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リストマーク 鶺鴒鳴 

2018年09月14日 ()
  9月13日からは、七十二候の四十四番目、白露の次候「鶺鴒鳴(せきれいなく)」です。この時期は、セキレイが鳴き始める頃とされています。それにしても鶺鴒をはじめとして鳥の漢字は難しいものばかりです。鸚鵡(おうむ)、鴛鴦(おしどり)などは、読めないし書けません。信天翁(あほうどり)に至ってはいったい誰が、こんな漢字を当てはめたのでしょう。

  今日の水彩画は、「初秋の渓流」です。先週、7年ぶりに奥入瀬に行ってきました。何度訪れても素晴らしい風景です。北国の渓流は早くも秋の気配、轟々と音を立てる流れに、風に吹かれて散る落ち葉が吸い込まれていきます。まるで枯れ葉が散る秋の寂しさを消し去るように。
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  鶺鴒(せきれい)は、もともとは寒いところの鳥で、北海道や東北でしか見かけない鳥でしたが、次第に生息地が南下して、今では西日本でも見ることができるそうです。セキレイは、川沿いや池、沼といった水辺を拠点として、主に昆虫などを食べています。畑を耕すと、土の中から現れた虫をねらって、セキレイが何羽もやってきます。今頃はあちらこちらで秋の虫たちが鳴き始めるころです。秋の虫を狙ってセキレイが活発になるのかもしれません。

  おとうさん、虫の声!「秋だねえ~虫の声!」「でも、あなた、虫たちがどんな鳴き声だったか覚えている?」「キリギリスはギーチョン、コウロギはコロコロコロ、スズムシはリーリー?」「あら、スズムシはリーンリーンでしょう?」「うん、スズムシはメスを呼ぶ時と口説くときは違うらしい!」「あら、昔のあなたみたい!」「・・・・・・」

  俳句で「虫」といえば、秋に草むらで鳴く虫たちのことを指し、秋の季語になっています。虫の声が賑やかな様子は「虫時雨(むししぐれ)」、暗闇に虫の声だけが聞こえる「虫の闇」、昼間に鳴く「昼の虫」など、秋の風流な言葉もたくさんあります。よく「虫の声」「虫の鳴き声」「虫の音」などといいますが、オスたちが求愛のために翅(はね)を鳴らしているので、「鳴き声」ではなく、「虫の音」なのでしょう。草むらや、家のまわりでも、オスの虫たちがそれぞれの楽器で、演奏会を開いています。

  「行水のすて所なき虫のこゑ」上島鬼貫の句です。鬼貫(おにつら)は「東の芭蕉、西の鬼貫」といわれたほど、優れた俳人でした。夕方、行水をした水を流そうと思ったら、草むらのあちこちから虫の鳴き声が聞こえ、水を捨てる場所がない・・・・・。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2018.09.14(Fri) 20:45] 動物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 白露 

2018年09月10日 ()
 9月8日からは二十四節気の「白露(はくろ)」にあたります。白い露と書かれるように、本格的な秋が訪れ、朝になると大気が冷えて、草花に朝露が付き始めるころなのです。ここ数日は夏のような暑さが続いていましたが、今日からは雨が降り、秋らしい涼しさとなるようです。暦便覧には、「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」と記されています。
  
  今日の水彩画は、めったに描かない肖像画で、「チェロをひく少女」です。自分の弾くチェロの音色に耳を傾け、一心に練習する少女、真剣な表情にかわいらしさがにじみ出てきます。
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   この少女の絵は、風景画が多い中で唯一の肖像画で、毎年1枚、少女の成長を記録するように描いています。私にとって肖像画はとても難しいジャンルで、描いているとモデルの心の中まで描き切らないと絵にならないような気がします。
  先月、国立新美術館で開催されていた「ルーブル美術館展 肖像藝術―人は人をどう表現してきたか」を見に行ってきました。人の姿を描き出す肖像は、スマホやデジカメで人の姿を簡単に写すことができる現代では身近な存在となりました。しかし、肖像は古代以来の最も長い歴史をもつ芸術ジャンルでもあります。 展覧会では、三千年以上前の古代メソポタミヤの彫像や古代エジプトのマスクから19世紀の肖像画や彫像まで、極めて広い範囲にわたる時代や地域の作品が展示されていて、肖像が担ってきた役割や表現上の特徴が明らかにされていて、とても興味深い内容でした。

  おとうさん、白露!「秋だねぇ~!朝露が芋の葉に溜まっている、白露だねえ!」「あなた!畑に行って秋野菜の畝をたててください!」「まだ、朝露があって濡れてしまう!」「あら、早朝が涼しくていいと言ったのは誰?」「はいはい!行ってきますよ!秋の田の・・・我が衣では露に濡れつつ!これは中大兄皇子状態だぁ~」

