」とは芭蕉の句です。眉掃き(まゆはき)は白粉を付けた後で眉を払う刷毛のこと。美しく咲いている紅粉の花は、まゆはきを思いださせることよ・・と美しい女性の化粧姿を思い出しているのでしょうか。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2019.05.27(Mon) 20:19] 植物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 小満 

2019年05月21日 ()
   二十四節気では、5月21日から「小満(しょうまん)」となります。陽気がよくなり、草木などのいきものが次第に生長して生い茂るころで、「全てのものがしだいに成長して、天地に満ち始める頃」なのです。暦便覧には「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と記されています。麦畑が緑黄色に色付き始めるころです。

   今日の水彩画は、「新緑のこもれびの森」です。すっかり青葉に包まれた森の散歩道、初夏の陽が森に射し込み、散歩する人の背を照らすと、緑の守り人のように黄緑色の中に溶け込みます。
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   今ごろは、秋にまいた麦などが、ちょうど穂をつける時期なのです。穂が出始めた麦を見て、農家の人たちは「今年は順調に育っている」と、ひと安心したのだそうです。そんなところから、小満(少し満足)と言われるようになったということです。

   七十二候では、小満の初候「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」となり、蚕が桑の葉を食べて、スクスクと成長する頃なのです。蚕はいまでも、生活に大きく貢献しており、マユから作られる絹はもちろんのこと、パウダー状にしたものは、化粧品や食品に使われ、絹糸は医療用として活用されています。

   おとうさん、蚕起食桑!「蚕が育つ時期だなあ~」「あなた、朝ごはん食べたら、畑!野菜畑!忙しい時期です!」「おやじ起きて朝飯はハム、なんちゃって!畑だ、畑!」「あなたも、食べたら生糸でも吐くといいのに・・・」「えっ!食べるだけでは蚕(解雇)だあ!なんちゃって!」「吐くのは駄洒落ばかり・・・」

   養蚕の起源は中国で、浙江省の遺跡から紀元前2700年頃の絹製品が発見されているそうです。日本へは弥生時代に中国から伝わり、早い時期から養蚕が行われていました。それでも良質な生糸は江戸時代まで中国から輸入され続け、幕府や諸藩は養蚕を推奨し、技術の開発とともに、幕末には良質な生糸が生産できるようになりました。明治に入ると養蚕は隆盛期を迎え、良質の生糸が大量に輸出され、「外貨獲得」に貢献、日本の近代化の礎を築きました。明治の皇后さまは、産業奨励のため自ら養蚕を行い、令和の新しい皇后さまにいたるまで継承されているそうです。

   「山里に夏蚕飼ふらん桑畠」とは正岡子規の句です。蚕は年に4回飼われ、時期は八十八夜から十月の中頃で、春蚕、夏蚕、秋蚕、晩秋蚕と呼ばれていました。

   ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
 
[2019.05.21(Tue) 15:04] 昆虫Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 蚯蚓出 

2019年05月14日 ()
   七十二候では、今ごろは立夏の次候「蚯蚓出(きゅういん いずる)」にあたります。蚯蚓とはミミズのことで、冬眠していたミミズが地上に出てくる時期なのです。他の虫や蛙や蛇たちは啓蟄の頃に目が覚めて地上に出てきたのですが、ミミズはずいぶんと目覚めが遅いようです。

   今日の水彩画は、「新緑の山笑う」です。里山の裏山の木々が、瞬く間に新緑に包まれました。艶のある新葉の黄緑色が、夏を思わせる日差しを受けて、照り輝きます。あたらしい命の輝きに山が笑います。
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   「蚯蚓(きゅういん)」」はミミズを表しますが、中国では「ねじり、ひきずる」というミミズの行動をあらわす言葉のようです。蚯蚓出は季節の言葉ですから、手紙の書きだしや俳句などに使われますが、手紙の冒頭に「ミミズが土から出てくる季節となりました」などとは、なかなか書けません。俳句に使う場合は、蚯蚓や蚯蚓出は夏の季語になりますが、「蚯蚓鳴く(ミミズ鳴く)」は秋の季語だそうです。

   初夏の新緑につきものといえば初鰹でしょう。「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」とは、江戸中期の俳人山口素堂の句ですが、目にも鮮やかな「青葉」、美しい鳴き声の「ほととぎす」、食べておいしい「初鰹」と、春から初夏にかけて、江戸っ子が最も好んだものを詠んでいます。面白いことに、この言葉のすべてが夏の季語なのです。

   おとうさん、新緑!「お~い、目に青葉といえば?」「あなた、新緑がきれいですねえ!」「だから目に青葉といえば・・・・」「初鰹と言わせたい・・・まだまだお値段が高いですよ!」「旬の鰹を食べなきゃ、粋じゃねえ!」「はいはい、ネギとオオバならありますから・・・江戸っ子の粋とやらは、ネギ大葉 山ほど盛って 初鰹、というのでしょう?」「ネギとオオバだけで鰹は?・・・なし・・・・」

   山野が新緑で彩られると、鰹は黒潮に乗って北上し(初鰹)、秋には南下して戻っていきます(戻り鰹)。古くから鰹は貴重な栄養源でしたが、痛みやすく、干物を食べていたので「堅魚(かたうお)」と呼ばれ、それが「かつお」に変わり、漢字も一字の「鰹」になったといわれます。江戸時代になると鰹は刺身として生食されるようになります。

   「鎌倉を生きて出でけん初鰹」とは芭蕉の句です。この初鰹は、鎌倉を出るときはきっとピンピン生きていたことだろう、というのですが、こんな初鰹、美味しそう。

   ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2019.05.14(Tue) 22:08] 食べ物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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