  白露の白は、中国の陰陽五行では秋の色は白とされていることから来ています。日が昇るとすぐに消えてしまう露は、昼にはしぼんでしまうツユクサの青い花とともに、古来から儚さの象徴でした。

  「白露も こぼさぬ萩の うねりかな」とは芭蕉の句で、白露をこぼさないでいる萩の枝のうねりを詠んだもので、萩と露の組み合わせが秋の深まりを感じさせます。

  先週は久しぶりに、奥入瀬に行ってきました。次回からは渓流の風景をお楽しみいただけると思います。ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・・サム ヤマモト
[2018.09.10(Mon) 09:54] 季節Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 処暑 

2018年08月26日 ()
  8月23日は二十四節気の第14「処暑」です。処暑の「処」は収めるという意味があり暑さが収まる、つまり暑さが峠を越えて後退し始めるころなのです。いつまで寝苦しい暑さが続くのだろうと寝入ると、明け方の肌寒さに目が覚める、そんな時候なのです。暦便覧には「陽気とどまりて、初めて退きやまむとすれば也」と記されています。

  今日の水彩画は、「陽に焼付く尾根の道」です。初秋の山とはいえ、陽に照らされた尾根道の木々の葉も、岩の道も焼付くように熱くなります。しかし、数か月もたつと、山は凍てつく雪に埋もれ、幹が曲がるほどに雪に押しつぶされます。
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  秋の味覚といえば、サンマです。昨年は半世紀ぶりの不漁で、10年前の約2倍の値段となりました。そのサンマが、今年は少し安くなるかもしれない・・・。水産庁によると、今年の日本近海に来遊するサンマの量は、昨年を上回る見通しで、サイズも大きくなる見込みだそうです。

  江戸時代は、サンマは脂が多く下品とされ、食用としてではなく、主に燈明の油を取るために使われたようです。江戸っ子がサンマを食べるようになったきっかけは、「火事」だそうです。「火事と喧嘩は江戸の華」といわれるように、江戸では「大火」と呼ばれる大火事が49回も起きています。頻発する火事と人口の増加によって江戸っ子たちは好き嫌いを言っていられる状況ではなくなり、やがて「安くて長きはさんまなり」という魚屋が出たりして、サンマは庶民の食べ物として定着していったようです。

  おとうさん、秋!「秋といえばサンマだ、お~い、サンマ!」「あなた、まだ高い、一匹100円以下にならないと!」「なるほど、初物好きの江戸っ子も、安くて長きはサンマなり、というくらいだ、サンマは安くなけりゃ!」「あら、めずらしく納得ですか、では今日はサンマの開きで・・・・」「お開きとしますか、お後がよろしいようで・・・」

  落語にもサンマがよく登場します。「目黒のさんま」は有名ですが、「さんま火事」という演目もあります。ケチな地主を脅かすために長屋の店子たちが七輪でサンマをいっぺんに焼き、その煙で火事に見せかけようと大騒ぎするという噺です。

  「初秋や畳みながらの蚊屋の夜着」とは芭蕉の句です。初秋の夜寒にかけるものとて無いので畳んであった蚊帳を かけ布団の代わりに身にかける、という句で、今頃の夜は冷え込むこともあり、あわてて布団を出すことがありますよねぇ・・・・。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2018.08.26(Sun) 21:38] 食べ物Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 蒙霧升降 

2018年08月19日 ()
  危険な酷暑が続いた今年の夏ですが、ここ数日はからっとして涼しい日となり、秋を思わせる気配です。七十二候では「蒙霧升降(ふかききり まとう)」を迎え、霧が発生しやすい時候となりました。朝や夕に立ちこめる霧、あたりを覆いつくす霧に包まれると、夏が終わり秋の訪れを感じ、少し寂しくなってきます。

  今日の水彩画は、「夏の白馬五竜岳」です。夏の陽に暑く照らされる山の木々が、遠くの頂近くに残る雪渓をうらやむように眺めています。それでも時折、頂から流れてくる涼風に出会うと、うれしそうに葉を揺らせています。
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  放射冷却が起こりやすい時期に発生する「霧」は、春は「霞(かすみ)」、夏は「夏霧」と呼ばれ、「霧」は秋の季語になります。山や森の中での霧は、幻想的な風景を創り出しますが、濃い霧になると方角や道を覆い隠すこともあります。濃霧の中での海難事故や航空機事故は、レーダーなどの機器が発達した今でも多く発生しています。

  視界を遮り、覆い隠す霧は、古来より人を不安な気持ちにさせるものでした。霧という文字を含むいろいろな言葉やことわざがそれを表しています。たとえば、四字熟語では、「雲合霧集(うんごうむしゅう)たくさんのものが一時的にあつまること」、「雲散霧消(うんさんむしょう)すべて跡形もなく消えてなくなること」、「雲集霧散(うんしゅうむさん)たくさんのものが集まったり散ったりすること」、「疑雲猜霧(ぎうんさいむ)人々の疑惑や嫉妬が、雲や霧がかかっているかのように晴れないこと」、「黄霧四塞(こうむしそく)世界が乱れる前兆で、黄色い霧が辺り一面に満ちること」、「五里霧中(ごりむちゅう)物事の様子が全くわからず、どうしていいか迷うこと」、「呑雲吐霧(どんうんとむ)雲を飲み込んで霧を吐き出すことで、食べ物を食べずに気を養うこと」

  おとうさん、畑に霧が!「あなた、畑で収穫お願いします!」「はい、でも五里霧中でよく見えませんが・・」「あなた、これだけですか?ほんとうに畑に行ったのですか?」「これを疑雲猜霧という・・・」「これではすぐに無くなります!」「これを雲散霧消という・・」「あなた!これでは夕食になりません!」「では呑雲吐霧といきますか・・・」

  「湯の名残幾度見るや霧のもと」とは芭蕉の句です。長らく滞在した山中温泉を後に旅立つ際に詠んだ句で、出で湯の人々と別れて旅立つが、名残は尽きず、立ち込めた霧の下に佇み見送る人々を幾度も振り返って見ずにはいられない・・・という湯の暖かさの名残と霧のなかに漂う寂しさが感じられます。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2018.08.19(Sun) 17:55] 気象現象Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク 寒蝉鳴 

2018年08月12日 ()
   七十二候では、8月13日からは二十四節気「立秋」の次候「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」となり、セミのヒグラシが鳴きだす頃です。ヒグラシは、6月下旬ごろから地上に現れているようですが、暑すぎても寒すぎても鳴かず、明るすぎても暗すぎても鳴かないようなので、初秋の今でもこの暑さが続く今年は、カナカナカナという鳴き声はまだまだ聞けないようです。
 
  今日の水彩画は、「夏の白馬ブナ林」です。8月11日は山の日なので、山の風景を描いてみました。八月の始め、白馬五竜の高山植物園に行った際の風景です。標高が高くなると涼しくなりますが、日差しがより強くなったように感じます。強い日差しを浴びて、ブナの幹が白く輝き、峰から下る涼風に、木々の葉が揺れ動きます。
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  今年の野菜畑では、暑すぎるせいか蝉の鳴き声があまり聞こえません。しかし、様々な生き物たちで里山は賑わっています。キジ、オナガ、ヒヨドリ、トビ、カラス、セキレイ、スズメなどの鳥達、地上では野ネズミ、モグラ、ガマガエル、トカゲなどの動物、中でも多いのは虫です。コオロギ、キリギリス、バッタ、蝶、蛾、ハチ、蚊、アブ、蟻、カメムシ、さらにこれら虫の幼虫などなど。このように昆虫類が多いのもうなずけます。地球上で知られている生きものの種類の中では、昆虫の種類で半分以上を占め、80万種を超えているといわれているのですから。地球は虫で溢れています。

  おとうさん、畑は虫だらけ!「虫が多いなあ~。でも害虫ばかりではないぞ!益虫もいる!ハチなどが居なければ受粉が出来ず実が生らない!」「あなた!私は虫が嫌いです!蚊や蜂にさされてばかり!」「やはり、虫に好かれるタイプだな!」「あらっ!あなたは刺されないのですか?」「うん、虫より女性が寄ってくるタイプだなあ~」「ふん!そのうちメスのスズメバチにでも刺されるわよ!」

  古来より、人の暮らしに昆虫が役立ってきました。カイコ蛾を飼育し、繭から絹糸を生産し、ミツバチを巣箱で飼育し、蜂蜜を採取してきました。これらは昆虫の産業化とか家畜化ともいえるのではないでしょうか。農業にも、農薬に変わって昆虫で害虫を駆除する天敵農薬として使用し、果樹や野菜の受粉を助けるマルハナバチやミツバチを飼育して利用しています。

  「鳴けよ虫秋が鳴かずに居らりふか」 とは小林一茶の俳句です。野菜作りの助っ人にもなっている畑の虫たちも、夜になると騒がしく鳴いているのでしょう。

  ではまた、次回の水彩画をお楽しみに・・・・・サム ヤマモト
[2018.08.12(Sun) 20:41] 未分類Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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